高級避暑地のハンプトンズからエネルギッシュなブルックリンまで、都市の至るところで開催された2025春夏ニューヨーク ファッションウィーク。今季は、数多くのブランドがアメリカンクラシックに立ち返り、スポーツ、映画、アート、そして民族のルーツといったクロスカルチャーの要素をコレクションに盛り込んだ。リアルクローズを得意とするアメリカブランドが挑んだ、繊細な手仕事によるモダンかつ遊び心のあるツイストにも注目だ。
家族との思い出の地への愛を盛り込んだ「ラルフ ローレン」から、ニューヨークで初のコレクションを発表した、イブラヒム・カマラによる「オフ-ホワイト™」まで、8ブランドのショーのリポートをお届け。
ラルフ ローレン(Ralph Lauren)
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RALPH LAUREN | Spring 2025 Fashion Show: Ralph Lauren in the Hamptons
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現地時間9月5日(木)、「ラルフ ローレン」はニューヨーク ファッションウィーク開幕に先駆け、2025年春夏コレクションを単独で発表した。ショー会場に選ばれたのは、マンハッタンから車で2時間ほど離れたニューヨーク州ハンプトンズに位置する、広大な厩舎、カリリ ステーブルズ(Khalily Stables)。デザイナーのラルフ・ローレンは、本コレクションのインスピレーションでもあり、毎年家族と夏を過ごす“第二の故郷”のハンプトンズについて「単なる場所ではない」と語る。「どこまでも続く青い空、海、緑の草原、そして白いフェンス--何十年も前に芸術家たちを惹き付けた、光の変化がもたらす素朴さとエレガンスにあふれた自然の世界なのです。ここは私の家であり、隠れ家であり、常なるインスピレーションの泉なのです」
約250人のゲストを迎えたのは、ハンプトンズとリンクするデザイナーのクラシックカーのコレクションと、ブランドのルーツであるポロを体現したかのような芝生を走る馬たち。そんな映画のワンシーンのような雰囲気の中、ランウェイが始まった。
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今回は「ラルフ ローレン コレクション」に加え、「パープル レーベル」と「ポロ ラルフ ローレン」、そしてチルドレンズウェアより、合計126ルックを披露。オープニングを飾った「ラルフ ローレン コレクション」は、ロマンティックで飾り気のないスピリットと、海辺の洗練というムードを具現化している。ハンプトンズを連想させるブルー、ホワイト、ベージュをカラーパレットに、ブレザーやワンピース、テーラードスーツを打ち出す。イブニングドレスはドレープやスパンコールをふんだんにあしらい、グラマラスかつセンシュアル。
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また、「ラルフ ローレン」の新たなバッグシリーズ、“ザ・ ラルフ”がお目見え。しなやかなレザーを使った構築的なバッグは、デザイナーの車への情熱から誕生したそう。さまざまなシルエットとカラーで展開される“ザ・ラルフ”は、ミックスポリッシュメタルと大理石のような木目が特徴的なラディカウッド(栄樹)を使用したハードウェアが特徴。
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スポーティーなスタイルと海辺のテーマは「ポロ ラルフ ローレン」にも引き継がれた。大胆なグラフィックパターンとポップなカラー使いが、クラシックな「ポロ ラルフ ローレン」に新たな息吹を与える。チルドレンズウェアは、ケーブルニットといったシグネチャーアイテムでブランドのタイムレスな魅力をアピール。「ラルフ ローレン」の世界観を凝縮したラインナップが出そろった今回のショーは、ハンプトンズと聞くと「ラルフ ローレン」を思い起こさせるほどゲストの記憶に深く刻まれるものとなった。
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トミー ヒルフィガー(Tommy Hilfiger)
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Tommy Hilfiger Spring-Summer 2025 Fashion Show – Full Show
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その昔、マンハッタンとニューヨークの南にある島、スタテンアイランドを行き来していた歴史あるフェリー、MV ジョン・F・ケネディ号で「トミー ヒルフィガー」が魅せたのは、ブランドのDNAでもあるセーリングへのラブレター。「『トミー ヒルフィガー』は1985年以来、私たちのシグネチャールックを定義してきた海洋のインスピレーションを再考し続けています」とトミー・ヒルフィガー。今季はアイコニックなノーティカルスタイルを保ちながら、エフォートレスな夏の気軽さと現代的なひねりを加え、フェリーから街へ降り立つ準備ができたような自信に満ちたスタイルを打ち出した。
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ショーの始まりから会場の視線を奪ったのは、新鮮なミックススタイリング。ダブルタックのヨットショーツにクロップド丈のテニスセーターを合わせたり、カチッとしたイサカストライプのシャツワンピースの上にスポーティーなナイロンコートを羽織ったりと、異なるテイストや素材のミックス&マッチが、トラッドなプレッピースタイルにモダンなひねりを加えた。
