こんにちは、写真・カメラ大好きレースクイーンの沙倉しずかです!
モデルやレースクイーンのお仕事をしながら、サーキットでチームカメラマンとしても活動しています。
私にとって2024年は「カメラ女子」から「カメラマン(修行中)」になった刺激的な年でした。
2018年頃からレースクイーンとしてサーキットでお仕事をしながら、合間に趣味でレースの様子を自分のカメラで撮ってSNSにアップしたり、CAPA CAMERA WEBでカメラ女子として記事を書かせてもらったりしていたところ、SUPER GTのGT300クラスに参戦する『ANEST IWATA Racing』様から、チームカメラマンのお誘いをいただいたことがきっかけでした。
自分でも全く予想していなかった展開でした。「カメラマンになりたいという夢があったわけでもなく、ただの写真・カメラ好きの自分に本当にできる? 大丈夫?」と何度も自分に問いかけましたが、自分もレースクイーンとして応援していたときから、チームの皆さんも優しくて面白くて大好きなチームだし、こんな機会は二度とないし、経験できることはできるうちにやっておこうという思いからチームカメラマンになることを決めました。
今までもサーキットで写真を撮っていたとはいえ、趣味で撮るのとお金を頂いて撮るのでは大きく異なり、ちゃんと撮らなきゃという責任感、自分が撮った写真が多くの人の目に触れる緊張感、写真のクオリティはもちろん、納品のスピードなど色々な課題にもぶつかり、自分の不得意なことが浮き彫りになった一年でした。
今まで趣味で撮影していたのは、関係者しか見ることができないピット作業やドライバーたちの様子でしたが、チームカメラマンはそれらに加え、練習走行、予選、決勝といった走行中のマシン、ドライバーやスタッフ含めた関係者の集合写真なども当然撮れなければいけないし、撮った写真を出来るだけ早くチームに送らなくてはいけません。
とくに集合写真は、最初は撮ることで精一杯で、両端の人が切れてしまったり、後ろ列の人がボケてしまったりと情けない失敗もありました(泣)。
データの納品は特に何時までという指定はありませんが、鮮度が大事なのでなるべく早く納品できるよう意識はしています。しかし現像作業で色味を調整したり納得のいく写真に仕上げていると、予選日の夜は寝る時間を削って作業することになり、納品が朝になってしまうことも多いです。これは今の重要課題で、少しでも早く納品できるよう、プロの方々にやり方を聞きながら作業の効率化を図っています。
意を決してサンニッパを購入!
そして肝心のマシン撮りです。
チームカメラマンになった1年目はコースサイドの位置関係がわからず、先輩のチームカメラマンさんの後を着いてサーキットを歩きました。タイミングが分かりにくいドライバー交代の瞬間を撮り逃がさないようピットにいる時間が長かったため、マシンを撮れるのはせいぜい5〜6周です。
走行中のマシンを撮るのはCAPA CAMERA WEBの企画で年に数回だけだった私は、その少ないチャンスでなかなか納得のいく写真が撮れず、徐々に苦手意識が芽生えてしまいました。
チームカメラマン2年目となる今年、「ANEST IWATA Racing」のチームカメラマンが自分1人になるということで、何としても苦手を克服すべく、まずは道具から入るタイプの私は60回ローンで中古のサンニッパ(SONY FE 300mm F2.8 GM OSS )を買いました!
今まで使っていたSONY FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSSも使い勝手のいいレンズですが、SONY FE 300mm F2.8 GM OSSのいいところは軽さと解像力と描写力の高さ、そして何と言ってもカッコいいので、持っているだけでテンションが上がるところです。 テレコンもSEL14TC(1.4倍)とSEL20TC(2倍)の2種類を中古で購入しました。
レンズを新しくしただけで上手く撮れるような気持ちになってしまうのが、カメラの怖いところであり、おもしろいところでもありますよね…!
