【スカッとする話】「8億も損害出しやがって!」上司にハメられて会社をクビになり…涙を呑んで家族に謝罪すると息子「明日、その会社潰れるよ
債券を専門にトレーダーとして経験を積ん できた妻のなみとは友人の紹介で知り合い 意統合大学卒業と同時に結婚し1人息子の 翔太が生まれた想像がつく方も多いかも しれないが金融業界それもトレーダーと いうのはとんでもない激務で結果を残さ ないと即業界から干されるという プレッシャーが精神的疲労となって体を 蝕んでいたそんな中俺は過じてトレーダー として転職を繰り返しながらこの業界で 生き残ってきたのだ家庭を持ったとはいえ この20年くらいはずっと仕事付けで息子 の子育てにもほとんど関われず妻任せにし てしまっていたそれでも妻と息子は俺の 仕事を理解してくれて息子は素晴らしい 大人に育ってくれたそして3年ほど前息子 も無事に独り立ちしてほっとしていた頃今 の会社からの誘いを受けた条件もよく 何しろ管理職で部下をまとめるのが主な 仕事というのもあって俺は引き受けること にした新しい会社は日本企業でずっと外し で勤めてきた俺にはカルチャー的に少し 馴染めない部分もあっただが俺の部下に なったメンバーは皆優秀で手のかからない 人ばかりだったので俺は少し安心していた 俺の役職はトレーディング部門の部長で数 人の部がいる俺の上には本部長がいてその 上には役員や乗務社長らがいるという構造 だ俺は都市的にもポジション的にも役員が 目の前という状況にあったわけだがそこ まで役職に興味のない俺は役員になれるか どうかなどあまり気にしていなかった ところがこれが日経だからなのかこの会社 特有なのかはさておき会社で俺と同世代俺 と同等ポジションの社員たちはにライバル シのようなものでお互いを必要以上に適し しているのが転職してきて数ヶ月で徐々に 分かってきた証券系の会社では社内競争が 激しいのが当たり前だし出世のために 頑張るのは普通のことだそれにしても俺の 周りの役職についている社員たちは俺から すればくらないことで足を引っ張ったりお 互いを落とし入れようとしている行動を 取っていることが多々あったのだ簡単に 言えば出身大学などをベースに派閥を作っ たり役員に媚を売ったりすることで自らの ポジションや出世の道を確保しようとして いたのだ俺はこの手のことには元来興味が ないそれに生え抜き社員が多いこの会社で は40代後半で転職してきた俺は完全に 突然来たよそ者になることもあって派閥 争いとは無縁に仕事をすることができた そうして1年が経った頃うちのチームは 過去にない生を残した俺は転職後1年目に していきなり成果を出すことができ嬉しい 限りだった本当にメンバーに恵まれたなと みんなに感謝していたのだがこの頃から メンバーの何人かが俺に対して反抗的に なってきたのを感じていた俺は少し違和感 を感じながらも仕事を続けていたが明らか に俺に対して因縁が生まれたかのように 突如反抗的になったメンバーを不思議に 思った そこで俺の転職を用立ててくれた役員の 鈴木さんに食事をしたついでに何か知ら ないかと聞いてみることにしたいやしかし 佐藤君転職して1年目にしてやってくれた ねうちで史上最高利益だったよこの1年は 君を誘った私の評価もうなぎ登りだよはは いえ私は何もただ本当にメンバーに恵まれ たと思っていますいやメンバーは変わって いないんだよ君が来る前から変わったのは 君だけ君のポジションにいたのが今の本部 長岩峰君だよ彼もよくやっていたからね それで本部長に昇格したわけだけど光景の 君が1年で彼の時代の成績を抜いてしまっ たもんだから彼は気がきじゃないだろう けどねはあなるほどところで最近少し気に なることがありましてうちのメンバーで僕 に対する態度がこのところ急に変わったと いうか反抗的になったのがいるんですが僕 の考えすぎかもしれませんがほうちなみに 誰かねと聞かれたので俺が最近反抗的に なった何人かの名前をあげると役員はああ それはあれだね見事にみんな岩峰派の奴ら だよしかし岩峰本部長もやり方が分かり やすいなあ岩峰派ってまさか俺が気に入ら なくて嫌がらせをしてきて るってことですかそんな子供じみたこと いい年した大人がしますはは相変わらず君 はストレートな物言いをするねまあ彼は そういうところがあるからねその反抗的な 奴らってのは岩峰本部長の大学の後輩だっ たり今まで彼に出世の手助けをしてもらっ た奴らってわけだまああまり気にせず今 まで通りやってくれたらいいよと事情を 教えてもらって俺は納得した一方で俺の 上司にあたる岩峰本部長の維持汚なさに 呆れたつまり自分が昇格したばかりで次の 人事では役員目前という状況にあって転職 してきたばかりの俺が1年で成績を抜いて しまった今後の出世レースにおいて邪魔に なるかもしれないので自分の派閥の人間を 使って釘をさしておこうというわけだ俺は これまでの経験からこの手の嫌がらせを する人間がトップまで登り詰めるのは 難しいことをなんとなく分かっていたので 相手にはせずに自分の仕事に専念すること にしたそして俺が転職して2年目の年も 成績は好調を維持できていたただ俺は相 変わらず一部メンバーや上司からの 嫌がらせを受け日に日にその嫌らしさはど 増していったそれは俺たちトレーディング 部門と役員が出席する月例の投資方針会議 でのこと毎月の収益の結果報告と次月の 運用方針を発表する場だ1年目は口を挟ん でこなかった俺の上司だが1年目の高成績 に焦り出してからというもの高成績の月は 俺の手柄を横取りしようとしたり少し成績 の悪い月には必要以上に俺を責めてきたり した高成績の月はいや当初佐藤君たちの 提案していた案ではダメだと思って私が案 を出したんですよそのおかげですわなどと 言い反対に運用がうまくいかなかった月は だからね私は言ったんですよこれじゃダメ だって私の言う通りにしていればよかった ものをなどというのだそしてこれらの上司 の発言を聞き彼の派閥に属するメンバーら がそうだそうだと言わんばかりに同調し 頷く実際は上司が俺たちにそこまで深入り することなどないそもそも俺たちのチーム の方針会議に参加すること自体稀で意見 交換などした覚えはほとんどない上司の 茶番ぶりには呆れるしかなかたし彼のこの 行動が役員や社長にどれだけいい印象を もたらしているのか俺にはさっぱりわから なかったまた上司は息のかかった俺の部下 に対してとにかく俺に反抗して俺が仕事を しづらくなるようにそして俺の責任で成績 が下がるようにしけているようだった俺が アドバイスをしても彼らはことごとくその 反対の行動を取り挙げ句損失が出ると月例 の会議で俺の指示に従ったら損を出した などと言い出す始末だった彼らが俺でなく 上司に従うのはおそらく上司に出世させて やるなどと餌を巻かれているからだろう 上司は俺について大体外し勤めだった奴に うちの会社の何が分かるあいつは再建 トレーダーだったんだろうなんでうちの 日本株のトレーディングを任されているん だよあいつに務まるはずがないんだなどと 散々なバリ雑を吐いているらしいと人に 聞いたこともあったそんな上司の嫌がらせ に会いながらも俺のチームは2年目も前年 同等の高成績を残した俺は自分のキャリア でもこれほど嬉しかったことは今までない というくらい心の中で喜んで充実感を覚え ていた上司もこの2年目の成績を受けて いよいよ偶のも出なくなったのか俺が転職 して3年目になると以前ほど露骨な 嫌がらせをしてくることはなくなった俺は ようやく嫌がらせをやめたかと思いほっと していたその矢先だったいつも通り朝出勤 するとフロア中が大騒ぎになっている市場 が暴落でもしただろうかいや今朝電車で チェックした限りそれはないはずそれとも 保有銘柄のどれかが大暴落したのかなどと 不安になりながら自分のデスクへ向かうと そこには上司が立っていた何事かと思い 岩峰部長どうされたんですかこんな朝早く にどうしたじゃないだろお前一晩で とんでもないことになってるんだぞいや ですから何があったんですかうちの保有 銘柄は今朝もチェックしましたけど何も ないはずですがお前のところで昨日の大引 間際にA社の株を売ってB社の株を 100万株買ってるだろうそれが今朝暴落 してんだよお前これどうしてくれるんだよ 8億も出しやがって俺は上司の言葉が信じ られずメンバーの方を見た俺は今の会社に 来てから直接取引の作業をすることはない のでメンバーの誰かがやっているとしか 思えなかった1人ずっと下を向いている メンバーがいたので俺は急いでパソコンを 開き取引履歴を見た確かに彼が昨日B社の 株を買っているでもなんだってこんなこと を俺が困惑しているとおい君かねこの取引 をしたのは一体なんでこんな上場した ばかりの無名の会社の株を大量に購入した んだ昨日今日株を始めたその辺の素人じゃ ないんだ価格が不安定なことくらい分かっ てるだろうと上司が取引をした彼を 問い詰めるすると彼は口を開きこの取引は 俺の指示に従っただけで自分は反対したが 命令されたので逆らえなかったと言い出し たのだそして彼と同じく上司の息のかかっ た部下たちは俺がそう命令する現場を見た と彼に同調し俺は突如犯人扱いされて しまったのだその後のことはぼんやりと しか覚えていないあまりにショックで何が 起こっているのかも分からないまま社内の 事実調査が始まったのだが上司が良い秋冬 に罠を仕組んだのだろう俺の証言が認め られることはないまま気づけば俺は朝会 解雇になっていたこんな馬鹿な話があるの か小さな会社とはいえ仮にも1証券会社が 無実の社員を根拠のない理由で首にする なんてともかく怒ってしまったことは仕方 がなかったこれから仕事を探さないといけ ないだろうが首になった理由を話して雇っ てくれる会社などあるわけがないここまで 積み上げてきた俺のキャリアはもはや絶望 的な状況にあったその日の夜俺は妻と息子 に話ががあると集まってもらった俺は自分 が情けなくなり震える声を懸命に抑え涙を 飲んで家族に謝罪した2人ともすまない こんなことで仕事を首になってしまって もう10年ちょっと働くつもりだったんだ がこのままだと仕事が見つかるとは思え ない翔太も独り立ちしたばかりなのに頼り ない父で済まないなつみも老後のこととか 不安だろうけど俺がなんとか考えるから 申し訳ないがサポートしてくれと俺が言い 終えると妻は泣いていたしかしどういう わけか息子はどこか冷静に俺の話を聞いて いたのだそして息子は父さん心配しなくて 大丈夫だよ明日その会社潰れるよどの道 みんな首になるからと言ったのだ俺はわけ が分からずえ明日潰れるおい翔太それどう いう意味だと聞き返すと息子は彼が実を 語り始めた父さんの会社が昨日とんでも ない損失を出したっていうのはうちらの耳 にも入ってるよ車内調査だけじゃ信用でき ないから今うちの方でも調査してるどうも 聞いている限りだと父さんの上司の岩峰 だっけって人が絡んでいるみたいいずれに してもうちとしては父さんの会社にこの まま出資するわけにはいかないから倒産 することになると思うよもちろん父さんの 無実も証明されるはずだから心配しないで 少し種明かしをすると息子はベンチャー キャピタルに務めている息子は学生時代に 起業し数年で会社を上場まで持っていった その時点で持ち株を売り払い共同創業者と 一緒にベンチャーキャピタルを立ち上げた のだその出資先の1つが俺が務めている 証券会社ネット証券ということもあり相 企業に出資している息子の会社から出資を 受けていたのだったそして息子のから一晩 立つと彼の言った通り俺がいた会社への 出資は取りやめになり会社はほどなく倒産 に至った出資取りやめに至った経緯は会社 の調査書と共に公開され俺の無実も無事 証明された俺を会社に誘ってくれた役員の 鈴木さんは後日俺に謝りに来てくれたいや 佐藤君すまなかったね今回は私も君が そんなことをするはずがないとは分かって いたんだが岩君にしてやられたというか私 が何を言ってもダメな状態で力を呼ばず 申し訳ないいえいえお気持ちだけで ありがたいですそれにしても大変なことに なりましたね皆さん今後はどうされるん でしょうねで私も他人のことをとやかく 言えませんがうんみんな苦労しているよ そうホイホイ仕事なんて見つからないから ね私は知り合いが数人でやっている投資 ファンドに参加しないかて誘わてからそこ に行くつもりだよちなみにそこのファンド マネージャーの枠も空いているっていう話 なんだけど君どうかねまた僕の誘いで嫌な 予感を持たれたら辛いんだけどねははと 思わぬ誘いを受けた俺はいやそんなこと