『ドライブ・マイ・カー』前編・正しく傷つくこととは?【ネタバレあり】【心理学的考察】

[音楽]
はいどうもペンギンです今回心理学的考察
を行う映画はドライブマイカー村上はき
原作浜口龍介監督2021年の作品で
ございます現代の巨匠浜口龍介通称浜の
代表作です村上春樹の短編を映画化自分
から逃げていた主人公家福が自分と
向き合う物語ですえよく言われる単純に妻
の喪失を癒す物語というよりもむしろ喪失
をきちと受け入れるまでのプロセスを描い
た話と言えます自分と迎え合い避けていた
怒りや後悔を情緒を持って語れてこそ
ちゃんと悲しめのですがその経緯が
たっぷりと綿密に死ぬほどこく描かれてい
ます日本映画において文芸タイプの歴史的
大傑作は10年ごとくらいに登場してます
0年代初期に青山慎二のゆ10年代初期に
霧島部活やめるってよそして20年代初期
にこのドライブマイですつまり歴史的な
レベルの特別な作品と言えますなので
とにかく濃密です今回は核の部分である家
FAMが何から逃れていてどのように変容
したのかそしてその鍵となるキャラみさと
高槻について考察しますその前に浜作品に
おいて非常によく描かれるテーマについて
も考察します分かりづらい映画ではないと
思うんですが何をテーマにして描こうとし
てるか把握してから見た方がスカッと
受け止めやく深く感じることができるので
はないかと思いますえ今回のペンギン考察
は序論浜口竜介が繰り返し描くテーマ通称
浜テーマについてそして家と音2人の間に
起きたことについてそして高槻とみさに
ついて家はどのように自分と向き合えたか
ドライブマイカーはとにかくこい作品ゆに
今回ペンギン動画は2回に分けて考察し
ます本編と延長戦回は本編に当たります
本作の重要なモチーフであるワーニャおじ
さんや映像における象徴表現等は次回の
延長戦で考察します今回もネタバレです
そしてこの考察は絶対なものではないです
特にこのような複雑で濃密な作品は様々な
解釈が可能なのでむしろペンギン考察以外
の解釈をチェキするのもお勧めでござい
ますスカッとあす行く前に今回は浜口龍介
作品のテーマについてドライブマイカー
序論をやっておき
ますでは序論浜テーマについて説明します
浜口龍介はこれまで同じテーマを繰り返し
描いてますペンギンが命名した浜4台傑作
パッション親密さハッピーアワードライブ
マイカーこの4作品は基本同じテーマです
その内容とは他者理解他者との深い繋がり
を求めることそのためには自己理解が
不可欠で目をそらしていた自分の問題と
厳しく向かい合うこれがテーマになって
おりますなので他者理解のために自己理解
をしていく他者との繋がりを求めることが
確信のテーマになってくるのかなという風
に感じます人間誰しも心の奥底に意識でき
ない様々なものを抱えてますその中に本当
は解決しないと前に進めない問題というの
もありますこのような問題は向い合うのが
しんどいので目をそらしやすいです
ごまかしてなかったことにしやすい特に
関係性の中にある問題だと2人でその問題
と向い合って対話しないと関係が前に進ま
ず崩壊していきますこれは愛し合う関係で
も余裕で起きることです愛があっても迎え
合わないでごまかしていると関係が崩壊
するそのためにまず自分自身がごまかして
いる奥底の問題と向い合って自分が何から
逃げているのか理解する必要があります
これができないと関係性の中の問題解決の
一歩は踏み出せませんつまり理解し合う
ことはできないんですどちらかが一歩
踏み出すともう1人も迎え合う方向に行く
ことも多いです一方でやっぱりダメで相手
が迎えずに脱落することもありますその
場合は向い合った側がレベルアップします
自然と愛が覚めてよりふさわしい相手と
出会っていくみたいなパターンが多いかな
という風に感じてます
映画だと大抵は向かい合いが描かれるん
ですが一歩が逃げるパターンというのも
たまに出てきます恒は愛がなんだの高子
ですねあれほど相手の守が自分と向き合っ
て本当の気持ちを伝えたのにすごい
テクニカルに逃げたんですよねじゃあ守の
向かい合いは無意味だっったかというと
違ってちゃんと守のレベルにあった他者と
やがて理解し合えるという風に言えるかな
と思いますただ愛がなんだの中ではその
ことまでは描かれてはいませんがこの浜
テーマは是非抑えておいて欲しいです
しかもこれはおそらく全人類に共通する
法則です生きる上でこれを認識しておく
ことはむしろ重要で浜口龍介は関係性に
おいて最重要なことを描いていると言え
ますというわけでここからスカットあらす
行ってみ
ましょう舞台俳優は妻で脚本家の音と2人
暮らし2人の間には子供がいましたが
小さい頃に亡くなりその後2人目を作る
ことなく20年近く経過して現在に至り
ます妻夫は元々女優でしたが子供をなくし
てしばらく立って脚本家に転校しています
ある日ウラジオストクの映画祭に呼ばれた
家福だったがカパの影響で飛行機が飛ばず
家に戻りますすると妻が男と浮気してい
ました家は音に気づかれのようそっとその
場を立ち去りますその後音は家に大切な話
がある帰ってきたら話をしようと告げる
ここまでが序盤のあす
ですでは主人公家福とその妻音について
考察していきますまずは家福について舞台
俳優脚本化様々な言葉を駆した舞台をやる
のがライフワークのまアーティストです弟
とはラブラブ一方で20年前に子供を4歳
でなくしていますダンディな池内で人柄
もこで悪くないです妻夫のことを思いやる
優しさもありますなので音との関係は悪く
ないように見えますあと左目が緑内障初期
で治療中ですでカフの妻夫なんですが彼女
は元女優で現在は脚本家です彼女は結構
トリッキーな脚本を書く人ですでその書き
方というのがセックス中に脚本が降りて
くるそれを家がメモる朝になると音は内容
を忘れるこういう書き方をしております
この設定すごすぎますよねまさに恐れゆり
矢の騎士母神ごましもびっくりですね音の
脚本スタイルはもシャーマン的な感じで
この内容は何を意味してるかと言うと心の
奥底にあるものがトリッキーな内容として
で表出されているんですすなわちこの内容
は有名なんですね以下オの脚本内容は有名
という風に表現しますえ音の夢の解析は
後ほどやってきます仲良し夫婦なんですが
実は音は浮気してます脚本演じた俳優と
毎回浮気していた様子です直近の相手は
高槻という若い俳優でしたそれを家は
ひっそりと目撃しますしかしそれは音には
伝えていません音の浮気と家福がそれを
伝えないことが2人の問題なんです後述
する音の夢にもそのテーマが認められます
一方で音が浮気に至る断絶は元々ありまし
たつまり2人の間で互いに本当のことを
話せていないある問題が存在しています
それは子供についてです2人は20年前に
子供女の子をなくしてますまだ4歳だった
そうです家が音に2人目について問われた
時君が望まないものを望んでもしょうが
ないと答えますこれは大事な問から家は
逃げているという風に言えます浜テーマ
から考えると2人の間で真に向き合わ
なければいけない問題がこの子供について
なのだと言えますこの問は2人において
最も重要なものです音はこのことを話し
たいしかし家は逃げる欲しいのか否か
欲しかったのか自分はどうしたいかを語り
ませんあある意味2人目を作らない
もしくは作らなかったのは音が望まない
からと責任を音に押し付けている嫌があり
ます家福はずるいんですよねそして音も
この家の逃げを詰めないです神剣に話し
たいとかガチでいけないこの2人がこの
問題から目をそらしているのはある意味愛
ゆというか現状の幸福な関係を壊したく
ない表面的にはうまくいってるから波風を
立てたくないかと言えますしかしいつか
やらなければいけませんむしろ関係を維持
するために勇気を出さないといけない表面
は幸福ですが水面下では負が浸食してい
ますそれが音の浮気であり夢の内容でも
あります音の夢これは前半なんですけれど
も前世が高きな八つ目ウナギ寄生しない
八目ウナギですねの少女が好きな男子の
部屋に繰り返し忍び込むで男子のものを
盗み代わりに自分のものを置いていくこれ
は下着等性的なものです男子のベッドで
オナニーを死体が禁じているしかし前世の
時間が止まったような記憶が蘇りついに
オナにしてしまうその時誰かが帰ってくる
これで止められる前世の因果から抜け
られる新しい自分になると思うこれを分析
すると少女はオですで八つ目ウナの
イメージなんだけど規制しないがゆえに
絶対的な孤独を感じていると言えますだ
から後期なんですよ音はほこり高い人なの