早くサンニッパをサーキットで試してみたくてうずうずしていました。自分のモチベーションが上がっただけでもサンニッパを買った価値はあると思いたいです。コースサイドでサンニッパを構える沙倉さん(写真は第2戦の富士スピードウェイ)
今年の開幕前に、3月15〜16日と3月29〜30日に行われた2回の公式テストにもチームカメラマンとして参加する機会をいただけました。そこで、ピットで撮影する時間を減らし、コースサイドでのマシン撮りに重点を置くことにしました。しかしながらとてつもなく広いサーキット、昨年までは人の後ろをついて歩いていただけだったので、まずは自分の頭と足でコースを理解し撮影ポイントを覚えるという超初歩的なことからのスタートでした。1人でコース周りを散策し、途中マシン撮りしている人にポイントを聞いたり、人が集まっているところを目指しながら歩いて、少しずつ撮影ポイントを覚えていきます。
今までは手前のフェンスにピントを持っていかれて失敗することが多かったのですが、サンニッパに変えてからはフェンスの影響をほぼ受けずマシンにピントが合うようになったのでフェンスが怖くなくなりました! さらに解像力が高いのでトリミングもしやすく、自分の撮ったマシンの写真がほんの少し好きになれました。2回目のテストは生憎の雨でマシンはほとんど走ることなく終えてしまい、マシン撮りの苦手意識をなくすには十分な時間とは言えませんでしたが、サンニッパのおかげで手応えは十分にありました。
2025年シーズン開幕、メディア申請も
そして、2025年4月12〜13日の岡山国際サーキットで今年もSUPER GTが開幕しました。
コースサイドでマシン撮りをするため、チームカメラマンになって初めてのメディア申請をし、タバードをつけていざフェンスの向こう側へ。
私にとっては不安と好奇心でいっぱいの大冒険です!
1人でメディア用マップを頼りに広大なサーキットの十数箇所にあるメディア用コース入り口を探すこと、メディア用扉を開けるコツを知ること、メディア用のカメラホールを覗くこと、何もかもが新鮮で、世界が広がったサーキットでいったいどんな写真が撮れるのかとレース中ずっとわくわくしていました。
流し撮りはまだ苦手なので、これまではなるべく背景を写さずにマシン正面のアップとバックショットを多めに撮影していましたが、チームの記録という意味でも、最近はどのコーナーなのかとか、どのサーキットなのかがわかるように意識して撮るようにしています。少し自分の写真が変わったような気もします。
さらに「ANEST IWATA Racing」は開幕戦からチーム史上初の2位表彰台という快挙!
今まで苦しんできたチームがようやく2位という結果を出せたことを全力で喜びたいのに、絶対に失敗できない過去最高のシャッターチャンスがやってくるという緊張で感情が忙しかったです(笑) 。
チームカメラマンをやって良かったと感じる瞬間は、チームの皆さんから「あの写真よかった!」と言ってもらえたり、SNSで写真を使ってくれたときです。これは写真を撮る人みんな同じかもしれませんね。
あと、レースアンバサダーからチームカメラマンに立場が変わって改めて気付いたことがあります。それは、ファンの方々が大雨でも猛暑でもピットウォークに来て写真を撮って、すぐにデータを送ってくれることがどれだけ大変なことかということです。まだまだ感謝の気持ちが足りていなかったのではないかと考えさせられました。
また、いつもサーキットで会うたび挨拶していたお客さんもコスチュームを着ていないと私だと気付かないようで、透明人間になったような気分になることもあり、もっと撮られる側、表に出る側の仕事も頑張ろうと思わせてくれます!
今年のチームカメラマンとしての目標は、写真のバリエーションを増やすことです。
昨年は毎戦同じシチュエーションを撮っていると構図などのバリエーションがなくなってしまい、本当にこれでいいのか…と悩むこともありました。最近はSNSで海外のカメラマンや、モータースポーツファンが撮った写真を見漁って、こんな撮り方や表現方法もあるのかとできるだけインプットしています。
今シーズンが終わる頃にはチームカメラマンとして成長した写真をお見せできるように、そして私をチームカメラマンとして起用してくれた「ANEST IWATA Racing」の皆さんに少しでも恩返しできるように 一戦一戦頑張りたいと思います。
文・写真 / 沙倉しずか
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