ないです一度ファンドの皆さんとお話しさ せていただけますかそれから決めさせて いただきたいと思いますうんもちろんだよ 私たちがいた会社と違って何でもいいから 儲けようって言うんじゃなくて自分たちが 出資先の現場に赴いたり出資先の社員と 直接話したりして本当に社会的に意味が あると思える事業や会社に投資する スタイルらしいんだいい意味でこれまでと 違った目線で仕事できると思うよじゃあ また連絡させてもらうよと言い鈴木さんは 去っていったそして岩峰本部長ほ今回の 慰霊の損害を出した死亡者たちはその名前 が明るみに出たことにより業界内で完全に 干されたのだった 役職や出世に囚われすぎて目がくらんだ彼 らはもうこの業界で飯を食えないところ まで落ちぶれたまさに因が応報素直に自分 の仕事をしていれば十分優秀な証券マだっ たのに全く残念だという他ない後日俺は 鈴木さんの紹介でその投資ファンドにお 世話になることになった今まで数字や画面 とにらめっこしていたトレーダーの仕事と は一変直接出資先の人たちのビジネスを目 で見て彼らの思いを聞きながら投資判断を するので俺は今までにない仕事のやりがい を感じているこれからは少しでも人々の ためになる事業を支えられるよう今までの 経験を生かして仕事をしていきたい新しい 仕事をするようになってから毎日違う人 たちに会うせいか表情が明るくなったと妻 に言われる息子も今までは全然楽しそう じゃなかったけど今はいい顔してると言っ ている何を生き と思いつつも息子は今や立派な経験今や 立派な経営者ずっと会社勤めをしてきた俺 とは日にならないスケールの仕事をこれ からもやっていくに違いないせめて俺は妻 をこれからも幸せにして自分も楽しく仕事 する姿を息子に見せられればそれで十分 [音楽] だろうなんで置いてけぼりにしたかって お前が無能だからだよゴミは捨てて綺麗に しておかないとな上司の村西さんが電話口 で楽しそうに言い放つ俺は社員旅行中この 人に騙されて追いて彫りにされてしまった のだ村西さんは前から俺のことを見下し バカにしていた理由なんて特にないただ 楽しいからやっているだけだどうして こんなことになってしまったんだろう俺は 泣きそうになりながらふと昔のことを 思い出していた 俺は子供の頃から男子にしては背が小さい 方だった背の順で並ぶといつも1番前特に 不便だとは思わなかったけれどある日の ことお前ってちびだよな男のくせに女みて そう言ってきたクラスメイトの男子は背が 高くスポーツが得意でクラスの中心人物 だった彼はただ俺を軽くからかっただけな のだろうしかし俺はその日以降女みたいと かちびとか言われて周りから馬鹿にされる ようになったきっかけはこんな些細なこと だった彼もこんなことになるとは思わ なかっただろうしかし結果として俺は周り から馬鹿にされはられるようになる背が 小さい上に色白で力も弱くスポーツは不 得意そんな俺はちょうどいい標的だったの だろう俺に対するいじりが加熱して 思い出すのも嫌な出来事がたくさん起こっ たやめてと一言言えればよかったのだけど 見た目だけでなく性格も弱々しい俺はただ じっと黙って耐えていた大好きだっった 祖母から他人の痛みが分かる人間になり なさいと言われて育ってきたので誰かに 言い返すなんて考えもつかなかったのだ こういった背景もあり俺の周りの環境は どんどん悪化していく最終的に不登校に なってしまった俺は田舎の親戚の家に しばらく預けられることになったこの田舎 にはがあり学校に通えない子供たちが 集まるセンターがある勉強はもちろん センター内でお世話をしている動物と 触れ合ったり農作物を育てたりして傷つい た心を癒すことができるのだ俺の田舎行き が決まった時10歳年上の兄は半泣きに なり俺を引き止めようとした悟と離れて 暮らすなんて嫌だ1人で田舎に行かせる なんて心配だよ俺もついていく母から あんたは大学があるでしょと怒られ兄の 同伴はなんとか避けられたのだが母が止め ていなければ本当についてきたかもしれ ない俺が弱々しい見た目と性格をしている からかはたまた年がかなり離れているから か兄は俺のことをとても大切にしてくれる 弟思いと言えば聞こえはいいけれど要は ブラコンなのだ兄のブラコンぶりには両親 も呆れるほどだったけれど辛い時期に兄が 俺を支えてくれたおかげでの事態は避け られたと思っている俺も兄と離れて暮らす のは寂しかったけれど甘えっぱなしなのも ダメだと思い1人で親戚の家へ行った田舎 での生活はとても穏やかなもので俺の 傷ついた心はすぐに癒されたしかし中学に 行く勇気はなくて卒業まで田舎で過ごした 高校は1年発起して地元の新学校を受験 幸いにもセンターで勉強に集中できた おかげで第一志望校に合格できた久々の 集団生活はかなり不安だったけれど高校の クラスメイトは優しい人が多くて特に問題 なく過ごせた友達もできて俺は遅れてきた 青春を王化した生きていればつまづくこと もあるけれど悪いことばかりじゃないんだ よなそう思えるようになったのはちょっと でも成長した証なのかもしれないそのまま 大学へ進学し地元の会社に就職大学も職場 も優しい人が多くておかげで今は何不自由 なく生活できているだけど1つだけ問題が あった人事部に配属された俺の上司に村西 さんという人がいるこの人は正確に何あり な人で過去に何人か退職に追い込んでいる らしい自分より立場が下で逆らえそうに ない人をターゲットにしてはその人を集中 的に攻撃するのだとか村西さんは専務の 息子なので周りはみんな逆らえないそして 村西さんの新しいターゲットになったのは 俺だった大人になっても線の細さや色の白 さは変わらずだったので見た目からして 舐められやすい方ではあったけれど俺は 真面目に仕事に取り組みたいのに村西さん からことごとく邪魔されるのには壁して いるどうでもいい雑務を繰り返しをしつけ てきて俺が仕事に集中できないようにして くるのだお前ガリガリだな骨みてで気持ち 悪いわこんな発言は挨拶代わりみたいな ものだもっとひどいことを言われたことが 何度もあるその上村西さんは俺の仕事の 成果を平気で横取りするあまり仕事に 真面目とは言えない村西さんは俺に自分の 仕事を押し付けてそれが完成すると 当たり前のように奪っていくのだ今日は 遅かったじゃねえかすみません自分の仕事 があったのでは俺の仕事が最優に決まっ てるだろそんなこともわかんねえのかお前 は自分の仕事を押し付けて礼どころか俺を 罵倒する始末おかげで仕事をこなす力は身 についたけれどさすがにこんな日々が続く と疲れてしまう厄介な上司に頭を抱え ながらもどうすることもできず耐えるしか なかったそんなある日のこと今年は会社 創立周年という節目の年で社長がちょっと 奮発 豪華な社員旅行を企画した貸し切りバスで 観光地を回り夜は旅館で温泉や料理を 楽しむ俺は家族以外で旅行に行った経験が なかったので今回の社員旅行はとても 楽しみだったワクワクしながら旅行の日を 待っていたのだがおい悟お前は社員旅行 ふさかなえどうしてですか別に特に理由は ねえけどして言うならお前と一緒に旅行に 行きたくねえんだよ村西さんのあんまりな 言い草に俺は呆然としてしまい何も言え なかった彼が俺をターゲットにしてひどい 言動をするのは別に理由なんかないただ俺 を困らせて楽しみたいだけなのだ信じられ ないことだけどこういう人間は世の中に 一定数いる他人を貶めることに楽しみを 見い出す人間は意外と身近なところに潜ん でいるのだだけどう俺社員旅行には参加し ますはあお前上司の命令に逆らうきか俺 この旅行はとても楽しみにしてたんですだ から何を言われても絶対に行きますから 村西さんにこうして逆らったのは初めての ことだ俺の言葉に驚いて目を見開く村西 さんあまりに驚きすぎて何も言い返せない みたいだそれ以上村西さんと痛くなくて さっさと自分のデスクに戻るあんなする なんて最初から言い返しておけばよかった かな祖母からは優しい人間になりなさいと 言われてきたけど自分の身を守るために 優しさを忘れなければならない時もある これからはやられっぱなしではなく ちゃんと言いたいことは言うようにしよう その時俺はそう心に誓った社員旅行中は とても平和で村西さんから何かされると いうことはなかったもしかしてあの時 言い返したから俺をターゲットからたのか ななんて呑気なことを思っていた家族以外 で行く旅行はとても楽しく他の社員との 交流も深まった気がする旅行の翌日は平日 なので仕事だけれど早めに帰宅するように 社長がしっかり予定を組んでくれていた 今日の楽しさをパワーに変えて明日からも 頑張ろう帰りの高速に乗りながらそんな ことを考える途中のサービスエリアにより 少し長めの休憩を取ることになったここは かなり広いサービスエリアで店の数が多く エリア内には公園やドックランもある休日 ということもあり人が多くあまり人気の ない隅の方に移動してベンチに座り一息 ついたすると俺の目の前に突然村西さんが 現れたではないかえな何ですかって集合 時間と場所の変更を伝えに来たんだよ俺 この旅行の幹事の1人だから村西さんは あっけらかんと言い放つ まるで今まで俺に対してしてきたことを 全部忘れているような態度だかなり混雑し てるからうちらのバスは別の場所に移動に なったここから離れた大型車専用の駐車場 に移動したからなあと休憩時間は20分 延長だそうだ体調の悪い社員がいるらしい あそうですかありがとうございますああ じゃまた後でなそれ以上特に何も言わず 村西さんはどこかへ行ってしま 別の社員に集合場所と時間の変更を伝えに 行ったのだろうか本当に俺はターゲット から外れたのかもな彼の今までとは打って 変わった言動を見てつぶやく明日からは 普通の上司と部下として接することが できるかもしれないそれはとても甘い考え だったと分かったのはそれから15分ほど 経った後だった村西さんに教えてもらった 集合場所に行ったけれどバスはどこにも 見えないどういうことだと辺りを見回して いると村西さんから着信が入ったあのバ スってどこにバスはもう出発したぞえお前 はそこに置いてきたんだよ電話の向こうで 村西さんが楽しそうに言うななんでなん でってお前が無能だからだよそれに俺に さからったしなゴミは捨ててきれにして おかないとなケラケラと笑い声をあげる村 さん彼は普通になんかなっていなかった俺 を貶める瞬間をずっと待っていたのだ無能 のくせに俺に逆らうとかいい度胸してるよ なお前明日から普通に会社で働けると思う なよ俺が教育し直してやる徹底的にな覚悟 しておけそれだけ言うとプツンと電話が 切れてしまった呆然と立ち尽くす俺こんな ことを平気でする人がいるなんてで俺は まだまだ甘かったのだ小さい頃俺のことを 見下し馬鹿にしてきたクラスメイトたちを 思い出して思わず泣きそうになるあの時も 辛かったけれど今も同じくらい辛い泣いて いる場合じゃないここからは帰る方法を 考えなきゃ高速だからバスはないし タクシーもない仕方ないな家族に事情を 話して迎えに来てもらおういい年した大人 なのになんだか情けななと思いつつ電話を するその後無事に家族に迎えに来てもらい なんとか家にたどり着くことができた そして翌日とんでもない事件が 起こるその日俺はとある事情があり会社に は前もって少々遅れる胸を連絡していた 会社ではない別の場所に行き思ったような 成果が得られず肩を落として会社へと 向かうするとその道中村西さんから電話が かかってきたおいお前一体何をしたんだな 何がですか今朝突然銀行から勇志を ストップするって連絡が来たんだよその せいで社内は大混乱だ社長はお前のせい だって言ってるぞ大声で叫ぶ村西さんその 向こうで社長らしき声が彼はどこだ我が者 が潰れるぞと叫んでいる俺はやっぱりこう なったかと頭を抱えたそれ俺の兄のせい です今から会社に行きますそこで事情を 話しますそれだけ伝えると通話を切り足早 に会社へ向かう到着した俺を出迎えたのは 真っ青な顔色をした社長とわけが分から ないと言った表情の村西さんだった空いて いる会議室へ行き事情を説明する実は俺が 口を開くと社長と村西さんは驚いて目を 見開いた俺の家は代々とある大手銀行を 経営しているそこのグループトップが俺の 兄なのだ先代である父から兄が引き継ぎ 若くしてトップを務めているあの日 サービスエリアに置き去りにされた俺が家 に電話するとたまたまそれを取ったのが兄 だった迎えに来た兄に一体何があったんだ と激しく問い詰められ今まで黙っていた ことを全て明かすしかなかった俺の話を 聞いた兄は血管が切れそうなくらい激怒し ていたそんな会社潰してやる