で家福にべたっと依存はしたくないです
川底で時間が止まったような感じというの
はこれは子供を失ってその悲しみから動け
ない家福とそのことを話し合えないからと
いう風に言えますでオナには浮気で孤独に
耐えられず浮気してしまいそれがバレそう
だ性的なものを置いていくということは
むしろ浮気を分かってくれという思いも
強い音は間違いなく家が浮気を知っている
と分かってますバレて欲しいのは浮気が
バレることで守るものすなわち表面的な
幸福がなくなるため本当のことが話せると
感じているからですそしてこの夢トランス
状態の独白ですねこれを聞いた家福は愕然
としたツで翌日覚えてないと知を切ります
なので家福もこれが現状表面的な幸福を
破壊する夢というに直感しているという風
に考えられますこれを浜テーマに
当てはめると音は自分と迎い合う準備が
できていて本当のことを話そうと決意して
いるこれ自己理解が進み他者理解モードに
なっているで家は本当のことを話し合う
ことを恐れて逃げたこれ自己理解を下げて
いるという風に言えます音の中でなぜ自己
理解が進んだかと言うと夢を語り夢を生き
たからなんですこのロジックはちょっと
長くなるので割愛しますとりあえずそう
いうものだというに受け止めてほしいです
音は本当のことを話す準備ができたから
今回は逃さず詰めます大事な話があると
ガチ勝負に出たんですしかしガチ対話が
なされる直前で音は休止してしまいます
しかも後半語られるんですが核は大事な話
にビビってよもないのに車を走らせていた
結果音の発見が送れましたこれはきつい
ですよね核にとっての音の喪失は
パートナーの喪失以上の苦しみが生まれた
んじゃないかなっていう風に考えられます
家福の後悔とは自分のせいで音を助けられ
なかった音と向かい合わなかった自分が
表面的な穏やかな生活を守るために大事な
ことから逃げてしまった後悔その結果最愛
のパートナーと深く繋がることが永遠に
できなくなってしまったこれが家の心の
深層部分に存在する効果と言えますそして
家の時間は止まります今度は家福が後期な
八つウナのように川底の石に孤独に
へばりつくことになりましたここまでが
序盤です後半は俳優高槻との再開により家
は自分の逃げている部分を突きつけられて
いきますそしてドライバーみさと出会う
ことで家は少しずつ自分と向き合い始め
ますここまで見てくださってありがとう
ございますよろしばいいねボタンと
チャンネル登録通称ペンギンの餌ポチリと
お願いいたし
ますでは後半のあす行ってみましょう音の
7から2年後広島でチェーホフの局
ワーニャおじさんの舞台があり家は総監督
として勝平されますこの舞台の監督は車の
運転を禁じられているため科目な女性
ドライバーが家の車を運転することになり
ましためは上っていた家でしたがみさの
スムーズな運転に簡単しみさを認めます
舞台のオーディションを開始すると音と
浮気していたと思われる若い俳優高槻が
現れますそして家は高槻を年齢にそわ
ワーニャ役に抜擢するという後半の
ストーリーになります後半というかここ
からがドライブマイカーなんですけどね
タイトルが出てくるのが2年後のパートに
切り替わったところなの
で後半は家福が逃げていることとどう
向かい合うかが課題となります逃げている
ことが何かは本編のラストでしっかり考察
しますでは鍵となる2人のうちの1人俳優
高槻を考察します音の浮気相手でワーニャ
役の俳優です衝動的に暴力を振るうような
自己コントロールができない人間ですが
正直に振る舞うことができます
家が逃げてることを突きつける浄化的な
存在です高槻はやばい感じの人ですが偽り
なく生きてる人でもあります自分を偽って
いる家福とは真逆の存在と言えます
コントロールはできないけれども彼は相手
に自分を差し出せると劇中で表されてい
ますすなわち家福ができないことをできる
人と言えるでしょうつまり高槻は家福の
生きていないもう1人の自分と言えるかな
と思いますすなわち
月は家福のシャドウ影ですねと考えられ
ますでは影について説明します真相心理学
の大下ユングが提唱した概念です生きられ
なかったもう1人の自分意識レベルで否定
してる要素自分の中で開発されていない
部分こういったもののイメージの総称です
意識的には不快なものですこのイメージを
