より広い視野を持とうと思うようになったのは、最近大きな節目を迎えたからだろう。3月13日、取材のわずか1週間前に、ガウフは21歳になった。年齢よりも遥かに落ち着いて見えるためか、その若さに驚くファンやフォロワーもいるはずだ。ガウフ自身も、心の中では、10代の自分と“大人の自分”が常に綱引きをしており、大人の自分の方がわずかばかり優位に立っていると明かす。彼女の知名度と稼ぎを考えれば、自分が実年齢よりも上に感じるのは無理もないが、“ごく普通の”Z世代に生まれた21歳だともいう。
「プロテニス選手として成長すると、自分では実年齢よりずっと上だと感じることがあります。ですが、テニスをしていないときは、色々な意味でほかの同年代の人と変わりません。なので、リクエストがあれば、TikTokくらいはすぐにあげますし、撮るのも好きですね。自分の(本当の)年齢に戻れる感じがするんです。なので、断ることはありません」
必然から生まれた、スポーツとファッションのコラボレーション
Photo: New Balance
スタジオの搬入口から芝生へ場所を移し、取材を続ける。そばに植っているヤシの葉の間から、南フロリダの午後の陽の光りが柔くこぼれおちる。21歳の誕生日は、ささやかにお祝いしたと話すガウフ。いとこたちとディナーに行き、翌日は父のコーリーがバーベーキューを行ってくれたそうだ。ガウフの中核をなすもの。それは、家族と信仰。あとは、ユーモアだ。