2024年を象徴するファッション騒動のひとつといえば、ザ・ロウ(THE ROW)のメアリー・ケイト・オルセンとアシュレー・オルセンが3月に開催した2025年リゾートのショーでスマホの使用を禁止したことだ。ゲストに与えられたのはノートと鉛筆のみ。ランウェイの様子はフィルムで撮影されたため、画像の納品が1週間近く遅れた。その意図を分析しようと、インターネットでは「(ブランドに見合わない人を)排除しようとしているのか」「オルセン姉妹はショーをさらにエクスクルーシブなものにしようとしているのか」「なぜオンラインでコレクションを見せず、効果的にPRしないのか」と論争に発展。しかし、写真がないことに対するこの騒ぎが、コレクションへの注目度を高めるきっかけに。こうした反響を受けてか、9月の2025年プレフォールでも同じソーシャルメディア禁止ルールが適用された。

5. ファレル・ウィリアムスが火付け役。セレブを虜にした“カウボーイコア”2024年、ファッション

2024年「iHeartRadio」ミュージック・アワードでのビヨンセ。

Photo: Kevin Mazur/Getty Images2024年、ファッション

ルイ・ヴィトン 2024-25年秋冬メンズウェアコレクションより。

Photo: Filippo Fior / Gorunway.com2024年、ファッション

ベラ・ハディッドとボーイフレンドのアダン・バニュエロス、ニューヨークにて。

Photo: Gotham/Getty Images

ファレル・ウィリアムスによるルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)の2024-25年秋冬メンズコレクションを皮切りに、セレブたちの間で広がった“カウボーイコア”。このウエスタンスタイルを謳歌したのはビヨンセだけではない。バッド・バニーは「Most Wanted」ツアーのステージで馬に乗ってパフォーマンスを披露したほか、ベラ・ハディッドはボーイフレンドのアダン・バニュエロスとともにリンクコーデを楽しんだ。

6. ゼンデイヤがメットガラ2024の共同ホストに。2つのステートメントルックで会場を圧倒2024年、ファッション

メゾン マルジェラのカスタムピースを纏って。

Photo: Hunter Abrams2024年、ファッション

ジョン・ガリアーノが手がけたジバンシィのドレス。ゼンデイヤ自身がサプライズで買い付け、ガリアーノを驚かせたという。

Photo: Hunter Abrams

メットガラ2024の共同ホストを務めたゼンデイヤは、ジョン・ガリアーノのルックを1つではなく、2つ披露したことで話題に。1着目にはメゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)のカスタムピースを、2着目にはガリアーノが手がけたジバンシィ(GIVENCHY)1996年春夏オートクチュールコレクションからのルックを選んだ。後者はヴェロニカ・ウェブがランウェイで着用したものと同じドレスで、ガリアーノはショーの後一度も目にしたことがなかったという。これはゼンデイヤ自身が買い付けたそうで、彼女がこの一着を着て現れた瞬間、ガリアーノは驚きを隠せなかったと話している。

7. 孤高のデザイナー、ドリス・ヴァン・ノッテンが引退。38年のデザイナー人生に終止符2024年、ファッション

2025年春夏ショーより。最後のお辞儀をするドリス・ヴァン・ノッテン。

Photo: Francois Durand/Getty Images2024年、ファッション

ドリス・ヴァン・ノッテン 2025年春夏メンズショーのランウェイを歩くモデルたち。

Photo: Richard Bord/Getty Images

ドリス ヴァン ノッテン(DRIES VAN NOTEN)の最後のショーとなった2025年春夏メンズコレクションショーでは、彼による過去の作品の映像がスクリーンに映し出され、カクテルで幕を開けた。会場にはハイダー・アッカーマン、トム・ブラウン、ピエールパオロ・ピッチョーリに加え、「アントワープの6人」の仲間であるウォルター・ヴァン・ベイレンドンク、アン・ドゥムルメステールといったデザイナーたちの姿が。ランウェイに敷き詰められた銀箔はモデルたちが歩を進めるごとに舞い上がり、どこか儚げなムードを漂わせていたが、ヴァン・ノッテンの次の章に進もうとする決意が感じられた。

ファッション界において、デザイナーが自分自身の言葉で、自分自身のタイミングで去っていく姿を見ることができるというのは、とても稀なことだ。後任はヴァン・ノッテンが信頼を寄せるジュリアン・クロスナーに決定しており、彼がディレクションする2025-26年秋冬メンズコレクションは2025年1月にルックブック形式で、ウィメンズは3月にランウェイで発表される予定だ。

8. ヴィルジニー・ヴィアールがシャネルを退任。新アーティスティック ディレクターはマチュー・ブレイジーChanel logo with a question mark. Photo Illustration by Vogue

ヴィルジニー・ヴィアールがシャネル(CHANEL)を突然退任して以来、業界ではその後任についてさまざまな憶測や噂が飛び交っていたが、12月初旬、ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)を率いたマチュー・ブレイジーが新アーティスティック ディレクターに決定したことが発表された。一方、ボッテガ・ヴェネタのクリエイティブ・ディレクターには、女性デザイナーのルイーズ・トロッターが就任。どちらも2025年1月から正式に活動をスタートする。

9. これがポップミュージックの力。チャーリーXCXがファッション界を“ブラット・グリーン”に染める2024年、ファッション

Photo: NBC/Getty Images

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