太宰治著【朗読　走れメロス】　ナレーター七味春五郎　発行元丸竹書房

April 2024
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太宰治著【朗読　走れメロス】　ナレーター七味春五郎　発行元丸竹書房

ダザイおさむ走れメロスメロスは激怒した必ずかの邪暴虐の王を覗かなければならぬと決意したメロスには政治が分からぬメロスは村の牧人である笛を吹き羊と遊んで暮らしてきたけれども邪悪に対しては人一倍に敏感であった今日未名メロスは村を出発し脳子へ山子へじり離れたこのシラクスの町にやってきたメロスには父も母もない女房もない16の内気な妹と2人暮らしだこの妹は村のある律儀な一木人を近々花子として迎えることになっていた結婚式も魔なのであるメロスはれえ花嫁の衣装やら祝園のご馳走やらを買いにはるばる町にやってきたのだまずそのシジを買い集めそれから都の王子をブラブラ歩いたメロスには千葉の友があったセリヌンティオスである今はこのシラクスの町で石こをしているその友これから訪ねてみるつもりなのだ久しく会わなかったのだから訪ねて行くのが楽しみである歩いているうちにメロスは町の様子を怪しく思ったひっそりしているもうすでに紐落ちて街の暗いのは当たり前だがけれどもなんだか夜のせいばかりではなく町全体がやけに寂しい呑気なメロスもだんだん不安になってきた道であった若い州を捕まえて何かあったのか2年前にこの町に来た時は夜でも皆が歌を歌って町は賑やかであったはずだがと質問した若い主は首を振って答えなかったしばらく歩いて牢屋に会い今度はもっとごを強くして質問した牢屋は答えなかったメロスは両手で牢屋の体をゆって質問を重ねた牢屋は辺りをはかる低声でわずか答えた王様は人を殺しますなぜ殺すのだ悪心を抱いているというのですが誰もそんな悪心を持ってはおりませんたくさんの人を殺したのかはい初めは王様の妹子様をそれからご自身の親次をそれから妹様をそれから妹様のお子様をそれから郷様をそれから剣身の晴れ様を驚いた国王は乱心かいえ乱心ではございません人を信ずることができぬというのですこの頃は進化の心をもお疑いになり少しく派手な暮らしをしているものには人質1人ずつ差し出すことを命じておりご命令をこまめば十字架にかけられて殺されます今日は6人殺されました聞いてメロスは激怒したはれただ生かしておけぬメロスは単純な男であった買い物を背負ったままでのの応に入っていった立ち彼はの経理に捕獲された調べられてメロスの懐中からは探検が出てきたので騒ぎが大きくなってしまったベロスは王の前に引き出されたこの担当で何をするつもりであったかええ某君リオニスは静かにけれども異言を持って問い詰めたその王の顔は蒼白で眉間のは刻み込まれたようにかかった待ちよ僕のてから救うのだとメロスは悪びれずに答えたお前がか王は敏勝した仕方のない奴じゃお前にはわしの孤独が分からぬ言うなとメロスはいきり立って反した人の心を疑うのは最もはずべき悪徳だ王は民のをえ疑っておられる疑うのが政党の心構えなのだとわしに教えてくれたのはお前たちだ人の心は果てにならない人間は元々主翼の塊りさ信じてはならぬ某君は落ち着いてつきほっとため息をついたわしだって平和を望んいるのだが何のための平和だ自分の地位を守るためか今度はメロスが長承した罪のない人を殺して何が平和だ黙れ下間のもの王はさっと顔をあげて報いた口ではどんな清らかなことでも言えるわしには人の腹の奥が見えしいてならぬお前だって今に張り付けになってから大手びたって聞かぬぞはあ大ありこだうれているが良い私はちゃんと死ぬる覚悟でいるのに命乞いなど決してしないただと言いかけてメロスは足元に視線を落とし瞬ためらいただ私に情けをかけたいつもりならまでに3日間の日を与えてくださいたった1人の妹に亭主を持たせてやりたいのです3日のうちに私は村で結婚式をあげさせ必ずここへ帰ってきますバカなと某君は仕上がれた声で低く笑ったとんでもない嘘を言うわ逃したこりが帰ってくるというのかそうです帰ってくるのですメロスは必死で言い張った私は約束を守ります私は3日間だけ許してください妹が私の帰りを待っていのだそんなに私を信じられないならばよろしいこの町にセルヌンティウスという石こがおります私の無理の友人だあれを人質としてここに置いていこう私が逃げてしまってで3日目の日暮れまでここに帰ってこなかったらあの用人をしめしてください頼むそうしてくださいそれを聞いて王は残虐な気持ちでそっと北えんだ長生きなことを言わどうせ帰ってこないに決まっているこの嘘つきに騙されたふりをして話してやるのも面白いそして身代わりの男を3日目に殺してやるのも君がいい人はこれだから信じられぬとわしは悲しい顔してその身代わりの男を処刑に処してやるのだ世の中の正直者とかいうやばにうんと見せつけてやりたいものさ願いを聞いたその身代わりを呼ぶがよい 3日目には日没までに帰ってこい遅れたらその身代わりをきからすぞちょっと遅れてくるがいいお前の罪は永遠に許してやろうぞ何何をおっしゃる命が大事だったら遅れてこいお前の心は分かっているぞメロスは口惜しく時短だふんだ物も言いたくなくなったちばのとセリヌンティウスは深夜王城に召された暴君リオニスの面前でよき友とよき友は2年ぶりで愛をたメロスは友に一切の事情を語ったセリヌンティウスは無言で頷きメロスを必死と抱きしめた友と友の間はそれでよかったセリヌンティウスは名は打たれたメロスはすぐに出発した初夏満点の星であるメロスはそのよ一睡もせずじの道を急ぎに急いで村へ到着したのはある日の午前日はすでに高く登って村人たちは野に出て仕事を始めていたメロスの16の妹も今日は兄の代わりに将軍の番をしていためえて歩いてくる兄の配の姿を見つけて驚いたそうしてうるさく兄に質問を浴びせたなんでもないメロスは無理に笑おうと務めた町に用事を残してきたまたすぐ町に行かなければならぬ明日お前の結婚式をあげる早い方がよかろう妹は頬をあめた嬉しいか綺麗な衣装も買ってきたさあこれから行って村の人たちに知らせてこい結婚式は明日だとメロスはまたよろよろと歩き出しうへ帰って神々の裁断を飾り祝園の席を整えまもなく床に倒れ伏し呼吸もせぬくらいの深い眠りに落ちてしまった目が覚めたのは夜だったメロスは起きてすぐ花の家を訪れたそうして少し事情があるから結婚式を明日にしてくれと頼んだ向この牧人は驚きそれはいけないこちらにはまだ何の支度もできていない武道の季節まで待ってくれと答えたメロスは待つことはできぬどうか明にしてくれたまえとさらに押して頼んだ向この牧人も頑強であったなかなか承諾してくれないよけまで議論を続けてやっとどうにか向こをなめすかして解せた結婚式は真昼に行われた新郎神父の神々への先生が住んだ頃国運が空を覆いぽつりぽつり雨が降り出しやがて社畜を流すような大雨となった祝園に列席していた村人たちは何か不吉なものを感じたがそれでも明々気持ちを引き立て狭い家の中でむんむん蒸し暑いのもこらえ陽気に歌を歌い手を打ったメロスも満面に気色を称えしばらくはオトのあの約束をさえ忘れていた祝園は夜に入っていよいよ乱れ華やかになり人々は外の豪雨を全く気にしなくなったメロスは一生このままここにいたいと思ったこの良い人たちと生涯暮らしていきたいと願ったが今は自分の体で自分のものではないままならぬことであるメロスは我が身に鞭打ちついに出発を決意した明日の日没までにはまだ十分の時があるちょっと一眠りしてそれからすぐに出発しようと考えたその頃には雨も小ぶりになっていよ少しでも長くこの家にぐずぐずとまっていたかったメロスほどの男にもやはり未練の情というものはあるこい呆然換気に酔っているらしい花嫁に近寄りおめでとう私は疲れてしまったからちょっとごめんこって眠りたい目が覚めたらすぐに町に出かける大切な用事があるのだ私がいなくてももうお前には優しい亭主があるのだから決して寂しいことはないお前の兄の1番嫌いなものは人を疑うこととそれから嘘をつくことだお前もそれは知っているね亭主との間にどんな水でも作ってはならぬお前に言いたいのはそれだけだお前の兄は多分偉い男なのだからお前もその