だと思っていたのだが帰宅した後兄から 具体的な手続きに入ったお前はあの会社に 標を提出しろと連絡が来て今日は朝から兄 の暴走を止めるために彼の元へ行っていた のだしかし兄は決定を覆してくれなかった この話をすると村西さんの顔が青を 通り越して白になっていたおお前があの 銀行の南坊だってええ社長はご存知でした けど仕事にに師匠が出るから黙っておいて ほしいと俺が頼んだんですですがまさか こんなことになるなんてすると社長が村西 さんの胸ぐらを掴むお前のせいで我が者は 終わりだし知らなかったんです知ってたら そんなこと知ってません兄曰く今まで そんな人間を野放にしていた会社にも責任 があるだそうですなんとか考え直して ほしいと言ったんですけどすると社長が俺 に向かって勢いよく頭を下げてきた 頼むもう一度俺にチャンスをくれお兄さん に直接合わせてほしいわかりました頼んで みますその後俺はもう一度兄に連絡しなん とか会う約束を取り付けた社長は村西さん も連れて行き兄の前で土下座村西さんも土 下座させて兄に許しをこうたお願いします こいつは首にしますなのでどうか俺からも 頼むよ社長は俺を拾ってくれた恩人だそれ に村西さんはともかく他の人はいい人 ばかりなんだよその人たちを路頭に迷わせ たくないんだ俺と社長の必死な頼み込みの 会があり兄はそいつを首にするならそれで 手を打とうと折れてくれた突然首宣告され た村西さんは信じられないと言った顔をし ていたがその後速やかに村西さんの処分が 正式決定彼は父親に首だけはやめてくれと 頼んだらしいが専務は息子より会社を取っ たようだその上問題を起こした息子に愛を つかしたらしい今まで甘やかして実家に 置いていたが会社を首にすると同時に家 からも追い出した村西さんは今年40歳 職歴はこの会社だけで資格もなく仕事で 何か成得たわけでもない正社員で最就職は 難しいだろう一方俺はここまで大事になっ てしまった会社にはいられず次表を提出 社長に俺みたいな人間が2度と出ないよう 再発防止に務めてくださいと言い残して 会社を去った社長は今回の件で真底懲りた らしく社内環境改善に全力で取り組むその 結果会社の業績は徐々にアップしている らしい兄にとって優秀な融資先に成長する だろうそんな兄から会社を辞めたならうち で働かないかと誘われたけど俺はそれを 断った自分の力がどこまで通用するか試し たいんだそして俺は自力で最就職し再び サラリーマンとして働き始める今の会社は とても働きやすくて周の人たも優しい もちろん西さんみたいな人間はいない まだまだ未熟な俺だけど諦めなければ道は 開けるんだと信じてこれからも一生懸命 頑張っていくつもり [音楽] だここは君たちみたいな化級の人間が来て いい店じゃ ない家族で寿司のに来た俺に知らない男が 突然話しかけてきたいや仮想階級とか意味 がわからないんですけど俺が戸惑っている と物分かりの悪いやだなとにかくお前 みたいな奴らがいたらこの店の格が下がっ て迷惑なんだよ男は俺を完全に見下した ような口調でそう言った迷惑ってそんな あなたはこのお店の関係者の方か何かなの ですか俺はその男に尋ねたいいやここの客 だ貧乏そうなお前と違ってア銀行に務めて いるエリートだが真顔でそう答える男店の 関係者じゃないなら俺たちに店に来るなっ ていう権利はあなたにないですよね俺が そう言うと男は顔を赤くして少し興奮気味 に俺は食やプライベートでもこの店をよく 使う常連客なんだよこの店は俺が支えて るって言ってもいいくらいだだから俺には お前に来るなという権利があると言い出し たのだ俺の名前は松田優と32歳普通の 会社員だ俺は宇宙開発の研究者である 変わり者の父と鬼のマナーコースと呼ば れる母の元で生まれ育った親がかなり個性 的である影響からか俺は普通であることを 好み平凡な人生を生きているそんな俺だが 決して親のことが嫌いというわけではない 俺には理解できない研究をしている父や マナーに情熱を注ぐ母のことをとても尊敬 しているのだそれから俺にはマホという妹 がいるマホは頭がよく有名国立大学に通っ ている俺とは10歳も離れているためか 喧嘩などしたことがなく中はとてもいい俺 たち兄弟はマナー講師である母親に厳しく しつけられ礼儀作法をとことん叩き込まれ て育った子供の頃はそんな母の厳しさに 耐え切れずなぜこんな家庭に生まれたの だろうと思ったこともあった反抗期には わざとマナー違反なことばかりして母を 切れさせたものだしかし社会人になった今 母の教えがかなり役に立っている 会社ではマナーがいいということで勝手に 信頼されるし上司や取引先からも気に入ら れやすいビジネスマナーはもちろんだが 特に俺の食事の仕方は評判が良く女子から も好評だだから俺にマナーを叩き込んで くれた母には頭が上がらない一方父は母と は正反対の人だ自分のみなりは全く気にし ないし他人にもあまり関心がないだから 服装はいつもよれよれのTシャツに着古し たスエットのズボこれが定番スタイルなの だどうして母が父と結婚したのか不思議な くらいに見た目はだらしがないしかし母は 父に関しては口うるさいことは一切言わ ないのだそれくらい母は父のことを尊敬し ているのだという確かに父は仕事に関して は天才的で研究者の中でも一目置かれる 存在らしい そんな父の才能に母は惚れているらしいの だそんな愛されている父だが実は明日が 60歳の誕生日だ俺たち家族はみんなで父 の還暦を祝う予定にしていた俺はこんな時 にこそ親高校をせねばと思い会社の上司に 教えてもらった高級寿司屋を予約した もちろん俺のおりだ父は寿司が大好物なの できっと喜んでくれるはずだ そして翌日俺たちは予約した寿司屋へ訪れ たほとんどのメニューは直家だというこの 高級点の雰囲気に俺は多少気れしていた 大きな水槽で高そうな魚たちが何匹も泳い でいるなんだかすごい店ねあの奥にいる人 って芸能人じゃないマホはテンションが 上がりひそひそ声で俺に話しかけたすると 母が2人とも落ち着きなさいと言って俺 たちを嗜めた上品な着物を着た母はこんな 高級な店でも堂々としている一方父は腹 減ったなあと言いながらお腹をさすってい たさすがにいつものTシャツにスエット姿 ではなかったがやはりラフすぎる服装だっ た俺たちは店の中央付近にあるテーブル席 へ案内されたそして大将のおすすめの寿司 を適当に出してもらうように注文した やはり高級寿司店なだけあるどれも驚く ほどうまいちょっとお兄ちゃんここの寿司 美味しすぎるんだけどまほも目をキラキラ と輝かせながら食べている父もこれは絶品 だなと喜んでくれていたそんな父の反応に 俺も嬉しくなりながら寿司を食べていたの だがちょうど俺の真正面のテーブルに座っ ている1組のカップルがこっちを見て ニヤニヤ笑っていることに気がついた男の 方はスーツ姿で一見イケメン風だがよく 見ると大したことのない顔をして いる女の方は若くブランドもで身を固めて おりいわゆるみく女子のような雰囲気だ マホも俺と同じタイミングで気がついた らしい俺にさりげなく目くばせをしてきた カップルはこちらを指さしながらひそひそ と何かを話したり下げような目線を向けて くるのだなんだあいつら感じが悪いな俺は 内心むっとしたが今日はお祝いの席なので 気にしないことにした幸い父と母はその テーブルに背を向けて座っているので気が ついていない俺とマホは目の前の寿司に 集中することにし たこのいはも味もおいしいなそうねこの マグロも最高そう言って寿司を堪能する俺 たち兄弟母はまほお米が1粒お皿に残って いるわよまほにそう注意する母もどこか 楽しげだ父はマイペースにお酒をちびちび 飲みながらイカのお寿司ばかり食べている そうしてお腹もだいぶ満たされてきた頃お 酒を少し飲みすぎた俺はお手洗いに立った すると後ろから霊のスーツ男がお手洗いに 入ってきたのだそしてその男は俺の隣に 立ったかと思うと用を足しながら話しかけ てきたここは君たちの来るような店じゃ ないよ男の言葉に俺は思わずはいと 聞き返してしまった初対面の相手にこんな 失礼なことを言われるなんて予想もしてい なかったからだ すると男は大きなため息をつきながらだ からここは君たちみたいな仮想階級の人間 が来ていい店じゃないって言っているんだ と言ってきたいや仮想階級とか意味が わからないんですけど物分かりの悪いやだ なとにかくお前らみたいなやがいたらこの 店の格が下がって迷惑なんだよこの男は俺 を完全にしていよだ迷惑っってそんな あなたはこのお店の関係者の方か何かなの ですか俺はその男に尋ねたいいやここの客 だ貧乏そうなお前と違ってア銀行に務めて いるエリートだが真顔でそう答える男店の 関係者じゃないなら俺たちに店に来るなっ ていう権利はあなたにないですよね俺が そう言うと男は顔を赤くして少し興奮気味 に俺は海食やプライベートでもこの店を よく使う常連客なんだよこの店は俺が支え てるって言ってもいいくらいだだから俺に はお前に来るなという権利があると めちゃくちゃなことを言い出したのだはあ そうですか俺はなんだかめんどくさくなっ てきてしまったそれにもうすぐデザートが 来るはずなので早く席に戻りたかったのだ だから適当に返事をしたするとその男は なんだその気の抜けた返事はとにかく今 すぐ店から出ていけよと言い用を足し終え たのか手も洗わずにお手洗いから出て行っ てしまったのだったなんなんだあいつはて か手ぐらい洗えよ俺はむかついたが せっかくの父の誕生日なのだからと気持ち を切り替えて家族の待つ席に戻ったそして 何事もなかったようにデザートを堪能した のだったしかしその間もあの男は連れの女 と共に俺たちの方をチラチラ見ては何やら こそこそと話しておりかなり感じが悪かっ たデザートを食べおえ俺はお会計をする ために席を立ったするとマホもお手洗いに 行ってきますと言って席を立つ俺がお会計 を済ませ父と母の元に戻ろうとするとマホ が泣きながらお手洗いから出てくるのが 見えたマホどうしたんだ俺は驚いてマホに 尋ねたするとマホは泣きながら説明をし 始めたマホから聞いた話はこう だマホがお手洗いから出ると霊のスーツの 銀行員男の連れであるみ区女が待ち構えて いたのだというそしてみ区女は突然私の こと誰かわかるでしょ と聞いてきたらしいマホが分からないと 答えるとみ区女は急に怒り始めたそして あなたと同じ大学のみかよなんでわから ないのよと言ったのだみかという名前を 聞いてマホは思い出したそうだみかはマホ がグランプリを取った大学のミスコンに 出場していたうちの1人だった何の章も 取らずに敗退したからか影が薄くて 思い出せなかったのだみかは魔法を見下し たような口調であんたあんな家族と一緒に 外食なんか来て恥ずかしくないのと聞いて きた恥ずかしいってどういうことマホが 尋ねるとあんな冴えない父親に片そうな 母親それに平凡な兄私だったら恥ずかしく て家族と縁を切るレベルねと言って笑われ たのだというさらに自分の彼氏はアキ銀行 の営業のエース将来有望でお金も持って いる自分たちのようなカップルこそこの 高級点にふさわしいあんたを含めあんたの 家族はこんな高級点に来るべきではないと 言われたのだそうだマホは自分の家族が けなされたショックで泣きながらお手洗い を飛び出したというわけだなんだよその女 むかつくなマホ気にすることないよきっと ミスコンでグランプリを取ったマホのこと をでいるだけだ俺は魔法を慰めたマホと 2人で父と母のいる席に歩いて行くと例の 銀行院男が俺たちのテーブルにいるのが 見えた急いで近づいていくと銀行員男が父 に向かってどうせあんたは小さな会社の 平社員でもしてるんだろう金のないあんた たちがこの店に来るなんて身のほど知らず もいいところですよと言っているのが 聞こえてきたぶち切れ寸前の母は何か 言い返すとしたが父はそれを静止したどう して私たちが身のほど知らずだと思うのか ね父は銀行院男に向かって静かにそう尋ね たすると銀行員男はだってあんたたち貧乏 でしょほらその証拠にさに1粒も米粒が 残ってないじゃないお米ごきをもったい なくて残せないなんて明らかに貧乏人の 発想だ 一方的に決めつけてくる銀行院男にカチン と来た俺は思わず言い返したほっといて くださいよ別に悪いことじゃないでしょ 残す方がもったいないしかし自分たちの 行為が浅ましいと思わないんですかね 恥ずかしい家族だな銀行員男は呆れたよう に肩をめて首を振っ た浅ましいだって食べ物に感謝の気持ちが があるからこそあえて残さないんですよ俺 が強い口調でそう言うと男は面倒くさそう に 貧乏草もういいからお前らは早く帰れ そして2度とこの店に来るなと言ってきた のだすると父が君さっき自分は車で務めて いるエリートだと言ったねと言い出した そうですがしかもア銀行で一番期待されて いる営業のエース です銀行員男は得意げにわざわざ自己紹介 までしてきたすると父は預金20億よそへ 移すかと呟いたは斎藤はにつきながら 聞き返してくる斎藤君のような人間がいる 銀行に私の大切なお金を預けることはでき ないからね明日預金を移そうと思う父が そう言うと斎藤 は俺は傑作だな20億 ぎと爆笑し始めたではないかそして貧乏人 もここまで来ると哀れだな見を張るために そんな嘘をつくなんてそんな風貌のあんた がそんな金持ってるわけないだろうと目に 涙を浮かべるほど笑いながら言ったそうか なもし仮りに私が20億持ってなかったと してもお金を預けている客に向かって そんな態度を取っていいのかねどうせ あんたらの口座には数万しか入ってないん だろうそんなやつ客とは思ってないから 斎藤はそう言い捨てて自分の席に戻って いったお父さん私もう我慢の限界だわ一言 言ってやってもいいかしら母はコカに筋が 入るほど怒っていたしかしいや母さんここ はお店だそこに今日は私の暦祝争いはやめ て平和に行こうじゃない と父になめられていたしかし俺もまほも 斎藤とみかのカップルには相当頭に来てい たこのまま引き下がるなんて悔しいどうし てお父さんはあんなに冷静にいられるんだ そう思っていたのだが実はこの時父も俺 たちと同じくらい怒っていた らしい翌朝おい今からア銀行に行くけど お前たちも来ないか父にそう誘われ父が 昨日言ってたことは本気だったのだと悟っ た俺一緒に行くよでも父さん20億は さすがに持っていったよね本当は預金 いくらなの俺がそう尋ねるといや本当に 20億だが父は真面目な顔でそう返してき たえう嘘だろ本当かよ俺は一瞬頭が混乱し ただって明らかにうちはそんなセレブの ような生活をしているわけではない一般的 な生活水準なはずだははは驚いたかい 父さんが相続した実家の資産と父さんの 貯金そして母さんが投資で成功した金を 合わせて20億だ母さんあ見えてすごく やり手なんだぞ驚く俺を見て父は嬉しそう に言っただだけど俺たち昔から普通の生活 してるじゃんそんなに金持ちなのになぜ俺 がそう尋ねると父さんも母さんもも きらびやかな生活が苦手だしあんまり物欲 もないからな普通の生活が落ち着くんだ なるほどそうだったのか納得しかし俺は 衝撃の事実にまだ頭がふわふわしていた そしてそんな金持ちの父と一緒に俺はア 銀行へと向かった父が窓口で預金を全て別 の銀行に移したい今すぐに現金で用意して くれと言い通帳を渡した 通帳を確認した窓口の銀行員が少し驚いた ように少々お待ちくださいと言って奥に いる店長に話をしに行ったするとすぐに 店長が小走でやってきた松田様少しお話 できますでしょうか店長はそう言って俺 たちを奥の大雪室のようなところに連れて 行った今回は預金全てを銀行へ移されると いうことですね失礼ですが何か理由が ございますのでしょうか店長はおずおずと 父に尋ねてきた父は昨日の斎藤との出来事 を店長に話した話を聞く店長の顔が 見る見るうちにこっていくそして全てを 聞き終えた店長は父に頭を深く下げて謝っ てきた大変申し訳ございませんうちの社員 がそのようなごブレをいたしたとは確かに 斎藤はここの営業を担当おります今すぐ 呼びますので少々お待ちくださいそう言っ て店長は急いで部屋を出ていった俺と父は 出されたお茶をすすりながらのんびりと 待つことにすると5分もしないうちに店長 が斎藤を連れて部屋に戻ってきた斎藤は俺 たちを見るとちょっと店長大切なお客様 ってこの人たちのことだったんですかと つきながら言い始めた そうだ店長がそう答えると斎藤はこんな 貧乏人にお茶なんか出さなくていいっすよ どうせ口座にも大した額を入れていない くせにと鼻で笑ったのださ斎藤お前なんて こと店長が怒りでわなわなと震え出したが 斎藤は気にする様子もなく全額を銀行へ 移すとか何の脅しにもならないっつうの 大げさに騒いでるだけのでしょ店長こいつ らをまともに相手にしない方がいいっすよ と言ったのだ失礼なことを言うなこの方は 預金20億を他の銀行へ移すと言っている んだぞそれもお前のその非常識な態度の せいで店長は真っ赤な顔で斎藤にぶち切れ たははは20億なわけないっしょと笑って いたが店長の様子を見てだんだんと状況を 理解し始めたようだったまさか本当にこの 人は20億の預金があるのですか斎藤の 言葉に静かに頷く四天長う嘘だろこんな みすぼらしい格好をした人間が20億だと ありえない焦り始める斎藤に四天長はあり えないのはお前の方だ斎藤松田様は今回の 件でア銀行への信用を失しない他銀行へ 預金を移すと言っておられるのだぞ銀行と いうものは信用で成り立っている信用を 損なうような人間はバンカー失格だ店長は 俺たちの前にも関わらず斎藤をそうしり 飛ばした斎藤は自分がやらかしたことの 重大さが分かってきたのかだんだんと顔が 青ざめていくそして早く頭を下げて謝罪し ないか店長に促された斎藤は申し訳あり ませんでしたと頭を深深と下げて謝ったの だった俺はそんな斎藤を見てモヤモヤして いた気持ちが晴れた気がした店長は俺たち の方に向き直り松田様この旅は本当に 申し訳ありませんでした斎藤に関しまして は叱るべき処分をさせていただきますと頭 を下げた斎藤は処分と正規の抜けた顔で つぶやきへなへなと床へ座り込んだそんな 斎藤を横目に父はそうですかそれならは このまで結構ですこれからもよろしくお 願いしますと言って店長に頭を下げた本当 ですかありがとうございます店長も ようやくほっとしたような顔になったそう して俺たちは銀行を後にしたのだった後日 斎藤は出世街道を外れど田舎の小さな銀行 へと左されたらしいしかしプライドの高い 斎藤は耐え切れずにすぐにやめてしまった とのことちなみに斎藤の彼女だった美子に は左川が決まった直後に振られたらしい そんな現金な美子だったが彼女にも天罰が 下ったようだなぜかマホに闘争心を燃やし ているらしい美子寿司屋事件以降も大学内 で必要にマホに絡んできたのだという困っ たマホは母に相談したすると母は大学に 出向きマホが美子に絡まれたのを見計らっ て登場そして美子に正論をかざして ボコボコに言い任した後マナーを徹底的に 教え込んだのだというあの母ならやりそう なことだ最終的にみかは泣きながら謝り それ以降魔法を見ると逃げてしまうらしい 母の態度があまりにも怖くてトラウマに なったのだろう斎藤と美子にはこれを気に 心を入れ替えてまともな人間になって ほしい一方俺はこのことがきっかけで家族 の絆をより一層感じることができて結果的 に良かったこれからもたまには親高校をし ながら家族を大切にしていきたいと [音楽] 思うエフラン大学とかなめすぎなんだよ逆 に印象悪いってのほら帰った帰ったまるで 犬か猫でも追い払うように手を振る面接感 学歴ではなく能力を見て判断してほしい いくらそう訴えてもダメだった俺が苦労し て取った資格のことなんかすっかり無視さ れているもうお手あげだほら何してる後が つえてるんだから帰れと言われたら さっさと 帰れよとてもじゃないけど納得できない こんな面接があっていいのだろうか俺は 猛烈な悔しさを抱えたままその場を後にし た俺の名前は富田拓也22歳就職活動中の 大学生だある大企業で働きたくてこれまで ずっと自分を磨いてきた俺の人生は自分で 言うのもなんだけれどどちらかと言うと ハードモードだ何しろ幼くして父親も母親 もなくしてしまったからうちの両親は俺が 小学生の頃に交通事故で多したそれ以来俺 を支え続けてくれたのは方の祖父母この 2人には感謝しかない特に祖父からは生き ていくために大事なことをたくさんわった いいかたやたえ環境に恵まれなくても まっすぐ育つんだ ぞばあちゃんもじいちゃんもお前のことを 大切に思っているし期待しているからな 祖父はいつも相手の目を見て話すそして 自分の気持ちを正直に伝えてくれる両親が いないなんてどうして俺だけがこんな思い をしなければいけないんだと夜になりかけ ていたが世の中では俺はまだマな方だ祖父 のおかげで俺はそんな風に少しは前向きな 気持ちになることができ たただいくら前向きな気持ちになっても 寂しさを感じずにはいられなかった両親が いないもう2度とは得ないその辛さに 打ちひしがれて涙で枕を濡らした夜が何回 あった だろう学校生活を送る中でも辛いと感じる 時はたくさんあった小学校の授業産官だ他 のクラスメイトたちは父親や母親が来て いるのにうちだけは祖父だったわざわざ 時間を作って来てくれた祖父には申し訳 ないけど正直言って悲しかった親がいない ことの惨めさを思い知らされた気がした そんな俺だったからあれこれ思い悩んで道 を踏み外しかけたこともある悪い仲間と 一緒になって遊び回って家に帰らない日が 続いたりもしたその時も俺を全頭な道に 引き戻してくれたのは祖父だったいつもの ように俺の目をまっすぐ見て祖父は気持ち や考えを伝えてくれたあの子は親がいない からああなったなんて世間から後ろ指を 刺されたいかそんなの悔しいだろう負ける なよや環境に負けるな自分に負けるなじい ちゃんと一緒に強くなろうな俺の父親は 祖父の1人息子だった大事な息子を事故で なくすなんていう辛さや悲しさは俺には 想像もつかないそれでも祖父は俺の前では 涙を見せずにいつも明るく振る舞っていた そんな祖父の強さと優しさに気がついた俺 は悪い仲間との縁を切ることを決めた ハードモードの人生条件が悪いことは 分かりきっているだけど諦めるわけには いかないそういう環境に置かれた自分を まず認めてそこから始めなければいけない 周囲に引けとらない能力のある強い人間に なろう俺はそう心に決めたのだった大学 くらいは出ておけ祖父は進路に悩んでいた 俺にそう言った お前は呆れるかもしれんが社会には高卒を 馬鹿にする人間が本当にいる進学できる ならそれに越したことはないただし はっきりした目的を持って通うようにな 学費は出すと祖父は言ってくれたけど俺は 定長に断った大学には自分の意思で通うの だから費用も自分で支払うのが当たり前だ 学費が安いこと情報系のがあることそして 自分が住む祖父の家から近い こと俺はそれらの条件を元に大学を選び 試験を受けて合格した誰もが知っている ようなレベルの高い大学ではないけれど カリキュラムを見る限り俺が求める学びは きちんと得られそうだった俺が身につけ たいと思ったのはIT業界で活躍するため の能力今は多くの職場で分野に関する技術 や知識が必要だし持っていて損はないはず と考えたのだじいちゃんがいる会社でも 能力の高いIT人材の雇用は大きな課題だ 今は営業部の担当者が会社のSNSを 片手間に運用している程度だからな俺が 最初に取得したのはITパスポートこれは IT分野の初歩的な知識があることを証明 する資格だITを利用活用する全ての人に とって基本となる資格と言われている同時 にITパスポートはより上級のIT系国家 資格を取得するための第1歩大学生活を 通じて少しずつ着実に自分の能力を伸ばし ていきたい考えだった次に挑戦したのが 基本情報技術者の試験これも情報技術全般 に関するものでITエンジニアにとっての 基礎的な資格ださらに上の応用情報技術者 の資格を取るための足がかりとも言うべき ものだったこうして俺は大学4年間でいく つもの資格を取得し自分の能力をどんどん 高めていった資格の取得と並行して頑張っ ていたのがアルバイトだ俺は家庭教師とし て色々な家庭を訪問し高校生相手に数学と プログラミングを教えたそんな中ある家庭 でかなり嫌な思いをさせられることになっ た困ったことに生徒の父父親がすごく嫌味 で偏見の強い学歴主義者だったのだその 父親伊沢さんは俺が通っている大学の名前 を聞くと露骨に嫌そうな顔をした エフラン大学じゃないかそんなところに しかいけないようなやが俺の息子に何を 教えるんだ伊沢さんの言うエフラン大学と はエランクの大学という意味だはっきりし た定義はないけれど数ある大学の中でも レベルが低い方と捉えられている偏差値が 50未満であることがエフラン大学か田舎 を判断する指標の1つなのだとかただ当然 ながら偏差値だけで大学を評価したりは できないそれぞれの学生がどんな目的を 持って通い学生生活で何を得たかが1番 大事なはずだ俺はそう反論しようかと思っ たけれど立場の弱さから何も言えなかった 話にならん低レベルな学生に何を教わって も無意味だチェンジだチェンジちょっと 