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また、ポップなトーン・オン・トーンのチェック柄が施されたトレンチコートやマキシ丈のシャツドレス、カプリパンツが登場し、ランウェイに遊び心を添えた。グラフィカルなチェックに、手織りのスリッパやラフィアのキャップといったエフォートレスな小物を加え、適度な“間”を作った。
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フロントロウにはStray Kidsのフィリックス&リノ、BLACKPINKのジス、Mrs. GREEN APPLEら豪華セレブが着席。そしてフィナーレには、スタテンアイランド出身でヒップホップグループ、ウータン・クランのメンバーであるゴーストフェイス・キラー、メソッド・マン、レイクウォンがライブパフォーマンスを披露。ニューヨークの夜を熱狂で包み込んだ。
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マイケル・コース(Michael Kors)
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The Spring/Summer 2025 Michael Kors Collection Runway Show
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今季の「マイケル・コース コレクション」の2025年春夏コレクションは、1999年に公開された映画「リプリー」が着想源。モノクロ映像で美しく表現されたイタリアの地中海にインスパイアされ、“地中海のロマンス”をテーマに1950年代のロマンティシズムと1990年代の洗練されたシンプルさを融合させた、とデザイナーのマイケル・コース。「このコレクションにおける二面性は、私にとって非常に地中海的です。のんびりしているけれど贅沢で、素朴だけれど豪奢で、都会の洗練さとリゾートのムードやアティチュードが共存しているように感じられます」
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パリ出身の作曲家、セバスチャン・ペランが制作したサウンドトラックが流れ、地中海のムーディーな雰囲気が増幅する中でショーは開幕。ファーストルックを飾ったのは、ビッグベルト付きのハイスリットスカートを合わせたスイムウェアと手編みレザーのかごバッグ。ビーチシーンからナイトアウトまで楽しめそうな一着のほかにも、なめらかなクラッシュサテンのスカート、ドラマティックなネックラインが目を引くコットンシャツなどをブラック&ホワイトで展開し、肩肘張らないエレガンスを表現した。
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そして今回のコレクションでは、イタリアの職人やテーラーたちと創り上げてきたこれまでの35年を記念した、手仕事の贅沢さを讃えたアイテムも。ハンドプリーツのオーガンザを使用したフローラルプリントや、フェザーを模したスパンコール&オーガンザの組み合わせ素材といったテクスチャーの探求が、“隠れたディテール”へのこだわりをさらに強調。また、カラーパレットにはモノクロのラインナップにグレーとエクリュが加えられ、コースが愛するネイビーとブラウンへと着地。グローバルアンバサダーのTWICE ダヒョンが、ブラウンワンピースをまとってランウェイに登場するサプライズも。
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タッセルや編み込みのハンドル付きのバッグも豊作。中でも手編みレザーのマーケットバッグは、アジャスタブルなストラップを長いままにしてラフに持つスタイルが印象的。都会の洗練、そしてリゾートのムードが共存するこのコレクションは、まさに大人の女性のためのリラックス&シックを追求する「マイケル・コース」の精神を反映させたものとなった。
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トリー バーチ(Tory Burch)
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「トリー バーチ」は、かつて砂糖の工場だった商業施設のザ・リファイナリーのスカイライトのペントハウスを舞台に、スポーツスタイルを再解釈。機能性の高いパフォーマンス・アクティブウェアがそろう「トリー スポーツ」とは異なる、洗練さとエレガンスを加えたリュクスなスポーツMIXを提案した。
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床から壁がアクアタイルで覆われたランウェイを、プールから上がってきたばかりのようなモデルたちが闊歩。ビビッドに印象づけるキールックは、スイムウェアを彷彿(ほうふつ)させるボディスーツと、ドローストリングが配されたジャカードパンツやスラウチーなベロアパンツの組み合わせ。スパンコールをあしらうことで表情豊かに仕上げた一部のボディスーツが、モードな雰囲気を漂わせる。また、ヨガウエアのようなウールのスリーブレストップスに合わせた、構築的なジャカードスカートにも注目だ。伸縮性のあるワイヤーのウエストバンドを施して、浮かぶようなウエストラインとタイトなヒップラインといった、今までにないシルエットを実現。