他者に重ねるとその人のことが不快になる
んですが気にもなります高槻と夫の浮気
関係は家にとっては生きられなかったもう
1人の自分否定している自分が妻と浮気し
ていたと言えますだからか自分が逃げて
いるワーニャ役を高に押し付けてます
ちなみに家福がワーニャ役を演じられない
のは自分と直面せざるを得ないからです
なぜ高槻がわざわざ広島まで行き家福の
舞台に出ようとしたのかそれは音の脚本が
高槻に刺さっていたからです家の舞台は音
と同じことをしている細かすぎて伝わら
ないことをしていると高槻は語っていまし
たすなわち2人は真相を描こうとしている
と高槻はカパしてるんですね高槻にとって
の音とはただの浮気相手ではありません
おそらく自分の知られざる問題に関わる
何かが音の脚本には書かれていたと高槻は
感じているんです音や家福が描こうとする
真相を高槻は求めていると言えます高槻は
音の脚本を演じることで自分を変えたかっ
たんじゃないかなという風に考えられます
彼は自分は空っぽと語ります虚無に立って
いて衝動的になっていますそんな自分を
殺して生まれ変わりたいこの思いが背後に
見え隠れしますそして本来なら家福が
演じるワーニャを演じさせられていること
に高槻はフラストレーションを貯めてい
ます高月はこの配役に家福の逃げを感じて
いますすなわち現状のワーニャは家が本来
描こうとしていることから逆を言っている
と高槻は無意識化で感じている可能性が
ありますなので自分から逃げているゾンビ
のような家福に対して音の夢の続きを語り
その事実を突きつけます家の車の中で
長回しで高槻が語る音の夢の続きと本作の
隠しについての一連のシークエンスは本作
最大の見所の1つですではオの夢の後半
これは前半の夢の続きになります元の部屋
に入ってきたのはアキスでした少女を
しようとしますが少女はアキスの左目に
ペンを突き刺してアキスを殺します翌日
全ての審判を受けるつもりで投稿しますが
男子はいつも通りに振る舞っている玄関に
は監視カメラしか設置されていない平穏に
見えるがしかし世界は禍々しく変化して
いると症状は感じます少女は監視カメラに
向かって私が殺したと叫びますではこの夢
を解析していきますアスはイコール家福
ですね家福はサガが緑内障です左目という
のは分かりやすいサインです家福を殺す
ことは逃げている家FAMへの怒り一方で
殺したことでその責任を取りたいとも思う
すなわち2人で向い合って蹴りをつけて
生まれ変わり次に進みたいという思いが
非常に強いですね男子というよりも男子
一家もまた家福です家福はまたもむわず
なかったことにしようとしてますだからオ
は叫びます私は浮気したんだぞさらに
変わりたいという夢を突きつけたのに忘れ
たとなかったことにお前しただろう知っ
てるのに無視すんじゃねえぞ私と向き合え
という風に言ってるわけですここで家は
浮気のこと知っていたのに目をそらしてい
たことを突きつけられましたなぜは私に
言わなかったのだと泣き音が夢を通じて家
を詰めてるんですねそして高槻が語る確信
はこのようなものです他人の心を理解する
すっぽりと覗き込むことは不可能しかし
自分ならば努力次第で可能だ本当に他人を
理解したいと思うなら自分自身を深く
まっすぐに見つめるしかないこれはまさに
資源ですそして本作いや浜口龍介作品に
通底してるテーマと言います原作にも出て
くるセリフで同時にはき作品のテーマで
あるかもしれません自分自身を深く
真っすぐに見つめる作品をハルキは爆弾さ
せまくっています音の夢から隠しにかけて
の高槻とカフの会話はカフの心の奥底に
ボディブロのように聞いたと思われます
特にカフは自分自身を深く見つめること
から逃げているわけなのでこういう痛い
ところをつく一撃は聞くんですそんな高槻
も己れの衝突線に破れてその子退場して
いきます高槻はパパラッチ風の男を暴行し
死なせます劇場での練習中に警察がやって
きて堂々と自分がやったことを認めます
つまり高槻は責任を取りましたすなわち
これは家福ができないこと逃げてることを
ひどい形ではあるが実践したと言えます
過失地士だからとんでもなくひでえんです
けど堂々と責任を取るはこの時の家FAM
では絶対にできないことでしたしかも
ちゃんとワーニャの席を開けて高槻は去っ