誇りを持っていろ花嫁は夢見心地で頷いたメロスはそれから花の肩を叩いて度のないのはお互い様さ私の家にもと言っては妹とだけだ他には何もない全部あげようもう1つメロスの弟になったことを誇ってくれはむ子はもれして照れていたメロスは笑って村人たちにも釈して遠石から立ち去り羊小屋に潜り込んで死んだように深く眠った目が覚めたのはある日の白明の頃であるメロスは羽起きなさん寝過ごしたかいやまだまだ大丈夫これからすぐに出発すれば約束の国元までには十分間に合う今日は是非ともあの王に人の真実の存するところを見せてやろうそして笑って張り付けの台に登ってやるメロスは悠々とみくを始めた雨も分りなっている様子であるみくはできたさてメロスはブルンと両腕を大きく振って宇宙矢のごとく走り出た私はこい殺される殺されるために走るのだ身代わりの友を救うために走るのだ王の甘寧蛇を打ち破るために走るのだ走らなければならぬそして私は殺される若い時から名誉を守れさらば [音楽] ふさ若いメロスは辛かったいくたびか立ち止まりそうになったえいえいと大声あげて地震を叱りながら走った村を出て脳を横切り森をくぐり抜け隣村に着いた頃には雨も病み日は高く登ってそろそろ暑くなってき来たメロスは額の汗を拳で払いここまで来れば大丈夫もはや故郷への未練はない妹たちはきっと良い夫婦になるだろう私には今何の気がかりもないはずだまっすぐに王城に行きつけばそれで良いのだそんなに急ぐ必要もないゆっくり歩こうと持ち前の呑気さを取り返し好きな小歌をいい子で歌い出したブラブラ歩いて2里行き3里行きそろそろ全離の半場に到達した頃降って湧いた災難メロスの足は旗と止まった見よ前方の川を昨日の豪雨で山の水源地は判断し濁流等々と下流につりもせ一挙に橋を破壊し堂々と響きを上げる激流がこっぱみじんに橋桁を跳ね飛ばしていた彼は呆然と立ちつくしと眺めまししまた声を限りに呼び立ててみたが軽舟は残らず波にさらわれて影なく私森の姿も見えない流れはいよいよ膨れ上がり海のようになっているメロスは川岸にうまり男泣きに泣きながらゼウスに手をあげて愛願したあ沈めたまえあれ狂う流れを時は刻々に過ぎていきます太陽もすでにまひる時です晴れが沈んでしまわぬうちに王城に行きつくことができなかったら歯のいい友達が私のために死ぬのです濁流はメロスの叫びをせせら笑うごとくますます激しく踊りくる波は波を飲み巻き煽り立てる刻一刻と消えていく今はメロスも覚悟した泳ぎ切るより他にないああ神々も将来あれ濁流にも負けぬ愛と誠の偉大な力を今こそ発揮してみせるメロスは残部と流れに飛び込み100匹の大蛇のようにのたうち荒れくる波を相手に必死の逃走を開始した慢心の力を腕に込めて押し寄せ渦巻き引きずる流れを何のこれ式とかき分けかき分けめくらめっぽ死し軍人の人の子の姿には神も哀れと思ったがついにレピを垂れてくれた押し流されれつつも見事対岸の樹木のミにすがりつくことができたのであるありがたいメロスは馬のように大きな道部類を1つしてすぐにまた先を急いだ一時といえども無駄にはできない日はすでに西に傾きかけているゼゼ荒い呼吸をしながら峠を登り登り切ってほっとした時突然目の前に一体の山族が踊り出た待て何をすんのだ私は日の沈まぬうちに王城へ行かなければならぬ離せどっこい話さぬ持ち物全部を置いていけ私には命の他には何もないそのたった1つの命もこれから王にくれてやるのだその命が欲しいのださては王の命令でここで私を待ち伏せしていたのだな山賊たちは物も言わず一斉にコボを振り上げたメロスはひょいと体を折り曲げ重のごとく意の1人に襲いその棒を奪い取って木の毒だが正義のためだと猛然一撃立ちまち3人を殴り倒し残る者のひ隙にさっさと走って峠を下った一気に峠を駆け降りたがさすがに疲労しおりから午後の灼熱の太陽がまともにかっとてってきてメロスは幾度となくめいを感じこれではならぬと取り直してはよろよろ2散歩歩いてついにがくりと膝を追った立ち上がることができんのだ天を青いで悔しなきに泣き出したあああ濁流を泳ぎきり山賊を3人も打ち倒し打点ここまで突破してきたメロスよ真の勇者メロスよ今ここでつりきって動けなくなるとは情けな愛するとはお前を信じたばかりにやがて殺されなければならぬお前は期待の不審の人間まさしく王の思う壺だぞと自分を叱ってみるのだが全身萎えてもはや芋虫ほどにも全身かわる土房の草原にごろりと寝転がった身体疲労すれば精神も共にやられるもうどうでもいいという勇者に不なふてくされた根性が心の隅に救った私はこれほど努力したのだ約束を破る心はみもなかった神もしら私は精一杯に勤めてきたのだ動けなくなるまで走ってきたのだ私は不審のとではないあできることなら私の胸をちって真の心臓をおにかけたいと真実の血液だけで動いているこの心臓を見せてやりたいけれども私はこの大事な時にせも根も尽きたのだ私はよくよく不幸な男だ私の一家も笑われる私はとを欺いた中途で倒れるのは初めから何もしないのと同じことだああもうどうでもいいこれが私の決まった運命なのかもしれないセリヌンティウスよ許してくれ君はいつでも私を信じた私も君を欺かなかった私たちは本当に良い友と友であったのだ1度だっって暗い気運の雲をお互い胸に宿したことはなかった今だって君は私を無心に待っているだろうああ待っているだろうありがとうセリヌンティウスよくも私を信じてくれたそれを思えばたまらない友と友の間の真実はこの世で一番誇るべき宝なのだからなセリヌンティウス私は走ったのだ君を欺くつもりは美人もなかった信じてくれ私は急ぎに急いでここまで来たのだ濁流を突破した山賊の囲みからもするりと抜けてで一気に峠を駆け降りてきたのだ私だからできたのだよああこの上私に望みたうな放っておいてくれどうでもいいのだ私は負けたのだならしがない笑ってくれ王は私にちょっと遅れてこいと耳打ちした遅れたら身代わりを殺して私を助けてくれると約束した私は王の卑劣を憎んだけれども今になってみると私は王の言うままになっている私は遅れていくだろう王は1人点して私を笑いそうしてこともなく私を方面するだろうそうなったら私は死ぬより辛い私はえに裏切り者だ地上で最も不明誉の人種だセリヌンテよ私も死ぬぞ君と一緒に死なせてくれ君だけは私を信じてくれるに違いないいやそれも私の1人よがりかあもういそ悪徳者として生き延びてやろうか村には私の家がある羊もいる妹夫婦はまさか私を村から追い出すようなことはしないだろう正義だの真実だの愛だの考えてみればくだらない人を殺して自分が生きるそれが人間世界の情報ではなかったかああ何もかもバカバカしい私は見にくい裏切り者だどうとも勝手にするが良いやぬるかな獅子を投げ出してうとうとまんでしまった太耳に先々水の流れる音が聞こえたそっと頭をもたげ息を飲んで耳をすましたすぐ足元で水が流れているらしいよろよろ起き上がって見ると岩の叫からコンコンと何か小さくさきながら清水が湧き出ているのであるその泉に吸い込まれるようにメロスは身をかめた水を両手で救って一口飲んだほおと長いため息が出て夢から覚めたような気がした歩ける行こう肉体の疲労回復と共にわずかながら希望が生まれた義務水行の希望である我が身を殺して名を守る希望である社用は赤い光を木々の歯に投じ歯も枝も燃えるばかりに輝いている日没までにはまだ間がある私を待っている人があるのだ少しも疑わず静かに期待してくれている人があるのだ私は信じられている私の命なぞは問題ではない死んで詫びなどと気のいいことは言っておられぬ私は信頼に報いなければならぬ今はただその一時だ走れメロス私は信頼されている私は信頼されている戦国のあの悪魔のさきはあれは夢だ悪い夢だ忘れてしまえごが疲れている時はふいとあんな悪い夢を見るものだメロスお前の恥ではないやはりお前は真の勇者だ再び立って走れるようになったではないかありがたい私は正義の死として死ぬことができるぞああ日沈むずずん沈む待ってくれゼウよ私は生まれた時から正直な男であった正直な男のままにして死なせてくださいゆく人を押しのけ跳ね飛ばしメロスは黒い風のように走った野原で主演のその遠石のまった顔を駆け抜け主演の人たちをささせ犬を蹴飛ばし小川を飛び越え少しずつ沈んでいく太陽の10