朝日小学生新聞 浴野朝香

撮影・品田裕美

いろんな世界に目を向けて

江戸時代の大作家・滝沢馬琴が書いた長編小説『南総里見八犬伝』は、ふしぎな玉を持つ8人の若者「八犬士」が正義のために戦うストーリーだ。その小説をテーマにした映画「八犬伝」で、八犬士の一人、犬坂毛野役を演じた。

舞で魔の力を追いはらう力を持つ犬坂毛野。冷静で落ち着きのあるキャラクターに設定されている。「性格は似ている部分もあると思います。ぼくも一歩引いて、まわりを客観的に見ているタイプです」

演技で特に練習に力を入れたのは舞のシーンだという。「美しく見えるように肩や目線を落とし、頭や手の動きにも気をつけました。家でも、鏡の前で数か月間は練習しました」

映画では二つの話が入りまじり、えがかれている。一つは『南総里見八犬伝』の世界。もう一つは、滝沢馬琴が小説を書き上げるまでの実話だ。「一つの作品でファンタジーとリアルの両方がえがかれているのはめずらしい。その二つがどういうふうにつながっていくのか、完成作品を楽しみにしながら演じました」

実話の部分では、28年もの年月をかけて『南総里見八犬伝』を完成させた滝沢馬琴の半生がえがかれる。「一つのことにそこまで打ちこめる姿に感動した。自分も表現者として見習いたいと思いました」

小学生のころから演じることが好き。友だちと、好きなまんがのキャラクターの役になりきって遊んでいたという。大人と話すのが好きで、「中学生のころ一番仲良しだったのは先生でした」と笑う。

「仕事を始めて、世界はとても広いと感じるようになりました。さまざまな人がいて、さまざまな場所があって、さまざまな世界がある。学校という限られた世界にとどまらず、視野を広げてください」

映画「八犬伝」
公開中

©2024 『八犬伝』FILM PARTNERS.

江戸時代の作家・滝沢馬琴は、友だちの絵師・葛飾北斎に新作の内容を語り始める。それは今もさまざまな芸術に影響をあたえ続けている「八犬伝」だ。北斎はたちまち引きこまれていく。8人の剣士たちの運命をえがく「八犬伝」の空想の世界と、馬琴が作品を完成させるまでの実話をもとにした現実の世界が入りまじり……。

撮影・品田裕美

いたがき・りひと

撮影・品田裕美

 2002年1月28日生まれ、山梨県出身。10歳で俳優デビュー。主な出演作にドラマ「仮面ライダージオウ」やNHK大河ドラマ「どうする家康」など。趣味はイラストをかくこと。デジタルイラストと油絵を組み合わせた作品で初の個展を開催中。

(文・浴野朝香)

(朝日小学生新聞2024年10月25日付)

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著者

浴野朝香

(朝日小学生新聞)

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