ていきましたまるで高槻はカフにこの役を
やることから逃げるなそれが音から逃げ
ないことでもあると伝えてるようですカフ
は高月を通じて影と直面しましたカフの心
は揺さぶられぐらつきますぐらつくと逃げ
ているものが意識の中に入ってきます家は
自分が避けていた本当のことを高月を通じ
て突きつけられていきましたしかし変わる
のはそれだけじゃ不十分なんですね本当の
ことを話して心が震えるような情緒的な
体験が必要ですその役割を担うのが
ドライバーのみさになり
ますでは本作のもう1人の主人公をみさに
ついて考察していきますみさは各の専属
ドライバーです家福の亡くなった娘と
同い年の女性です無口で不合そだが腕は
確か後に北海道の木の不全家族出身と判明
します広島の舞台では過去に事故を起こし
たことがきっかけとなり舞台監督は運転せ
ずに運転手をつつけることになっており
ました当初家福は拒絶します家福にとって
車の中は大切な場所なんですなき音が語る
ワーニャおじさんの脚本を延々と聞き
ながらワーニャのセルフを家が語るという
ことを音がなくなる前からずっと続続けて
いましたこれは自分と退治してるとも言え
ますし日常から離れて自らの殻にこって
いるとも言えますなので避難所だった印象
がありますね家にとって車は安全な場所だ
から他者をその中に入れるのは非常に
リスキーだったんだと思いますただ家福と
いう人は全てにおいてハンドルを委ねられ
ない人でもありますこの他者を信用して
自分を投げ出せない人と言えます相手に
自分を差しせない人普段は問題ないがいざ
という時に自分を守るムーブをかまして
しまいます家は音にも差し出せませんでし
たこれは表面的にうまくいってる関係を
守るためだからですワニにも自分を
差し出せていません自分と迎い合わなけれ
ばいけないためですしかし家はみさに
ハンドルを委ねて自分を差し出しましたま
覚悟を決めて委ねたわけですねま委ねざる
を得なかったとも言えるんですが家は
初めて自分を差し出したわけですしかも
大事な避難所に他者を入れましたこれは家
にとって勇気ある体験だったと思います
これまでできなかったことができたと
言えるので心理学的な切り口だと小さい
ながらも非常に大きな一歩だったと言え
ますこういった些細な変化が大きな変化に
つがっていきますそして差し出した家福に
対してプロだから御先もちゃんと引き受け
ますこのような関係は良き循環をもたらす
ことが多いです家福の勇気にみさは
ちゃんと答えてます関係性というものは
相互的であり大きな体験を得たのは御先も
一緒と考えられます引き受けることは責任
を果たすことでもありますそのため
引き受ける御先も少しずつ変わってきます
2人の間に関係性を進める事件は終盤まで
起きませんそれがまた委ねる引き受けるの
意味深さを感じさせますこの関係性は本作
の核かもしれませんねみさは核尊敬し家も
少しずつ警戒心が解けていきますやがて
みさも自分自身のことを語り始めます不
安定で暴力的な母親との関係を語り土砂
崩れで母親を失ったことを語ります車の中
では泣き妻音が語るワーニャおじさんの
脚本が常に流れるため核は音の話もする
ようになりますそして互いに心に拭いきれ
ない傷を抱えてることを認識し始めます
高槻の車内での長場面の後車の中で初めて
共にタバコを吸シは両者が深く結びついた
最初のシと思われますこの辺りからどこと
なく疑似的な父娘関係になっていったので
はないかという風に感じられますそして
高槻が逮捕され家福はついにワーニャを
演じなければならなくなります人が具体的
に変る瞬間は追い詰められてからが多い
ですまガチになりますからねそのため家
はわを受け入れるために自分と向き合わ
なければなりませんここで家は三崎の故郷
の北海道行を提案しますペンギンが
しょっちゅうてるように日常場面では
なかなか本質的な併用は難しいですその
ため日日常に行く必要があります北海道へ
の旅はこの物語の確信部分です日常から日
日常へ現世から遺への動きがあると言え
ます北海道旅行を考察すると2点ポイント
があります1つ目はさっきに述べた以非
日常性です日常すなわち広島を脱出して
自分と退治できる世界すなわち北海道に
向かうことです2点目は同じ喪失の傷を
持ち泣き娘と同年齢のミと疑似親化した