倍も早く走った一段の旅人とさっとすれ違った瞬間不吉な会話を小耳に挟んだ今頃はあの男も張り付けにかかっているよああその男その男のために私は今こんなに走っているのだその男を死なすては急げメロス遅れてはならぬ愛と誠の力を今こそ知らせてやるがよい風なんかはどうでもいいメロスは今はほとんど全裸隊であった呼吸もできず2度3度口から血が吹き出た見えるはるか向こうに小さくシラクスの町の灯ろが見える灯ろは夕日を受けてキラキラ光っているああメロス様うめくような声が風と共に聞こえた誰だメロスは走りながら訪ねたフィロストラトスでございますあなたのお友達セリヌンティウス様の弟子でございますその若い石もメロスの後について走りながら叫んだもうダメでございます無駄でございます走るのはやめてくださいもうあの方をお助けになることはできませんいやまだ日は沈まぬちょうど今あの方が死刑になるところですはあなたは遅かったお恨み申しますほんの少しもうちょっとでも早かったならいやまだ日は沈まぬベロスは胸の張り裂ける思いで赤く大きい夕日ばかりを見つめていたるより他はないやめてください走るのはやめてください今はご自分の命が大事ですあの方はあなたを信じておりました競馬に引き出されても平気でいました王様が散々あの方をからかってもメロスは来ますとだけ答え強い信念を持ち続けている様子でございましたそれだから走るのだ信じられているから走るのだ間に合う間に合うのは問題ではないのだ人の命も問題ではないのだ私はなんだかもっと恐ろしく大きいもののために走っているのだついてこいフィロストラトスはあなたは気が狂ったかそれではうんと走るがいいひょっとしたら間に合わぬものでもない走るがいいユニは及ぶまだ日は沈まぬ最後の視力を尽くしてメロスは走ったメロスの頭は空っぽだ何1ついないただわけのわからぬ大きな力に引きずられて走った日ゆらゆら兵戦に没しまさに最後の一辺の残光も消えようとした時メロスは疾風のごとく競馬に突入した間に合った待てその人殺してはならぬメロスが帰ってきた約束の通り今帰ってきたと大声で競馬の群衆に向かって叫つりであったが喉が潰れてしれた声がかかに出たばかり群衆は 1人として彼の到着に気がつかないすでに張り付けの柱が高タカと立てられ縄を打たれたセリヌンティウスは徐々に吊り上げられていくメロスはそれを目撃して最後の勇戦国濁流を泳いだように群衆をかき分けかき分け私だケリ殺されるのは私だだ彼を人質にした私はここにいるとかれた声で精一杯に叫びながらついに張り付け台に登り釣り上げられていく友の両足にかじりついた群衆はドメたあっぱれ許せと口口にわめいたセリヌンティウスの縄は驚かれたのであるセリヌンティウスメロスは目に涙を浮かべてで言った私を殴れ力いっぱいに頬を殴れ私は途中で1度悪い夢を見た君がもし私を殴ってくれなかったら私は君と包容する資格さえないのだ殴れセルンティウスは全てを察した様子で頷き競馬いっぱいに鳴り響くほど音たかくメロスの右方を殴った殴ってから優しく微笑みメロス私を殴れ同じくらい音高く私の方を殴れ私はこの3日の間たった1度だけちらと君を疑った生まれて初めて君を疑った君が私を殴ってくれなければ私は君と包容できないメロスは腕に唸りをつけてセリヌンティウスの方を殴ったありがとうとよ2人同時に言いひしと抱き合いそれから嬉し泣きにおいおい声を放って泣いた群衆の中からも虚の声が聞こえた某君リオニスは群衆の背後から2人の様をまじまじと見つめていたがやがて静かに 2人に近づき顔をあめてこ行ったお前の望みはかなったぞお前らはわしの心に勝ったのだ真実とは決して空虚な妄想ではなかったどうかわしをも仲間に入れてくれまいかどうかわしの願いを聞き入れてお前らの仲間の1人にしてほしいどっと群衆の間に完成が起こった万歳王様 [音楽] 万歳1人の少女が日のマトをメロスに捧げたメロスは孫ついたよき友は気を聞かせて教えてやったメロス君は真っ裸じゃないか早くそのマンとを着るがいいこの可愛い娘さんはメロスの体を皆に見られるのがたまらなく口惜しいのだ勇者はひどく赤面した

