『ホワイトバードはじまりのワンダー』でサラの若き日を演じるアリエラ・グレイザー（左）。Photo: © 2024 Lions Gate Films Inc. and Participant Media, LLC. All Rights Reserved.
──あなたはこれまでにも、何度か苦難に直面したユダヤ人の役を演じていますが、このサラという人物についてはどう解釈していますか？
サラはとても成功した人生を送ってきた人ですが、若い頃、彼女は第二次世界大戦のホロコーストに巻き込まれ、ナチスから隠れなければならなかったんです。（この作品は）贖罪と優しさの大切さについての素晴らしい物語であり、実際、「優しさがいかに大切か」ということがこの映画のテーマのようなものだと思います。
実は学校ではいじめっ子で不愉快な人間であることがバレてしまった孫に、彼女は自分の話を聞かせます。そして彼女は、仲間をサポートすることがいかに大切かを彼に理解させようとする。私はこれまでもユダヤ人の役を演じたことがありますが、私自身はユダヤ人ではありません。私は戦後のイギリスで育ちましたが、10代前半で徐々に戦時中に起こったことが明らかになり始め、大きな衝撃を受けました。その時以来、私たち人間が犯した出来事や欺きを決して忘れてはならないと思ってきました。とにかく、私はいつも語り続けることがとても重要だと感じています。映画はそのための素晴らしいメディアです。直感的であり、楽しませてくれますから。こうした物語を語り継ぐ素晴らしい方法なんです。
──映画の中で、あなたが演じるサラは孫のジュリアンに優しさと人間性、価値観について教えていますね。あなた自身が、若い世代に対して伝えたいことはありますか？