ためみさと共に傷の根源と迎え合おうとし
ているということがあげられますこの道中
みさは土砂崩れで母親が亡くなった時助け
に行けたのに行けなかったことを告白し
ます
家もオのガチ対話にビビって逃げ回り倒れ
たオを助けることができなかったこのよう
に2人は同じ罪悪感を抱えていることも
分かりますそしてみさの実家の跡地で互い
にずっと語れなかった本当の気持ちを語れ
ましたみさは母への思い家福はオへの思い
そして2人は目をそらしていたもう1人の
自分を受け入れることができたと言えます
その結果喪失と迎え合うことができました
家と音が互いにを語る場面にて家は印象
深い言葉を述べていますそれは正しく
傷つけなかったこの正しく傷つくこれこそ
家福が逃げていたことだと言えます音が
浮気をして家は傷ついたがそれから目を
そらしてしまいましたつまり自分を
ごまかしたんですね傷つくことから逃げた
これが取り返しのつかない事態となった
ことを家は後悔でき後悔を引き受けること
ができたんです家は逃げ続けた正しく
傷つくことを言語化し情緒を持って心を
振るわせて語ることで後悔とも迎い合え
ましたつまり家は夫への思いを心の底から
体験できたと言えます人が変わるには情緒
的な体験が不可欠ですその結果これまでの
家福は象徴的に死に新しい家福に
生まれ変われたわけです目をそらしていた
自分の問題と厳しく向い自己理解に至る
それが他社への理解につながる音とつが
れるようになったがすでに愛する人はい
ませんその現実も自己理解に至れたが故に
受け入れることができたのではない
でしょうか痛みは消えないし後悔も消え
ません生涯このことは背負っていかざるを
得ませんしかしここまで自己理解他者理解
に至れたからこそ痛みから目をそらさずに
に痛みを背負い生きていくことができると
言えますワーニャおじさんのラストで語ら
れる耐えることについて2人はこの体験を
経てごまかさず痛みを引き受けて耐えて
いける力が生まれたと感じました人は痛み
に耐えて行きざるを得ません物理があり
困難がありそしてそれらは次々と襲ってき
ますれ少なかれ人はこの運命から逃れられ
ません耐えることは運命からの問いかけに
受け身を取り痛みを抱えながらも生きる
ことではないでしょうかしかしそれは前に
進むことでもあります耐えながらも再び
新たな希望に出会うかもしれません失った
ものは取り戻せませんがまた別の素敵な
ものを手に入れることができるかもしれ
ないそれは目をらしい止まった時間の中で
生きていては決して手に入らないものでは
ないでしょうかだからこそ厳しい道のり
ながら自分を深くまっすぐ見つめ正しく傷
つく意味があるのだと思います本当の
気持ちを語る絵が多いですなぜならばその
時の情緒的体験により人が変容し成長し
ますしかしここまで確信を語りきる作品は
数少ないでしょうこのように限りなく親衛
なテーマを見事な映画的義量で描き切った
本作は10年に1度の特別な大傑作と断言
できますでは最後にサクっとまとめます
ドライブマイカーは自分の問題から逃げ
続けて愛する妻を失った家福が厳しい
プロセスを経て自分と向かい合い新しい
自分に生まれ変わる話ですそのプロセス
描写がとんでもなく精密で高レベルだった
と言えますテーマは他者を理解するために
自分を深く知ることです本作でもう少し
求めることがあるとすれば音が求めていた
子供の話を家が目をそらしていたこと
すなわち浮気の原因と思われることについ
て語って欲しかったなと思いましたしかし
それはおそらく音から直接突きつけられ
ないと多分分からないレベルの深い問題だ
から音を失った以上ここまでが限界かなと
も思います物語の核の部分を考察しました
がこれではまだまだ不十分なんですね実は
こんなに長く語ってますけど重要な
モチーフであるワーニャおじさんや映像的
な象徴表現等も解説しないと本作の信淵に
は近づけないと思いますそのため次回の
ペンギン考察はドライブマイカー延長戦
ですそしてこの辺を考察していこうと思い
ますというわけで続きはまた次回ペンギン
臨床心理士の映画考察は映画にさほど興味
がなくても心理学や人間の成長変化に興味
がある方ならば割と楽しめると思いますな
ので最後にチャンネル登録といいね通称
ペンギンの餌よろしくお願いし
ますY