太宰治中期の作品。「無頼派」「新戯作派」といった破滅型作家の代表的な、昭和初期の文豪。人間失格もメンバーシップで公開中！はいってね(^_^)

　友情と信頼を主軸に、人の弱さ脆さからくる葛藤をユーモアをまじえて描ききった日本文学の傑作短編。

■登場人物
メロス……主人公。村の羊飼い。妹と二人暮らし。
セリヌンティウス……メロスの竹馬の友。シラクスで石工をして暮らしている。
ディオニス……シラクスの王。
妹……メロスの妹。16歳。結婚を控えている。
花婿……メロスの妹の結婚相手。
山賊……王が差し向けた刺客。
フィロストラトス……セリヌンティウスの弟子。

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○山本周五郎の朗読動画再生リスト
■長篇・中篇

■明和絵暦
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■むかしも今も／柳橋物語

■日本婦道記

■正雪記

■ながい坂

■青ベか物語

※他多数

■銭形平次捕物控　作品リスト
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■銭形平次の長篇集はこちら！

■吉川英治のAudioBookです。
★鳴門秘帖　読了いたしました。　
『一、上方の巻』朗読まとめはこちらから(１〜５幕分です)

『二、江戸の巻』朗読まとめ↓

『三、木曾の巻』朗読まとめ↓
https://youtu.be/3kB8HFMq2bo
『四、船路の巻朗読まとめ』↓

『五、剣山の巻朗読まとめ』↓

『六、鳴門の巻』朗読まとめ！