──ユーザー層が若い点もシックスティパーセントの特徴ですね。

現在のユーザーの平均年齢は23歳と10〜20代の若者に集中しており、利用者の9割がZ世代です。一方で、一注文あたりの平均単価は約13,000円と、他社Eコマースと比較しても高水準にあるんですよね。ブランドごとの売り上げで見ても上位の数十ブランドが全体に占める割合は比較的小さく、特定のブランドに依存しないロングテールな収益構造が特徴だと言えます。どのブランドにも等しい機会が生まれ、ユーザーにとっても使いやすいと感じてもらえるようなサービスを実現している結果、GMV(取扱高)も創業から毎年伸び続けています。

──インディペンデントに根ざしている理由は?

共同創業者でCOOの松岡と「60%」を立ち上げた当初はちょうど、アジアのブランドが盛り上がりつつある頃でした。でもそのほとんどは日本から手に入れられる手段がなく、アジア各国のローカルにあるまだ世界的にはインディーズなブランドと顧客との接点を創出することにシックスティパーセントのミッションを感じました。

ニッチで特定の商圏にフォーカスしたブランドであっても、熱量の高いファンに支えられているのであれば、情報がフラット化したいまの時代には、少なくとも世界中に100人のファンがすでに存在するか、もしくは生み出すことが可能だというのが初期からの仮説です。そういったブランドと世界中の顧客とをつなぐ独自のプラットフォームには非常に大きな価値と社会的な意義があると思ってます。

──アジアのローカルなブランドをまとめて知る機会にも繋がりそうですね。

例えば韓国旅行に行ったとして、街で見かけて気になったブランドのアイテムを日本国内から買うことはこれまで難しかった。個別に存在するローカルなアジアのブランドの集合体としてピックアップを行ない、同時に顧客にとっては新しいブランドとの出合いや発見がある。そういった体験が重要だと考えています。そのため基本的にはユーザーにとって使いやすい機能性を追求したUIを構築し、サイト内やSNSのコンテンツにも力を入れています。

アジアのファッションとともに、SIXTYPERCENT Inc.はさらに拡張する

PHOTOGRAPH: MASASHI URA

──他社のファッションECとの大きな違いをどのように分析していますか?

重視しているのはサービスの信頼性と「発見と感動」の体験の向上です。倉庫や物流からオペレーションまで独自の配送システムを採用している点が強みだと思います。倉庫でスタッフが使うシステム(WMS)まですべて自社で開発しており、商品管理から配送に至るまで一括してシックスティパーセント側で全て管理できる体制を構築することで高い信頼性を得ています。システム開発やブランド側からのフィードバックを経て、現在では配送にかかる日数を0.1日単位で日々改善しています。

──「発見と感動」を実装するためにはインデーズブランドのピックアップが重要になります。

多くはSNSを中心に発掘していますが、社内でブランドリサーチを行なうスタッフのことを我々はキュレーターと呼んでいます。実際のユーザー層に近い年齢のスタッフが、同じ視点からセレクトを行なうことで移り変わりの早い情報までキャッチできます。また、公式に寄せられるユーザーからの口コミもブランドを知るきっかけになっていて、まだまだ未知の可能性を感じています。

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