『悪は存在しない』公開記念
現代の巨匠・濱口竜介の代表作にして
10年に1度レベルの大傑作
『ドライブ・マイ・カー』
今回はペン考初の前後編です。

この映画は、村上春樹の短編を映画化し、
自分から逃げていた主人公・家福が
自分と向かい合う物語です。
前編は、家福がどのように自分の問題から目を逸らし、
そしてどのように問題と向かい合ったか、
そのプロセスを丁寧に紐解きます。

本作のキーワード
『正しく傷つくこと』とは?
そして本作最重要のセリフ
『本当に他人を理解したいと思うなら
自分自身を深く真っ直ぐに見つめるしかない』
この言葉が本当に意味することとは?
家福の妻・音が語った脚本の内容とは?
この辺りをキモに考察しています。

後編では、本作の重要なモチーフである
『ワーニャ伯父さん』との関連や、
本作で印象に残る象徴表現の考察を行います。

後編は5/3金曜18時、
『悪は存在しない』考察は5/10金曜18時に
配信予定です。

00:00 オープニング
02:34 濱口竜介の頻出テーマ『ハマ・テーマ』解説
05:27 あらすじ(前半:家福と音の話)
06:15 主人公・家福とその妻音について
09:50 音の夢:パート1
13:39 あらすじ(後半:広島と舞台『ワーニャ伯父さん』)
14:43 キーパーソン① 高槻
18:02 音の夢:パート2
21:44 キーパーソン② みさき
26:56 『正しく傷つく』とは
29:54 総評

#濱口竜介
#悪は存在しない
#西島秀俊
#三浦透子
#霧島れいな

【参考リンク】
ペンギン考察『愛がなんだ』

【🐧ペンギン臨床心理士の映画考察🐧】
普段は人間の姿で臨床心理士として活動しているペンギンが、心理学的視点から人間の成長・変化に焦点を当てて映画考察をします。
取り扱う映画は主に邦画・洋画・アニメ問わずヒューマンドラマ中心で、多くはネタバレです。

ペンギン考察動画では…

✅人はどのように成長・変化するのか
✅人生を生き抜くために、心理的に何が必要で、何が重要なのか
✅人はどのように苦難から立ち上がり、再生していくか

このような点に着目して考察します。

そのため…
 
✅映画にさほど興味がなくとも、心理学や人間の成長・変化に興味のある人
✅心理学的な知識を得て人生を豊かにしていきたい人
✅本編を観ていなくても、ネタバレが気にならない人

このような方なら楽しめると思います。

また、当チャンネルの動画を観てから本編を観るという楽しみ方もアリかもしれません。
観やすく、わかりやすい考察を心がけていますので、チャンネル登録や評価等、よろしくお願いします。

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