待ってあなた知らないのタヤさんに家庭 教師をお願いしてからうちの子の成績は 上がっているのよ無意味だなんて 決めつけるのは良くないと思うんだ けど俺は生徒に慕われていたし成績も 間違いなく上がっていた実績があるのに 担当を変えて1から信頼関係を気づきなす のは策とは言えないそんなさんの援護が あったおかげで効果不家俺は家庭教師を 続けることができた家庭教師のアルバイト の際休憩中に親子さんと話をすることが あったそんな時伊沢さんは必ずと言って いいほど俺のことを馬鹿にしてきた エフラン大学生なんかに相談に乗って もらわなくてもうちの息子は自分が希望 する進路にちゃんと進むさ大たい人のこと を心配している場合なのか君も就職活動中 なんだろう はいそうです内定をもらえた企業はあるの かないんだろうまそうだろうな好き好んで フラン大学生を採用しようとする企業 なんてあるはずがないもん な伊沢さんの下品な笑い声に俺は適当に 合槌を打っておくなんとでも言えばいいし 笑えばいい人を学歴でしか見ないような人 の意見にいちいち過剰な反応をする俺じゃ なかったけれどその後のやり取りには かなり心を傷つけられてしまっ たところで君のご両親は仕事は何をして いるんだうちは両親ともいません父も母も 俺が小学生の頃に交通事故で多しました そうだったのねごめんなさいこの人が辛い ことを思い出させてしまって奥さんはすぐ に謝ってくれた深深と頭を下げられて こっちが恐縮してしまったくらいだけれど 旦那さんは違ったもう我慢できないと ばかりに吹き出してお腹を抱えて 大笑いなるほどなそんなことだろうと思っ たよ親の経済力と子供の学力には関係が あるというもんな親なし貧乏家庭の エフラン大学生だったわけかそれなら納得 だちょっとあなた失礼にもほがあるわ よ失礼俺はただ事実をそのまま述べただけ なんだが奥さん厳しく注意されても沢さん はヘラヘラ笑うばかり吐いた言葉を 取り消すつもりはないし反省もしない そんな様子だった世の中にはこういう偏見 で凝り固まったろでもない人間がいる俺に できるのは怒りをこらえて伊沢さんの言葉 を聞き流すことだけだったそんな伊沢家で のやり取りから数週間後俺はついに第一 志望の企業の最終面接にまでこぎつけた まで実に長く感じたメールでの先行を通過 した後能力検査と性格検査を受けた自己 分析を元にした作分も欠かされたそれらの 締めくくりとしての最終面接だ面接の基本 マナーはおさいしてきた自己紹介で言う べきことも頭に入っている死亡同機業界に 対する印象入後どんな活躍ができるか何も かも大丈夫名前をは返をして入室した そして固まってしまった面接感がよりに よってあの伊沢さんだったからだ俺の履歴 書を手にしたまま彼はニヤニヤと笑って いる伊沢さんは俺に着席を促してはくれ なかったここまであれこれテストを受け たり作分書いたり大変だったね嫌になっ ちゃったんじゃない のいえそんなことはあませんたださ俺は君 に言ったよね好き好んでエフラン大学生を 採用する企業なんかないって聞いてなかっ たこんなとこまでのこのこ来ちゃってさ エフラン大卒とかなめすぎなんだよ逆に 印象悪いってのほら帰った帰ったししと俺 に体質を促す伊沢さん面接の基本マナーも 何もあったものじゃなかった俺はどうして も諦めたくなくて必死で食い下がった待っ てください履歴書を読んでいただければ 分かるはずです私は恩社にIT技術で貢献 できるよう資格を取得して能力を磨いて まりました確かに有名大学の出身ではあり ませんですが働く意欲と基礎的な能力は ああはいはいもういいって言ってるだろう ごちゃごちゃ抜かすなエラはいらないって 言ったらいらないんだよほら何してる後が 使えてるんだから帰れと言われたら さっさと帰れよあとうちの家庭教師も やめろ分かったな悔しくてたまらなかった だけどこの場ではどうしようもないどんな に納得できなくても向こうは面接感俺は 就活生なのだから立ち去るま俺は伊沢さん をまっすぐに見つめたきっと後悔しますよ なんだ脅迫かろでもないやつだ追い返して 正解だな 愉快で仕方ないとばかりに高笑いする伊沢 さん俺はそんな彼に背を向けて面接室を後 にした廊下で待機している他の就活生たち がチラチラと俺の方を見上げてきた 悔し泣きの顔を見られたくなくて俺は急い でその場から立ち去った最終面接試験の 翌日だった伊沢さんは専務に呼び出されて 務室にやってきた呼び出された理由がよで どこか落ち着かない様子だったという昨日 の最終面接面接官は君だったらしいなうち の孫はどうだったえせ専務のお孫さんが いらっしゃったんですか名前は富田たや君 の息子の家庭教師も務めているそうだが その瞬間伊沢さんの顔が真っ青になった そう実は俺の祖父は井沢さんの会社の専は 祖父に恩返しをしたい一瞬で同じ会社への 就職を目指していたのだ日たらたらの井沢 さんは慌てふめいて弁解を始めたそそれは 存じあげませんでした失礼いたしました そうだったのですね彼が専務のお孫さん 通りで立的なお顔立ちだと思っておりまし たしかし結局は落としたんだろう理由は 何かねはい理由はそのうちの孫が親なし 貧乏家庭のエフラン大学生だからかねこれ は君の言葉だなえいいいえ私はそんなこと 1度も嘘つくな私が何も知らないとでも 思っているのか君の暴言は孫から全て聞い ている昨日同じ時間に面接に来ていた就活 生たちからも苦情があったんだぞ祖父の 見幕に震え上がる伊沢さん自分の暴言が 静かな廊下にまで響いていたことを彼は 知らなかったらしい エフランはいらないだのごちゃごちゃ 抜かすなだの彼の言葉はひどかった俺と 同じ時間帯に面接に来ていた複数の就活性 が圧迫面接だと会社側に連絡したのだ君の ような底意の悪い学歴主義者が面接感など していては会社の信用に関わるおって処分 を伝えるから覚悟しておけま誠に申し訳 ありませんでし た伊沢さんは土下座して謝ったけれど祖父 は意地でも許さなかったという俺が祖父 から聞かされた執務室での伊沢さんとの やり取りはそれで全て後に伊沢さんは面接 中の非道な振る舞いを理由に左されること になったらしい数日後井沢さんは平社員に 降格させられたその上で遠方にある 関係会社へと飛ばされてしまった聞いた ところではかなりハードな仕事内容でられ 物流関係の会社らしい伊沢さんはそこで長 距離トラックの運転手をすることになった 仕事内容はシンプルだけれど高速時間が 長くて慣れないうちはかなり辛いそうだ しかも井沢さんは周囲の運転手たちとの 関係になじめず孤立している状態なのだと かきっと学歴主義の嫌みな性格が邪魔をし てなかなか職場に溶け込めずにいるの だろう学歴の高さなど何の意味もなさない 現場で果たして同僚たちとうまくやって いけるかどうか今まさに伊沢さんの人間性 が試されているわけだおたく止まった 意地悪な人間のままではきっと過ごせない 伊沢さんが今更変われるかどうかは疑問だ けど生ぜうまくやって欲しいものだそんな 井沢さんのその後について俺に教えてくれ たのは彼の奥さんだった奥さんはわざわざ 俺を訪ねてきて主人が申し訳ありません でしたと詫びてくれた 学歴も頭の良さも人として尊敬できるか どうかとは関わりないことです主人はその ことが全く分かっていませんでした左川先 で何か学んでくれるといいのですが旦那 さんの不在で何か困っていることはないか と聞くと何もないという奥さんは真が強く てまともな方だから夫がいなくても しっかり子育てしていくだろう一方俺はと 言うと改めて面接を受けさせてもらってに 合格の通知をもらえた決してコ入社では ないけれど周囲がどう見るかまでは分から ない専務の孫という立場を利用したの だろうなんて陰口を言う人がいないとも 限らないだからこそ俺はこれから先ずっと 真面目に働いて自分の実力を示し続ける 必要があるこの会社には彼という人材が 不可欠だそう言ってもらえるように頑張っ ていきたいそして祖父だけで 天国の親のことも安心させてあげたいと 思って [音楽] いるおいやお前どうせ使い物にならなくて あっちこっちおたらい回しになってん だろう恥ずかしいねお前みたいな高卒を 押し付けられると俺の部署も大迷惑だよ 先輩の伊藤さんはく た1店舗の店長に過ぎなかった俺がやっと 本社配属になってこれから出世コースにも 乗れるかもしれないそう思っていたのに 本社に行って突きつけられたのは高卒は 戦力外という残酷な社会の現実だった俺の 名前は矢樹28歳のサラリーマンだ何度も 言っているが俺は高卒なぜならうちの家は ひく貧乏で大学に行ける余裕など全く なかったからだうちの父は小さな公務店を 経営していたのだがある時怪我をして しまって廃業したしかも店を開くために数 千万円の借金を残した状態でだ一家の 大黒柱だった父が無職になってしまった ことで俺たち一家は一気に極貧生活に陥っ た学校に通うのもやっとなあり様で家で はろに飯も食べられないので毎日学校の 給食のことばかりを考えて生活していた そんな中たまたま遊びに行かせてもらった 友達の家でご馳走になったジャムサンド ほっぺが落ちそうなほど美味しかったのを 覚えているこんなものが毎日食えたら幸せ なのにな今考えるとそんなもので喜ぶ なんて単純だけど当たり前のものさえもろ に揃わないほど貧乏だった俺は友達が 羨ましくてしょうがなかったのだ 小学校を卒業しても俺たち一家の生活は楽 にならず母は朝から晩までパートや内食の 仕事をしていた父は体調が良くなってから は働き出したものの思ったような給料の 仕事にはつけず家計はいつも火の車だった 俺は高校生になってもパンや弁当を買う金 に困るくらいの貧乏で昼食を抜いたことも 何回もあるみんなが弁当を食べている昼食 の教室に1人だけ何もせずに座っているの も気まずいので俺はよく図書館に隠れて 1人で本を読んでいたゲーム機も持ってい ないし映画やライブに行くお金もない そんな貧乏な俺にとって本を読むことは金 のかからない唯一の趣味だった自分の人生 はずっと暗いトンネルの中にいるようで 全く明るいところなんかないみんなが大学 進学を当たり前のように選択するかお金が なくて高卒で働かざるを得ないそのことを 考えると気持ちが沈んだけど本を読んで いる時は何もかも忘れて心が落ち着いた俺 だって今は貧乏だけど頑張ればこの先いい ことがあるかもしれないあれから10年 ちょっとオタクのお持ち帰り商品どうなっ ているのよ家に持って帰ったら盛り付けが 歪んでいるわよ悪質クレーマーの女性との 電話の最中大きな声で嫌みを言われる俺俺 が務めているのはある飲食チェーン店高校 を卒業した俺は家族のために働き始め10 年かけてバイトから店長に昇進しただけど 仕事は変わり映えせずクレーマーに文句を 言われる毎日この女性客はいつもうちの店 に些細なことでイチもをつけて電話でバリ 雑言を浴びせるのが趣だっただけどこんな 人でも一応お客様下手に反抗するとめんど くさいことになるので俺はひたすら謝って 音便に電話を済ま せる高校の時から月日は経っただけど俺の 人生は居場所や立場が変わっただけで根本 的には何も変わっていなかった飲食店の 店長はやりがいのある仕事ではあったけど 俺のやりたい仕事ではなかったもっと 例えば本社勤務とかで販売戦略や新商品の 開発をやってみたい自分の能力を試せる ような仕事をしてみたいだけど高卒の俺が 店長以上に昇進するチャンスはなかっ た同時期に入社した大卒の奴らは本社勤務 に昇進したり独立したりしているのに俺 だけ何もないのだこのまま一店長として 終わっていくのかだんだんと30歳も近く なり俺は次第に焦りを感じ始めていた ところがそんなある日そんな俺にも天気が 訪れたなんと応援スタッフとして本社に 呼ばれることになったのだたまたま今年 本社で3級を取る社員が多かったために ジムが人手不足となり店舗から適当な社員 を選んで本社で代わりに働かせている らしいもし本社に行って働きぶりが良かっ たらそのまま本社に採用されるかもしれ ないぞ本社勤務をしている大卒の同期から その話を聞いて俺の心は喜んだやっと俺に もチャンスがそう思った数週間後お前さ 高卒とかよっぽど頭が悪かったんだな今時 珍しいんじゃねえの本社のオフィスで意地 悪く声をかけてくる1人の先輩この人の 名前は伊藤大雅俺より少し年上の29歳で 俺が応援で派遣された部署を仕切っている ボスだった女性社員からはモテそうな イケメン人事の評価も悪くないらしいが いざ一緒に仕事をしてみると高卒とかさ 働く前から人生負け組み確定じゃん終わっ てんな本社のオフィスにはいい人も いっぱいいて学歴とか関係なく接して くれる人がほとんどなのだがこの伊藤さん