ストックホルムで学んだ後はエスモード・ベルリンに入学し、2016年に卒業したが、次なるステップを考えるのは難しかったと彼女は振り返る。「ファッションに携わりたいという気持ちはすごくあるのですが、自分が本当に誇りに思えるような形でやりたいのです」と彼女は言う。「(服を)作っているときが楽しいですね。物作りが好きです。それからストーリーを伝えることも。でも、政治や社会問題にもとても興味があります。私は繊細な人間なので、私たちを取り巻く時代についてよく考えては、それに影響されたりもします。みんなの未来に貢献できないような仕事はしたくないんです」
都市を舞台に展開した「Farm(農園)」コレクション
SSON 2025-26年秋冬コレクションより。
Photo: David Neman / Courtesy of the photographer and SSON
SSON 2025-26年秋冬コレクションより。
Photo: David Neman / Courtesy of the photographer and SSON
SSON 2025-26年秋冬コレクションより。
Photo: David Neman / Courtesy of the photographer and SSON
シェルソンは今回、「Farm(農園)」と題したコレクションを地下鉄や路上といった都会的な場所で披露し、興味深い二律背反を生み出した。彼女はモデルたちが田舎に住んでいるところを想像し、「アップサイクルでやっているように、すでにあるものから服を作る様子」を捉えたかったという。
シェルソンはミレニアル世代が都会と田舎の生活をどのように見ているのか、その変化を観察している。「私の周りにいる友人や人々の多くは、すでに田舎に引っ越しているか、そういったライフスタイルに憧れを抱いています。それは私たちの将来がとても不透明で、どこか怖いからだと思っています。私自身を含め人々は、何かを自分のものとして所有したり、あるいは自活できれば、将来に対するコントロールや確信といった感覚を得られるのだと思います。そしてそれはおそらく、近代的でひどく電子化された都市からは得られないものです。何もかもが刻々と変化しているように見える現代において、人々はコントロールを求めているのかもしれません」
SSON 2025-26年秋冬コレクションより。
Photo: David Neman / Courtesy of the photographer and SSON
SSON 2025-26年秋冬コレクションより。
Photo: David Neman / Courtesy of the photographer and SSON
SSON 2025-26年秋冬コレクションより。
Photo: David Neman / Courtesy of the photographer and SSON
ファッションもこのような変化から免れることはなく、2025-26年秋冬シーズンでは確かに多くのデザイナーが服を見せるための別の方法を模索していた。