「振り込め詐欺は撃退!」。女優の菊川怜さんが6日、都内で「一日振り込め詐欺防止隊長」に任命された。イベントで被害撲滅の願いを七夕の短冊にしたため、依然として絶えない振り込め詐欺に注意を呼びかけた。「詐欺には傷つく人がいる。だまされた人の身になったら、そんなことはできないはず。お金は自分で稼ぎましょう!」と隊長として、だます側にもカツを入れた。

 全国的に減少傾向にある振り込め詐欺だが、都内では逆に増加。今年1月~4月の警視庁管内の被害額は前年同期より8090万円多い7億7100万円だった。菊川さんは全国銀行協会が東京・新宿高島屋で主催した啓発イベントにゲストとして招かれた。

 全銀協の奥正之会長から防止隊長の任命書を受け取り、「私自身は被害にあった経験はないが、一日も早く撲滅できるように頑張ります」と決意表明。「金融犯罪、0(れい)件になりますように」と自分の名前と引っかけて、金融犯罪の根絶への願いを込めた直筆の巨大短冊を、自らササにくくりつけた。

 最近の振り込め詐欺は、銀行協会職員や警察官など公的機関の人間を装ってキャッシュカードをだまし取るなど手口が巧妙化。銀行協会職員を名乗った男性が「あなたのカードが事件に使われたので、いったんお預かりします」と、訪問先のおばあちゃんからカードをだまし取る寸劇なども披露された。

 寸劇を見た菊川さんは「お年寄りだけでなくて、私たちの世代も注意しないといけないと感じた」と語り、「いったん注意をしても日がたつと忘れてしまうので、注意書きなどを電話の横に張っておくといいのでは」と自衛策を提案。「いつ電話がかかってきてもおかしくないという攻撃的な姿勢が必要ですね」と心構えを伝授した。

 イベント後の囲み取材で、菊川さんの知り合いの母親にも詐欺めいた電話がかかってきたと明かし、「身の回りでも電話がかかってくるという話はよく聞く。皆さん注意して何かあったら慌てずに相談してください」と呼びかけた。都内で被害が増えていることについて「東京は忙しい人が多くて身内でコミュニケーションをとる機会が少ないし、地方から出てきて一人暮らしする人も多いからかもしれませんね」と才女らしい分析も加えた。

 全銀協は警察庁や金融庁などと協力して、6月15日~7月14日までの一カ月を「振り込め詐欺防止期間」と決めて、キャンペーンを展開している。

4件のコメント

Leave A Reply