だけはずっと俺のことを見下してネチネチ と嫌みを言うのだったしかもトイレとか他 の社員には見えないところを狙ってやるの だから本当に立ちが悪いそしてこの人は 発砲美人のサボりまでいつも散々俺に仕事 を押し付けた挙げ句自分は何もしないんだ またそれだけではなくすみません部長俺が もっとしっかりしていればおい高卒謝れよ ほらもっと頭を下げろこの頭を下げろよ俺 の頭を上から押さえつけて無理やり謝罪を させる先輩実は伊藤さんがメールの返信を し忘れて流れてしまった他社とのコラボ 企画がありそのことが部長にバレてしまっ たのだだけど彼はそれをあっさりと全部俺 のせいにしてしまった部長は俺のせいだと 思い込んでカカに怒っているすみませんで 住むもんか大な取引先に失礼なことをして お前はもう相談には出るなクレーム対応で もやってろそそんなだけど今回の件は あまりの周知に俺が抗議をしようとすると おいこの後に呼んで見苦しいぞ自分のミス も素直に認められないなんて高校生以下 だろうがあお前高卒なんだっけこりゃ悪い な あや先輩の言い方にカチンと来るだけど どうしようもないまあ高卒だから多少幼稚 なところがあっても仕方ないと思っていた がここまで人の足を引っ張りまくるとは まあ人手不足が解消しないから部署に置い てやっているが今度問題を起こしたら店長 に戻してやるから な部長はそう言って俺を睨みつけた せっかく掴んだ切符で本社にやってきたの にまた店長に逆戻りなんてそれだけは嫌だ 結局俺の弁名は何1つ認められず今回の件 は全て俺のせいということで片付けられて しまっ た伊藤さんはその後も取引先に返事をし 忘れたりとか提出書類を期限までに出し 損ねたりとかミスを連発しそれを全部俺の せいにしようとしたその度に俺は走り回っ て取引先に謝罪に行ったりサービス残業を したりして事態の収束に務めたえ 毎日のように伊藤さんから高卒であること をいびられるそんな日が続き俺はストレス で胃がキリキリするようになってしまっ たそんなある日のことあああ今日も残業だ そう思いながら休憩所の自動販売機で気分 転換に缶コーヒーを買い一気に飲み干した だけど気分が晴れない俺が顔をしかめて いるとや君大丈夫 眉間にしが寄っているよ声をかけられて 振り向くとそこにはモップを持った清掃員 のおじさんが立っていたあ大きさんお疲れ 様ですそうですかちょっと考え事をしてい て あ俺はそう言って軽くごまかした話の相手 は大きさんと言って会社の清掃をしている 50代のおじさんだ作なきさんは卒の俺の ことも別しない顔を見るたに声をかけて くれいつしか友人のような存在になってい た彼となんてことない世間話をしていると サボりに来たのか伊藤さんが休憩室に入っ てきたおいおっさんここゴミだらけじゃ ねえかさっさと仕事しろむそして話して いる俺たちを見て嫌みを言い自分は売店の 方に行ってしまったしかも際に部屋のに ゴミ箱を思いっきり蹴飛ばしていったのだ ゴミ箱が倒れ床にはボロボロとゴミが散乱 するあああすまないねすぐに掃除するよ 大きさんはそう言ってちりとりでゴミを 取り始めた俺は横の掃除用具入れから法規 を取り出して掃除を手伝おうとした君いい よこれは私の仕事だからきさんはそう言っ て断ったけどいえでした方が早く終わり ますから大きさんはもうお仕事終わり でしょうさっさと終わらせちゃいましょう ははそうかいありがとうそれよりも君悩み があるなら聞くよ私はこの会社では掃除を しているだけだから私になら何を喋っても 問題ない だろう俺の顔色がよっぽど良くなかったの か心配してくれる大きさん連日のストレス で押し潰されそうだった俺はこっそり大き さんに悩みを相談 自分が高卒なこと本社勤務に憧れて胸を 踊らせてやってきたのに現実は伊藤さんの 古文のような状況であること伊藤さんの ひどい失敗を押し付けられて部長からも 怒られていることなんだそれはひどいな あの伊藤という社員はなんだかうさ臭いと 思っていたがやはりそういうやつだったの か大きさんは俺の話を聞いて随分と分して いた俺はそんな大きさんをなめてお礼を 言ったままあまあ聞いてくださったおかげ で少しすっきりしましたこれで残業も 頑張れそうですありがとうございました 話してすっきりしたのは事実だが正直この 現状が良くなることはなさそうだ俺は諦め て大きさんと別れると自分の仕事に戻った だけど翌日事件が起こったのだおい誰だ庫 の中の小口現金を勝手に持ち出したのは 100万円なくなっているぞ部長の 怒鳴り声に総勢とするオフィス何でも オフィスの金庫に入れていた小口現金が丸 ごと消えているらしいのだ小口現金という のは車内の備品の購入や来客に現金を払わ ないといけない時に使うお金でいつも金庫 にストックされている普段は30万円ほど なのだが今月は決算前で出費が多くあり そうだったので 昨日から100万円入っていたそうなのだ この現金を使用する際には金庫内に一緒に 置いてある出納町に使用者と使用理由日付 金額を明記することがルールだっただけど 出納町には何も書かれないままお金が なくなっているというのだみんなが不安 そうな顔をしている中やあのお前盗んだん だろう突然先輩に肩をつまれるとそう言わ れたえ そそんな俺は知りませんもちろん俺は小口 現金なんかに手をつけた覚えはない昨日俺 が部長の命令で銀行から下ろして金庫に 入れた現金が今日の朝には消えていたんだ よ昨日残業をしていた社員はお前1人お前 以外の人間には盗むのは不可能なんだよ 先輩はそう言って俺のことを睨みつけて いる部長も他の社員たちもその言葉を信じ てしまどうにも俺が犯人にされてしまい そうな雰囲気だったいつもミスを押し付け られて謝罪ばかりしていたけど今度は泥棒 扱いきっと首になってしまうだろうああ 人生終わったなそう思った瞬間 100万円100万円ならここにあるよ みんなが一斉に振り返るとそこには清掃員 の大きさんが立っていた手にはなんと 100万円の束が握られているいや昨日 矢野君が真っ青な顔で残業するって言って いたから心配になってね私は仕事から帰る 前にオフィスを覗いたんだするとその時 矢野君はトイレに行っていていなかったん だけど伊藤君が金庫からお金を抜き取って 矢野君のデスクにこっそり隠すのを見たん だまさか泥棒の疑いを押し付けるような 嫌がらせをするとはね大きさんのその言葉 にみんなは然とするな何言ってんだこんな 清掃員の言うことなんか信じられるかそれ にやは高卒だろう部長高卒なんかやっぱり 雇っちゃだめですよこんなやつこの部署に 置いておけるか伊藤さんは一生懸命に みんなの注意を引こうと怒なっている高卒 の俺と清掃員の大きさんのことが気に入ら ないのだろうだけどそんな彼に俺は言って やった何言っているんですか伊藤さん俺の ことを見下すのは構わないけれ大きさんへ の口の聞き方には気をつけてください上司 に向かって失礼ですそうですよね社長はあ 俺の言葉にはっとする 先輩社長だとこの清掃員が確かにうちの 会社の経営は専務たちが仕切っていて社長 は別にいると聞いたことがあるが見回り 程度にしか会社に来ないって噂のそう 見回りでしか会社に来ない社長それが私の ことだよ大きさんは静かにそう言った経営 は弟の専務たちに譲って自分は様子を見る だけにしているんだなに家族に介護が必要 な人がいて家庭が大変でねとても会社に 付きっきりになるわけにはいかないんだ俺 が伊藤さんの方をちらりと見ると信じられ ないという顔をして いるそれでも私も新入社員の顔は覚えたい し毎日トイレや車内の掃除するだけなら みんなの役に立てるかと思い清掃員のふり をして会社に来ていたんだまあだけど昔 から働いてくれている社員は私が社長だっ て知ってるから新入社員の子たちもその うち気がついちゃうんだけどねそう笑って 大きさんは付け加えたまさか本当に私の ことをバイトの清掃員だと思っている人が いるとは思わなかったよその言葉に伊藤 さんはぐと歯を食いしっているそう実は 大きささんに会社でのひどい仕打ちを 打ち明けた時俺は彼がこの会社の社長で あることを知ったのだった伊藤さんはいつ も仕事を適当にすっぽかして遊んでばかり いたから大きさんが社長であるということ を今まで知らなかったのだろうああの社長 このものはどうしましょうかいきなりの 社長登場にビビったのか部長が声を小さく して横からお伺いを立てる人に罪を着せて 入れようとした伊藤君の罪は重いそれに私 は矢野君から相談を受けていてある程度の 事実を把握しているよ伊藤君が毎日矢野君 に嫌がらせをしていることもそしてその ことに気がついていない部長の話もねそ それは違うんです社長部長と先輩がとっさ に声をあげるだけど黙りなさい君たちの ような無能社員は会社にとってお荷物だ 専務に相談してそれ相応の処分をするから 覚悟しそそんなひ社長の厳しい態度にもう なす術はないことに気がついたのか部長と 先輩は頭を抱えてその場に崩れ落ちた結局 車内で盗みを働いた伊藤さんは解雇させ られた今は日雇いの工事現場を点々として いるらしいが思うように稼げず苦しい思い をしているらしい何でも彼はギャンブル 中毒でスマホのオンラインカジノで違法賭 を送り返し何千万ものひどい借金を抱えて いるそうだ今では借金取りに追われて 逃げ回っているというまた部長は店長に 攻殻となり俺が元々店長をしていた店に 不妊したようだあそこの店は霊のすごい クレーマー女性がいるからクレームの対応 で部長は頭を悩ませ夜も眠れないほど少水 しているという俺はと言うと大き社長の すめで本社勤務になり今は伊藤さんの部署 を引き継いでリーダーをしているいやヤが リーダーになってからすごく仕事が進む ようになったよあの伊東のやつとんでも ないサリマだったんだなあいつがいる時の 5倍は仕事の能率が上がってるよ同僚たち からはそんな声が寄せられて部署の リーダーとしての実績を出すこともできた そのことが評価され来年からは部長職を 任される予定だ役員の補佐として重要な 会議に呼ばれることも増えてきた時間は かかったけど俺にもやっと運が巡ってきた ようだ今まで高卒だということで屈になっ てしまうこともあったけど諦めなかった先 にはいいこともあった大き社長のように よくしてくれる人と出会えたことに感謝し てこれからも仕事を頑張っていこうと 思うてがきってるんじゃねえよ上司の大岩 さんがそう怒鳴りながら俺に酒をぶっかけ てきた突然のことだったので避けることも できずポタポタと俺の髪の毛から酒が したたり落ちる楽しいはずの職場の飲み会 の場がしーんとしまり帰った大岩さんは 前々から俺のことを嫌っていてあらさな 態度で接していたまでずっと上司なので 逆らうこともできずただ黙って耐えていた がこの行為はさすがに見過ごすことはでき ない俺は大岩さんに言い返すと口を 開くすると次の瞬間予想がいすぎる出来事 が起こっ た俺はとある事情でその昔少年院に入った そこで会心するなんてことはなく成人後も 何度か犯罪行為を犯しその罰として刑務所 に入れられていた悪いことをしたら反省 するのが当たり前そもそも世間様に迷惑を かけるような悪いことなんてしないのが 当然だもちろん今の俺はそれを理解して いるが当時の俺はどうしようもないバカで 何が悪いのか全く分かっていなかった そんな俺に親父はぶち切れよそ様に迷惑を かけるようなお前を息子とはわ絶縁だ2度 とうちの仕をまたぐなそして本当に俺を 感動したのだ親父に見捨てられてようやく 自分のしたことに 気づき反省することができたなので俺を 捨てた父親のことは恨んでいないむしろ 感謝しているくらい だ刑務所を出たら普通の人間になろう刑務 所を出た俺を拾ってくれたのが地元にある 小さな会社だった その会社は地元密着型で地元の名産である 野菜を加工して販売している社長はとても 穏やかな人で破裂だった俺の親父とは正 反対社長がいてくれたおかげで今の俺が あると言っても過言ではないさらに配属さ れた営業部の部長はとても面倒みのいい人 で俺の事情を知った上で他の社員と平等に 扱ってくれる俺は散々よそ様に迷惑をかけ た犯罪者なのにこんな恵まれていいのかと 思ったこともあったでも今は俺に優しくし てくれた人たちに報いるのが俺の役目だと 思い精一ぱい頑張って仕事に取り組んで いる同僚や上司もいい人が多くおかげで俺 は普通の人間らしい生活を送ることができ ていたしかしそんな俺にだけつっかかって くる人がいるその人は営業部の係長で大岩 さんという彼は噂によると部長の座を狙っ ているらしい係長の仕事は部長のごりなの かと大岩さんを見ていると勘違いして