K2 Pictures CEO、プロデューサー 紀伊宗之/146
きい・むねゆき 1970年1月、兵庫県出身。大学卒業後、東映の子会社・東映映画興行に入社。シネマコンプレックス運営会社ティ・ジョイ出向や興行、編成、配給、企画・製作部門を経て2014年、東映の映画企画部に。ヘッドプロデューサーとして「犬鳴村」シリーズ(19年~)や「孤狼の血」シリーズ(18、21年)など数々の話題作を手掛けた。同社を退職して23年8月、K2 Picturesを設立し、CEO(最高経営責任者)に。
新作映画を上映するために、東京・渋谷のとある広場にテントシアターを建てた元東映のプロデューサー、紀伊宗之さん。その規格外の発想力と、自ら興した映画会社で日本映画全体に好循環をもたらそうとしている。(聞き手=りんたいこ・ライター)
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── 「ドリカム」の愛称で知られる人気バンド「DREAMS COME TRUE(ドリームズ カム トゥルー)」のリーダー、中村正人さんがエグゼクティブプロデューサーと音楽を務める映画「Page30」が、4月11日から全国公開されます。紀伊さんは配給協力という形で関わっていますが、本作のメイン上映館としてテント式の劇場を作ると聞いた時は驚きました。
紀伊 今、年間700本近い邦画が世に出ていますが、今回の映画は、テレビドラマの映画化でもなければベストセラー小説の映画化でもないので、普通に上映しても埋もれてしまいかねません。そこで思いついたのが、1960年代から70年代にかけて、演劇を移動式のテントで上演した“テントシアター”。当時の若者は、自分たちの欲求をいろいろな形で表現していたと思います。
僕は70年生まれですが、子どものころ、映画を学校の体育館で見ていたし、今はインターネットで見ることもできる。そうした経験から、映画は映画館で見るもの…
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週刊エコノミスト
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