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終盤に向かうにつれ、インパクト大なカラーコートが登場。プレイフルなポルカドットプリントを、スタイリッシュなテーラリングでモダンに昇華したコートは、シックな雰囲気の中に遊び心を持たせる。また、ころんとしたバルーンシルエットのロゴバッグや、床に引きずるフリンジバッグなど、冒険的な小物も多数披露された。中でもエレガントな曲線を描くチャンキーヒールが特徴的なパンプスは、まさに今季のキーワードでもある“パワー”と“エレガンス”にふさわしいものとなった。進化し続ける“トリネサンス(Torynaissance)”(「トリー バーチ」と「ルネサンス」の熟語)の今後に期待は高まるばかりだ。
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コーチ(Coach)
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COACH Spring 2025 Presented at NYFW
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「コーチ」の今季のインスピレーション源でありショー会場となったのは、マンハッタンにある空中庭園、ハイラインの“スプール”。ニューヨーカーの憩いの場でクリエイティブ・ディレクターのスチュアート・ヴィヴァースが披露したのは、アメリカン・クラシックをベースにしながら、大胆な現代的エッジを利かせたコレクション。若い世代の感性を取り入れ、クラシカルなテーラリングやクチュール仕立てのドレスにスケート、ヘビーメタル、ニューウェーブといったカウンターカルチャーを融合させた。フロントロウにはKōki,さんをはじめ、チャールズ・メルトンやグーリー・ナーザーら「コーチ」のグローバルアンバサダーを務める次世代セレブたちが顔をそろえた。
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ファーストルックには、ニューヨークの象徴である“I♡NY”Tシャツが登場。ハート部分にはビーズを敷き詰めたアップリケが施され、全体的に手書き風のラフな文字がプリントされた、遊び心に満ちたデザインが印象的だ。また、オーバーサイズのレザージャケットとリラックス感漂うパジャマを合わせたスタイルは、クラシックと若い世代の感性をシームレスに繋ぎ、ジャンルや時代を軽やかに飛び越えてみせた。ヴィヴァースらしい洒脱さと、ウィットに富んだアプローチにより、開放的なファッションを余すところなく表現した。
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また、今季コレクションでは、長く愛されてきたアイテムに新たな命を吹き込む“リ・ラビング(RE-LOVING)”というコンセプトが随所で表現されている。リサイクル素材を使用したデニムパンツやモトクロススカート、アビエータージャケットは、サステナビリティと熟練のクラフトマンシップが見事に競演し、互いを引き立て合う。足元を彩る新作スニーカー“ソーホー(Soho)”は、インステップ部分にタクシートイやカセットテープのチャームをあしらい、遊び心が炸裂。ハートやスター、恐竜のオーバーサイズバッグもユニークなフォルムでコレクションにさらなる個性を添えた。ヴィヴァースが描き出したのは、個性と自己表現を軸にした新しいラグジュアリーのビジョン。既存の枠を飛び越える自由な発想は、未来に挑む「コーチ」らしいステートメントだ。
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3.1 フィリップ リム(3.1 Phillip Lim)
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3.1 Phillip Lim | Spring Summer 2025 | Full Show
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「3.1 フィリップ リム」の20周年を祝うショーは、フィリップ・リムがこれまでに培ってきた独自のデザインとその進化が凝縮され、彼のクリエーションスピリットの集大成であり、次なる創造への一歩を感じさせるものだった。ニューヨークのファッションシーンで確固たる地位を築いたリムは、この記念すべきコレクションで過去と未来を調和させ、美しいデザインの旋律を奏でている。今季のテーマは、「喜び」。これは、リムがニューヨークに移住したとき、初めて自分でパンツを作ったとき、そしてブランドがデビューしたときに感じたポジティブな感情に基づいている。この「喜び」が、コレクション全体を貫く軸となった。
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ショーの幕開けは、立体的なグッピュールレースを用いたホワイトルック。カスケードヘムとパフスリーブを組み合わせたドレスは、クラシカルな美しさと現代的なエッセンスが融合し、コレクションに深みを持たせた。リバーレースやフリンジ、ピンストライプなどの多彩な素材使いが、ファッションの多様性を際立たせている。そしてネットバッグやパールジュエリーが、軽やかさと都会的な洗練さをプラス。すべてのディテールがリムのビジョンと情熱を映し出し、「喜び」に満ちていた。
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終盤には、過去のコレクションへのオマージュとも言えるロゼッタモチーフが再び登場。ブランドの過去とリムの現代的な感覚が交差し、独自の存在感を放つ。フィナーレでは、クランベリーズの曲「ドリームズ(Dreams)」のカバーが流れ、モデルたちが軽やかにランウェイを歩いた。その光景はまるでリムが“アメリカンドリーム”を体現してきた20年の旅路をセレブレートするかのようだった。過去を尊重しつつ、未来への新たな挑戦を鮮やかに描き出し、リムが追い求めてきた「喜び」と「自由」のスピリットに満ちた、輝かしいコレクションとなった。