しまう部長に気に入られて進しようという 胆なのだもちろん部長はこれに気づいて いるけれと苦笑いでスルーして いるそして何より大岩さんは昔は手がつけ られない不良だったらしい本人は何かに つけてそのことを自慢気に話して いる不良だった頃に色々とやんちゃした エピソードをまるで武勇伝のように語るの だ昔はこの地元で長通っているほどの不良 だったらしい がしかし高校生になり構成した大岩さんは いい大学に進学不良からエリートへの転身 も彼にとって自慢らしいそんな大岩さんは 部長に何かと目をかけてもらっている俺が 気に入らないのだある日俺が中卒だと知っ た大岩さんは俺のことを定学歴だと馬鹿に し 始めるそこからも見下す言動はどんどん エスカレートしていき今では俺への罵倒は 軽い挨拶と同じだったこの時はまだ馬鹿に される程度だったのでスルーできていたの だがある日部長が俺に大きな仕事を任せて くれ たお前には期待しているんだこの仕事も きっとお前ならこなせるさそれは新しい 契約先として狙っている会社への相談の プレゼン作りだったこれが成功すれば我が 者にとって大きなプラスになるだろう俺は 初めての大きな仕事に驚いたが信頼して 任せてもらえたと知り頑張りますと元気 よく返事をしたしかしその仕事は俺に任せ てくれるんじゃなかったんすかなんで そんな定学歴に部長に噛みついたのは大岩 さんだった確かにその予定だったが他人を 定学歴だと平気で馬鹿にする人間には任せ られないと思い直したんだそれに君は最近 たるんでいる君には任せられない確かに 大岩さんは最近遅刻が多いそれに外回りと 称してサボっているのは武将内の人間は 全員知っていることだった今年は目立った 成績をあげていないしそういう点を部長は しっかり見ていたのだろうこのままだと 日田君に成績を抜かれるぞえ係長の椅子に 座り続けたいならもう少し努力することだ な君はその気になれば仕事はできる人間だ 今後に期待している よ部長から聞いた話なのだが入社当初の 大岩さんはとても真面目な社員だった らしい係長の座も自力で掴み取った実力が ある人だったのにここ数年はこんな調子な のだそうだくそニたさえいなければ それまで俺のことを見下し馬鹿にしてきた 大岩さんだがその相手が自分の立場を 脅かすと分かると俺のことを適しし始める ようになったのだ部長の言う通りにして 自分の力を磨くことに集中すればいいのに 彼は俺を呼下ろすことで係長の椅子を 守れると思い込んでいるようだ今まで嫌み だけだったのだがこれ以降の大岩さんは にらをするようになる俺のロッカーや机を 勝手に開けて私物を捨てたり自分のものに したり大岩さんに手を出された私物は ギリギリ見過ごせ程度のものだったしかし 仕事の邪魔をされるのにはさすがに並行し たある日俺が一生懸命作った仕事のデータ を大岩さんが勝手に削除したの だ本人を問い詰めると悪悪いと全く悪びれ た様子がなかったこの時は運悪くデータの バックアップを取るのを忘れていたので 結局深夜まで作業するはめになったこれ だけだったらわざとじゃないかもしれない と思えたのだがこの後決定的な事件が 起こるなんと大岩さんは俺が必死で 作り上げたプレゼン資料をプレゼン前日に 捨てるという暴挙に出たのだ本人曰く大切 資料だとは知らなかったてっきりゴミだと 思い込んでいたとのことだが以前のことも あり今回はプレゼン資料の予備を作ってい たのが幸いしたなんとかこなきを得たが この時大岩さんが真底悔しそうな顔をして いるのを見てああわざとなんだなと気づい たのだこの人は俺の足を引っ張るためなら たえ会社が損失を被っても何とも思わない だろうそれが回り回って自分の首を閉める かもしれないというのに残念ながら世の中 にはこんな信じられないことをする人間が いるのだこれからは大岩さんの妨害をなん とかうまくかわしていくしかないプレゼン はなんとか成功したけれど俺はどっと疲れ てしまい大きなため息を吐い たプレゼンから1週間後契約が無事に締結 し部長からこんな提案が出たプロジェクト が本格的に指導するまで少し時間がある その間にお疲れ様会をやらないか久々に みんなで飲みに行こうじゃないかこれに 部署内のほぼ全員が賛成飲み会が苦手な人 や家庭の事情で来られない人は無理に出 なくていいということになり俺や部長を 含めて参加者が決定その中には大岩さんも 含まれていた俺のプレゼンが成功した後の 大岩さんは不気味なほど静かだった今まで の言動が嘘のように何とも思っていない ような様子で仕事をしているもしかしたら 俺の成功を見てこのままじゃダメだと 思い直したのか元々は真面目な人だった からあり得る話かもしれないだから俺は 完全に油断していたのだ飲み会はしばらく の間楽しく行われたしかし大岩さんが5杯 目のビールを頼んでジキを持ちながら まっすぐ俺の元へ来て底辺が生きがってる んじゃねえよそうとなりながら俺の頭から ビールをぶっかけてきたのだ突然のことで 俺は避けることもできず頭の先から全身 ビールまみれになってしまう向い側で ニコニコと上期限でお酒を飲んでいた部長 も呆然とした表情を見せていたおお岩く何 をすみません部長俺かなり酔ってるみたい ですヘラヘラと笑いながらそう言い放つ 大岩さん確かに顔は赤く染まっていたが 喋り方ははっきりしているしそこまで ひどく酔っているようには見えなかった その証拠に彼の目からは俺に対する憎が はっきりと伝わってきたすまんなニた そんなにびしょびしょにするつもりは なかったんだじゃあどんなつもりでビール をぶっかけたんだと聞きたかったけれど あまりの周知に何も言い返せないでもさ お前みたいな定学歴にはお似合いの姿じゃ ねえかさすがにそれはひどくないですか はあようやく正気に戻った俺は大岩さんに こう言い返した俺のことが嫌いなのは知っ てますけどやり返すなら仕事でやり返して くださいよかっこ悪いですよお岩さん調子 に乗るんじゃねえぞだんと殻になったジキ を机に叩きつけるあまりの騒ぎに俺たち だけでなく周りのお客さんもしまり帰って しまった俺は昔ここら辺でふらつきの悪 だったんだお前みたいな定学歴で社会の 底辺のカスなんか昔の仲間に声をかけすぐ 潰せるんだ ぞへえそうなんですかと煽り返しそうに なったが俺はふと部長が心配そうな目で こちらを見ているのに気がついた部長は俺 が刑務所帰りだと知っている大岩さんの 仕打ちに俺が切れてしまわないかハラハラ しているのだろう部長を安心させるために もここは煽らずびに住ませるしかないそう 思い口を開こうとった次の瞬間がりと店の 扉が開き10名ほどのコモ集団がぞろぞろ と入ってきたよう大将席開いてるかあれ あの人は男供の1人が目ざとく俺を 見つけると即座に周りに声をかける俺も男 たちの顔を見て厄介なことになったなと ため息をついたそして組長お疲れ様です店 中に響く重音で男たちが俺に向かって一斉 に挨拶をしたのだ組長じゃないやめろすみ ませんでいうかなんか濡れてません騒ぐな 他の人の迷惑になるだろうこれはなんでも ねえよちらりと大岩さんの方を見ある何が 起こっているか分からないと言った表情だ が俺が長と呼ばれ集団と親しに話している 様子から何かを察したのだろう俺と目が 合うと真っ青な顔色でびくりと大きく体を 揺らした俺は昔犯罪を犯して刑務所に入っ ていたそれはバリバリのヤザだった祖父を 尊敬していて彼のようなヤザになりたかっ たからだ我が家は代々続くヤザの家だった が父の台で組全体が足を洗うことになる 他人様に迷惑をかけて飯を食うなんて俺は ごめんだねこれからは全頭な商売をして 生きていく父の方針に逆らう組員もいたが 父曰く話し合いで納得してもらったとの ことでいつの間にか反発する連中だけ姿を 消し組はごく普通の会社になっていっ たこれに対して俺はもう反発その結果感動 されに至るというわけ だしかし組の連中は未だにヤザだった時の 名残りが強く残っていてトップである親父 のことを組長と呼んでいるそして俺に組で はなく会社を継いでほしいと思っているの だそのせいでこうして俺のことを組長と 呼ぶ連中が多くいるしかし俺は父親に感動 された身だをまたぐなと言われているし 父親の決まりに背くつもりはないなので 会社を継ぐつもりはないのだがこいつらは 俺に戻ってきてほしいと願っているの だその後飲み会を続けるような空気では なくなったのでその場で解散となった俺は 迷惑かけたお詫びです本当にすみません でしたと頭を下げ全員分の飲みを払いその 場を去ったせっかく普通の人間として生き ていたのにお前らのせいで明日から職場の みんなに変な目で見られたらどうして くれるんだじゃあうちに戻ってくれば戻ら ねえよ連中に慰めてもらいつつやけ酒を 飲む翌日はビクビクしながら会社へ行った のだがおおみた君おはようおおはよう ございますおはようニった昨日は大丈夫 だったか俺の予想に反してみん普通に接し てくれだ何か事情があるんだろうけど日が 話してくれるまで聞かないでおこうって みんなで決めたんだそそうなのか私たちは 一生懸命真面目に働いている君を見てきた からな自分の目で見てきた君を信じると 決めたんだ部長は事情を知っているけれど 言いふらすなんてことはしなかったみんな の優しい言葉を聞き俺は思わず泣きそうに なったがにニたちょっといいか大岩さんに 呼び止められ嬉し涙がさっと引っ込んで しまった呼び出された会議室で大岩さんが ヘラヘラと笑いながら俺のご機嫌を伺う ような態度を見せるお前ってヤザの息子な のかいや知らなかったよまさかお前が そんな大物だったなんて別にヤザの息子は 大物ではないのだが彼の価値観ではそう いうことになっている らしい俺の名前知ってる前にも言ったけど この地元じゃちょっと名の知れた悪だった んだけどどうやら自分を売り込んで俺の懐 に入ろうとしているらしい俺を見下し馬鹿 にして俺を貶めようとしていたのに俺の 正体を知った途端にこれか呆れを通り越し てイライラしてしまうあんたみたいな小物 の名前は知らねえなえイライラしすぎて 思わず本音を口に出してしまい一瞬だけ しまったと思ったがこのままこの人と和解 して仲良しこしというのは気に入らない俺 は今までの仕返しに少しだけ脅してから 和解しようと決めたところで今までの 落とし前はどうつけてもらいましょうかね 俺ずっと我慢してたんですよあんたの応募 さにはなるべく怖く見えるような声と表情 で大岩さんに迫るすると彼はひひごめん なさいそう叫ぶと会議室から逃げるように 出て行ってしまった残された俺はあまりの 素早い体質に驚き呆然とつったったままに なってしまったするとその日から大岩さん は急に会社に来なくなりいつの間にか地表 を提出していた俺から報復されると本気で 思ってしまったらしいちょっと脅しただけ なのに悪いことしたな その後の彼の消息を知る人は誰もいない しかし大岩さんのことを嫌っていた営業部 の人間は多かったようで彼がいなくなって からは部署内の空気が明るくなった業績も アップしているし結果的にはこれで良かっ たのかなと思っている部長からは本当に 時期組長になるつもりはないのかと冗談 混じりで聞かれたので俺も笑顔で普通の サラリーマンとしてこの会社に骨をうめる 覚悟ですと答えたいつか周りに認められる 立派な社会人になれたら俺は最高に幸せだ その日を夢みて今日も精一杯仕事に励んで [音楽] いる俺たち一家はここ数年正体不明の果物 泥棒に手を焼い 夜間に俺たちの果物畑に何者かが侵入し 果物を盗んでいるようなのだ盗まれる量が とても多いわけでもなく被害も大したこと がなかったので俺たちは特に対策を取らず に果物泥棒を見逃してきただが年々盗ま れる量は増え続けついに耐えられなくなっ た俺たちは泥棒対策を講じるしかしその先 に待っていた結末は俺たち一の誰1人とし て予想だにしないものだっ た俺の名前は中野渡40歳大大果物農家を している家に生まれ育った俺は農業高校を 卒業後実家の果物栽培を手伝い始めた家族 経営で一応会社として果物を生産販売して いる父もまだ働いてくれてはいるが書面上 は俺が社長ということになっている高校の 同級生だった水希とは高校卒業後すぐに 結婚し以来うちの果物栽培を手伝ってくれ て いる俺と水希との間には1人息子のたるが いて昨年から大学進学のために状況した そんなわけで今は俺たち夫婦と両親とで この果物栽培を営んでいるのだうちの看板 商品は高級ブランドの桃や武道だ俺の住む 地域ははポンチで周りの農家さんもみんな 似たような果物を作っている方が多い10 年ほど前に販売が落ち始めたのをきっかけ に父と俺とでこのままではまずいと高級 