虚と実は交錯し合うノベーション(1198回)
映画:八犬伝を観て、28年で106冊という超大作を書き切った滝沢馬琴のイノベータースピリッツに号泣しました
ここから私はイノベーター3つのフレームを思いました
1、パッション
一つのことをやり抜く
“老いてなお、頂きを求めるのは俺たちくらい”
2、仲間
熱さにほだされる
→葛飾北斎、家族
3、大義
勧善懲悪
→虚と実
八犬伝はNHKの人形劇新八犬伝にめちゃくちゃハマってそこから大好きだったのですが、今回の映画は、八犬伝のスペクタクルと、滝沢馬琴の壮絶な人生を織り交ぜながら話が進んでいく、それだけでめちゃくちゃイノベーティブな映画でした
イノベーター3つのフレームで見てみると、パッションは、28年間で106冊を書き切った滝沢馬琴の執念に尽きるのですが、特に盟友の葛飾北斎が語った”老いてなお、頂きを求めるのは俺たちくらい”という言葉が刺さりました
自分にも、人生をかけて、老いてもなお追い続けることができるもの、それを持てたら、たとえそれがうまくいかなくたって、世に認められなくたって、それでいいのかもしれないなあと、そんなことを思わせて頂きました
また、仲間のフレームとしては、文の天才が滝沢馬琴とすると、絵の天才である葛飾北斎との、盟友でありライバルであるような、刺激し合える仲間がいたことが、28年間もパッションを持ち続ける原動力だったように思えますし
視力を失ってからも書き続けるという奇跡を成し遂げたのも、家族がいたからこそと思うと、滝沢馬琴のパッションの強さが周りの人を動かしたのか、それとも周りの人の愛が滝沢馬琴を突き動かしたのか、仲間がいたからこその、両方がある気がしました
最後に大義としては、とても深く考えさせられました。勧善懲悪が滝沢馬琴の大義であることを、最後の最後まで貫いた、そこが素晴らしかったのですが、実はそれに対する迷いや葛藤もあったことが心に刺さりました
果たして何が虚で、何が実なのか。何が正義で何が悪なのか。映画自体も、虚と実が織り込まれていく中で、エンタメも虚であるべきなのか実であるべきなのか、とても考えさせられました
それぞれにはそれぞれの虚があり実がある、と言ってしまえばその通りなのですが、私は自分にとっての虚と実、正義と悪というものは、何かを持ってることが大切なのかもなあと、滝沢馬琴を見て思いました
かと言って、それに固執続けるわけではなく、他の人の虚と実を知る、それによって場合によってはアップデートしようとする、そういう姿勢が大切なのかもしれないなあと、改めて思いました
虚と実は交錯し合うノベーション
そんなことを思いました^ ^
参考:映画:八犬伝 監督・脚本 曽利文彦 原作 山田風太郎 出演 役所広司 内野聖陽 土屋太鳳 河合優美 栗山千明 磯村勇斗 黒木華 寺島しのぶ 他 https://www.hakkenden.jp