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オフ-ホワイト™(OFF-WHITE™)
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Off-White | Spring/Summer 2025 | New York Fashion Week
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「オフ-ホワイト™」は、ブルックリン・ブリッジ・パークのバスケットボールコートで最新コレクションの「デューティー・フリー(DUTY FREE)」を発表。ニューヨークで初めて発表されたこのコレクションでは、クリエイティブディレクターであり『デイズド(Dazed)』の編集長を務めるイブラヒム・カマラが、アメリカとアフリカの文化を融合させたスタイルを打ち出した。今回のコレクションの原点は、ガーナへの旅。ガーナは創業者である、故ヴァージル・アブローの両親がアメリカに移住する前に暮らしていた国でもある。カマラはこの旅で得たインスピレーションをもとに、アブローの精神を継承しながら、自身のルーツであるシエラレオネをデザインに反映させた。「オフ-ホワイト™」はシカゴ出身のアブローがミラノで創業したブランド。そしてカマラ自身はロンドン在住という多様な文化が交錯するグローバルな背景も、今季のテーマに響いている。
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真っ青な空の下、「オフ-ホワイト™」のロゴ入りシュートが設置された広大なバスケットボールコートを、モデルたちはカーブを描きながら力強く進んだ。ウィメンズでは、縦長のシルエットが際立ち、シャープなコルセットや、深めのVネック、アシンメトリーなカットがボディラインを美しく引き立てる。透け感のある素材を使用したラップスカートをはじめ、アメリカンスターモチーフやジュエリーのような刺しゅうが華やかさを加え、機能性とエレガンスを兼ね備えたスタイルが官能美と力強さを放っていた。
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さらに、ガーナの現代アーティスト、ナナ・ダンソとのコラボレーションによるアローモチーフが、コレクション全体を象徴するシンボルとして随所にちりばめられ、異文化の融合を視覚的に表現しているかのようだった。今回のコレクションは、カマラのクリエイティブ・ディレクターとしての独創性や既成概念にとらわれない新たな価値観を創造、編集者としての多角的な視点、そしてスタイリストとしてのバランス感覚が絶妙に織りなされた偉大な成果だ。
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ウラ ジョンソン(Ulla Johnson)
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Ulla Johnson | Spring Summer 2025 | Full Show
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「ウラ ジョンソン」は今季、抽象表現主義の画家、故リー・クラズナーからインスパイアされたコレクションを発表。会場は、ウエストチェルシーに位置する倉庫のエントランスを抜けた、小さな庭園の先に広がるアートギャラリーのような空間。ジョンソンの世界観とクラズナーの美学がクロスオーバーし、アートとファッションの境界を超えるコレクションで魅了した。
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ランウェイには、フューシャピンクとボタニカルグリーンのストロークプリントが施されたファブリックパネルがリズミカルに吊り下げられ、その間をモデルたちが悠然と歩いた。ショーの幕を開けたのは、装飾パネルとカラーリンクした、ポジティブで大胆な色彩のドレス。フルレングスのフローティングドレスからミニ丈のバブルヘムドレスまで、さまざまなシルエットがランウェイを華やかに彩った。ブラック、ベージュ、ローズピンク、深みのあるグリーンなどのカラーパレットには生命力が漂う。まるで“光の羽根”のような三日月形のルレックスフィルクーペをあしらったゴールドフリンジのスカートは、コレクションに力強さとダイナミズムを与えていた。そして風になびくシルクジョーゼットのブラウス、フラワーパイエットの優美な刺しゅうを施したAラインスカートなど、芸術性と実用性を兼ね備えたルックも多く登場。クラズナーの美意識を反映したハンドペイントやメタリック素材、丹念に施されたエンブロイダリーなど、どのルックもアートピースのような美しさをまといながら、日常の装いとしてもプラクティカルな印象だ。
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また、今季も引き続きジェンダーレスなアプローチを採用し、男性モデルがウィメンズのシルエットをそのまま着用し、ファッションの多様さを提案している。ジョンソンは、クラズナーの繊細な筆致と鮮やかな色彩、そして彼女の人生に対する敬意をルックに反映させながら、アートとファッションの垣根を越えた“色彩のレトリック”を具現化した。ジェンダーやファッション、アート、自然といった境界線を取り払い、それらを見事にホールエクスペリエンス(包括的な体験)として提示する彼女のアプローチは、コレクションを重ねるごとにますます深みを帯びている。
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