品種の開発に取り組んだ目を出すのに5年 ほどかかったが徐々にブランドの名が知ら れるようになり今ではテレビで取り上げ られたり東京のデパートに置いてもらっ たり中には海外から買いつけに来て くださるお客さんまで出てきたりしている ほどの繁生ぶりだおかげでなんとか息子を 大学まで行かせることもできたわけで まさに高級桃と高級武道様様であるそんな 何もかも順調に見えた我が家だったが数年 前から奇妙なことが度々起こっていたうち の果物畑に度々泥棒が入っていたようなの だそれもどうやら動物ではなく人間の仕業 らしい動物であれば分かりやすく畑が 荒らされていたり果物の木に跡がついてい たりするので見ればすぐに分かるしかし 奇妙なことに俺たちの看板商品である高級 腿や高級ブドが人間の手でもぎ取られて いるようなのだブドなんかはまるでハサミ でも自賛してきたんじゃないかという ぐらい綺麗にふさごと盗まれていた初めて 気づいた時はショックで大量に盗まれたら どうしようかと怯えていたのだがその年は 結局数個しか盗まれた形跡がなかったので これくらいならいいかと思い目をつること にし たうちの周りには人なんてそそうたくさん 住んでいないし親の台から数年前まで こんなことは1度もなかったのでわざわざ 防犯カメラを設置することはしないでいい だろうということになったのだしかしその 翌年俺たちが何も対策をしなかったのを いいことに桃武道の時期が近づくと泥棒は 盗みに入ったようだったそのさらに翌年も 同じことは続き年を追うごとに盗まれる量 が増えていったそして去年はとうとう桃が 50個近くブドも50負ほど盗まれる事態 となりこれはさすがにまずいということで 俺たちは対策を講じることにした人間に よる窃盗だけではなく俺たちの住むエリア では山から降りてきたの被害も増えてきて いたそのこともあって俺たちは防犯カメラ に加えて私侵入禁止の看板も揃えることに した手痛い出費だったが大事な作物と ブランドを守るためには必要な経費だった それからしばらくは作物が盗まれることや 動物が入ってくることはなくなり俺たちは 安心していたとはいえせっかく防犯カメラ を設置したので俺は何が映っているの だろうかと気になってしまい時々防犯 カメラをチェックしていたするとある日の 映像に高級桃とブドの畑に設置した電気作 の辺りで深夜に男がうろうろしている様子 が映っていたのだ俺は気味が悪くなり思わ ずカメラの映像を止めて見るのをやめて しまったこの男が今まで俺たちの畑を 荒らしていたんだろうかだとしたら今も なお深夜に俺たちの畑に来て中に入ろうと 目論んでいるのだろうかでも防犯カメラを 設置してからは畑の中に入られた形跡は ないし果物に被害も出ていない家族に相談 しようかとも思ったが妻や父母に怖い思い をさせるのも嫌だった俺は誰にも言わず 黙っておくことにしたそうして半年ほどが 過ぎたある秋の日の夜俺たちが夕食を食べ ていると畑の方から大きな叫び声が聞こえ たそれは若い男の声のようだった俺たちの 家の周りには何もなく普段は静寂に包まれ ている突然の出来事に俺たちは顔を合わせ ていたが俺はたごではないと思い慌てて声 のした畑の方へ向かった高級もとブドの畑 の電気作のところへ着くと若い男が倒れて いた男にに声をかけるが反応はない首を 触ると脈はあって呼吸もあるようだ電気作 に触って感電したのだろうかいずれにして も万が一のことがあっては大変なので俺は 急いで妻に救急車を呼ぶように頼ん だ30分ほどして救急車が来たうちは田舎 なので救急車もそうすぐには来ない救急車 が来るまでの間俺たちは一家全員で倒れて いる彼のそばに立ち見守っていた救急車が 到着して俺は彼と一緒に救急車に乗り病院 まで付き添った病院へつき医者に見て もらったところ心配に異常はなく電気作の 電気ショックで一時的に失心してしまった のだろうとのことだった俺はひとまず彼が 無事だったことに一安心し妻に連絡をした 彼は念のため一晩入院し明日問題がなけれ ば家へ帰っても良いとのことだった俺は 翌日また病院へ来ることにして一旦家へ 帰ったそして翌日彼の様子を確認しに病院 へ行くと病室には彼の母親らしき人が来て いた彼は意識が戻ったようで普通に母親と 話している俺はほっとしながら彼の方に 近づき彼と母親に改めて挨拶をした彼から 昨日の経緯をどのように聞かされたのか 知らないが母親は俺が挨拶をするとあなた ね何平気な顔でお見舞いなんか来てるのよ 危うくうちの息子が死ぬところだったのよ まず謝るのが先でしょとものすごい勢いで 怒鳴りつけてきたのだ俺はその勢いに困惑 しながらもいやあのですね息子さんはこれ までに何度もうちの畑に入ろうとしてた みたいなんですよなんならこの数年ずっと うちの畑から果物を盗んでいたんではない とそれで今回もうちの電気作を超えて 入ろうとと改めて経緯を説明しようとした のだが泥棒の母は話をさえぎり何言ってる のよオタクの電気作がきちんと安全管理 できてなかったからうちの息子が出身して 危うく死にかけたんでしょうがもういい 障害罪で慰謝料を請求する覚悟しなさいよ と畳みかけてきた俺はこれはどうしようも ないと思い自分たちの置かれた状況がが 全く分かっていない泥棒とその母に冷静に 返答した何も知らないんですねいいですよ 訴えたいならそうしてくださいと言い一緒 に病院まで来てくれていた俺の従を中へ 招き入れた俺のいこは泥棒親子に釈すると 名刺を取り出し話を始めた初めまして私 こちらの中野渡のいこで弁護士の中野明と 申しますとまずが自己紹介をするとまさか 弁護士が来ると思っていなかった2人は 驚いた様子で口をあり開けているそれに 構うことなくいこは話を続けた今少しお話 を伺ってましたら中野さんが電気作の安全 管理をきちんとしていなかったとそう おっしゃるわけですねそうよだから障害罪 で訴えるって言ってるのよお話は分かり ましたしかし今回のケースですと中野さん を障害罪で立見されるのは難しいと思い ますよ中野さんの畑の電気作はきちんと 感電対策もしていたようですしでも現に 息子は出身しているのよ安全対策ができて いない証拠じゃないと泥棒の母が切れて いるところに俺は昨晩の防犯カメラの映像 を見せたそこには泥棒の彼がうちの電気作 を何か長い棒のようなもので叩きつけて 壊しさらには辺りを水浸しにして作を いわゆる漏電状態にする様子が写っていた 言葉を失う泥棒母をよそにいこはさらに話 を続けた今ご覧いただいた通り中野さんは 電気作に安全対策を施していたそれを あなたのお子さんが自ら壊しているんです さらに言えば中野さんの畑は私有地で敷地 の教会には立ち入り禁止の看板も出されて いましたお子さんはそれを無視して中へ 踏み入る電気作を壊したこれは犯罪法違反 及び物損害罪で中野さんがあなたのお子 さんを訴えるには十分な自由ですよそう俺 たちは電気作を設置する時今回のような ことが起こらないように電気事業法を守っ て感電対策を施してあるつまり感電作に 触れても1秒電流が流れると1秒止まる ようにできているのだそもそも俺たちの畑 に人や子供が入ってこないように教会のと にロープと看板を設置してあるにもかわら ずこの泥棒は昨晩に立ち入り禁止の看板を 超えて中に入り電気作は水浸しで漏電状態 にあった電気作の安全対策も機能しない 状態になり電気作に触れた彼は感電し出身 したというわけだ泥棒の母親は障害罪で俺 を訴えようとしたようだが俺が恋的に電気 作によって泥棒の彼を傷つけようとしたと 立証するのは難しいだろう電気策の事故の 場合障害罪というよりも民法17条の土地 作物責任を問われるケースもあるようだが 俺の場合電気事業法に沿って安全対策をし ていたし何より防犯カメラに電気作を壊す 彼の様子が写っているので訴えられるべき なのは俺ではなく彼の方だろう俺は彼を 病院に送り届けた後いこで弁護士の明へ 電話し助けを求め 最近のニュースで電気作の安全対策の不に よって人がなくなり作を設置した人が訴え られたという事件があったのを思い出し 不安になった俺は夜中ではあったが急遽 弁護士でいこのあに相談したのだことの 背景と今回の出来事をいこに話すと彼は 冷静に俺たちが訴えられる可能性が少ない ことむしろ泥棒の彼が犯罪法に触れること そして俺たちが設した電気作を壊したこと は物損海罪に当たることも教えてくれたの だったそしていによって追い詰められた 泥棒と泥棒の母は焦り出した母親への対応 が落ち着き改めて意識の戻った彼の顔を見 ているとふとどこかで見た顔のような気が してきたちょっと待ってくださいあなた どこかで会ったことないですかと俺が 切り出すと泥棒はぎょっとした顔をしたこ は何かあるのではないかと思い俺は慌てて 妻にビデオ電話をし彼の顔を見せてどこか で見覚えがないか尋ねたすると妻はああ もしかしてこの人ってそうだわ間違いない 数年前までうちによく配達してくれてた お兄さんじゃないのそれってもしかして そうすごい感じのいい人だったんだけど何 度かうちの玄関に置いてた時計とか金目の ものがなくなったことがあってもしかして 彼なんじゃないかって話してたじゃないで もほらいつからだったか配達の担当が彼 じゃなくて他の人になってと妻が一通り 話すと俺はそんな話があったことを 思い出した妻の方が家にいる時間が長いの で宅配の受け取りは妻に任せることが多い 確かに数年前うちの時計やらなんやらが 盗まれ宅配のお兄ちゃんの仕業ではないか という疑惑が出たことがあったのだまさか この彼が同一人物なんだろうか一連の妻と の会話を聞いていた泥棒の彼は青ざめた顔 をしてなんとその場から逃げ出そうとして いたこれはまずいと直感した俺はいこに 泥棒が逃げないよう見張ってもらいその場 で警察を呼んだ今回の電気作を壊した件 以外にもこれまでの果物泥棒とうちの金品 窃盗その他の余罪がかなりあるだろうと 思ったからだやがて警察が病院に到着し 早速簡単な事情聴取が始まった泥棒の母は 必死に息子をかおうとしていたが肝心の彼 は警察にかなり怯えた様子で意外にも簡単 に自分の犯した罪を白場し始めた話が長く なりそうなので詳しくは警察署で話を聞き ましょうということになり俺といこも連れ て警察署へ行くことになった警察署につく やいなや彼は泣きだしくしゃくしゃになっ た顔でこれまでした罪を語り出した泥棒の 彼はやはり数年前までうちに配達をしてき てくれていたお兄ちゃんだったそしてうち の高級果物を盗んだことさらにはうちの 玄関から金品を盗んでいたことも自白した 一見感じのいい人だったのになんでこんな ことをしたのだろうと思ったが後から彼の 事情を聞いた俺は何とも言えぬ悲しい 気持ちになった泥棒の彼は高校まで真面目 で成績優秀スポーツも万能でいわゆる学校 を代表する優等生だったそうだところが 大学受験に失敗浪人をしても希望の大学に 行けずそこから宅配便のバイトを始めたと いう厳格な父親はそんな息子に日々ばり 雑言を浴びせるようになり父に逆らえない 母は何も言えず彼はそんな家庭内の空気に けがさし家を出たそうだそれからという もの家族や友達とも連絡をことなく 1人暮らしを続けていたが思い描いていた 人生からどんどん遠ざかる自分が嫌になっ たバイトの宅配先の家で幸せそうな家族を 見るたび自分はこんな風に生きることは できないと思い幾度か窃盗を行ったのだ そうだその後彼はうちだけでなく他の家で の金品の窃盗畑への侵入及び作物の窃盗 などが明らかになり起訴された泥棒の母は 自分の息子に限ってそんなはずがないんだ 信じてくれとわめいていたそうだが肝心の 息子があっさりと自白したのでもはやどう にもならない状態だったらしい泥棒の父は と言うと息子にはがっかりしたもう自分の 息子ではないと言って絶縁宣言面会にすら 1度も現れなかったのだという俺からすれ ば彼はまだ若いしこれからいよにでも人生 を変えられるというのになんでこんな為に てしまったのか残念で悲しい気持ちになっ た元々は優等生で心優しい若者が少しの つづきと家庭内の圧力から道を踏み外して しまうということはどんな全人であっても いつ何が起こってもおかしくないのだと いうことを思い知らせてくれた我が家には 平穏が戻り果物たちが盗まれる心配も なくなったことは良かったが泥棒の彼の 真中を思うとどこかいまれない思いになる 自分も せめて状況したばかりの自分の息子には どんなことがあっても否定せず味方でいて あげよう今回の事件で俺は改めてそう思っ たのだった
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