人間文化研究機構 第3回DH講座 対談:小川潤×亀田尭宙(2)情報学の視点から知識ベースを考える

皆さんこんにちはこの動画はデジタル
ヒューマニティいわゆるDHについてDH
を活用した研究の先端を走って
いらっしゃる研究者の方にお話を伺って
いきます今回のテーマは情報額の視点から
知識ベース構築を考えるです情報学亀田
さんの専門ですよね早い段階からこの知識
ベースの研究に取りかかっていらっしゃっ
たんですよねはいえっと私があの学部で
配属された研究室がえっとまさに知識
ベースを扱うような研究室だったのでそこ
で取り組みましたえっとその研究室はあの
単純に知識ベースを扱ってるというだけで
はなくてWebの研究もしていたので
Webの中にその知識っていうのをどう
やって表現していくかということで今の
あのウブよりちょっとあの意味をプラスし
たセマンティックウブと言われるような
WEBを構想するっていうのがその時代に
ありましたあの僕がその学部で配属された
のはえっと2006年だったんですけれど
もまそのぐらいの時代からえっとそういう
研究があったって感じですね自らはい
やっぱりそそういうのに興味を元々持って
いたってことなんですかはいえっとその時
に興味があったのはえっと知識を使って
えっとどのようにその社会問題とかのえ
あのに役立つような知識を表現あの共有
できるかってところに興味があって研究し
てたんですがえっとま例えば環境問題で
あの生物多様性の問題で言うとえ絶滅種
危惧種がどのような
えっと状態にあるかっていうことをあの
一覧で見れるような状況っていうのは
なかなかま初期のことはなかったわけです
けれどもそこに知識ベースがあるあればえ
それが見渡せるってことが生じたりだとか
えっと他にま今関わってる研究に近づけて
言えばえっとそこであの歴史の資料があっ
た時にえそれをああの材料の側面から見て
みたいだとか新しい側面で切り出して見て
みたいってことがあった時に知識フェース
が役立つってことがあってまそこに
どんどんとその繋がっていくように知識を
どのようになんか表現していけるかって
ことにま興味を持ってあの研究してきまし
たうんじゃ具体的にどういう研究がま今
一部ご紹介いただきましたけれどもお伺い
していきたいと思ってるんですが初めは
あの人のネットワークの表現から始まった
んですていうのはその知識と人の
ネットワークがどう関係あるかというと
結局そのえそれぞれのそれぞれの知識は
ええがれののをちゃんとあの共有してい
くっていうのを人のネットワークの中に
位置づけるってことを始めやっていました
つまりえっとこの人が持っているイベント
の情報を他の人に共有すればじゃあ一緒に
イベント行けるじゃないかだとかえっと
そういう本当にも日常的なえっとただの
なんていうかそのあまり渉な知識ではなく
てえただこれを知っているってぐらいの
意味の知識の共有っていうところから始め
は始めましたでえっとそこで問題になった
のがえっと結局この知識を誰と共有する
かって選ばないと意味がないっていうのが
あってえっとただただ
えっと大量の知識があってそれが全員に
提供されていても自分にとってはどれが
えっと利用で利用可能なものかどれがあの
興味があるものかって分からないんですよ
ねでえっとこのイベントはあの人だったら
興味あるだろうって思って共有するだとか
うん人のネットワークの中に知識を位置
づけることによってえっと役立ちやすくな
るってことを初めはやっていますたでそれ
そこからえっともう少しえっとま人の
ネットワークってのを少しだけこ高交代さ
せてえっとま誰にでもあの利用可能な知識
として先ほどのそのえ絶滅危惧種の情報の
共有だとかそれも結局えっと絶滅危惧種の
情報っていうのはえっと地域の中で例えば
県レベルえ都道府県レベルと国レベルと際
レベルがあるんですけれども実際多分あの
政策をに携る方々はあの自治体レベルの話
がま実体の人は必要だし結局国国の人は
その国レベルのと地方のレベルとあ国際
レベルの関係が必要だしえそういう風に
それぞれの分脈によってえっと異なる
レベルの知識が必要になってくるのでえ
そこでもやっぱりその誰にどのような知識
が必要かそれの関係はどうなっている
かってことを意識しながらデータを構築し
ていくってのが大事だったっていうことが
ありますはいでそういう形でどんどんと
そのえっと地域ベースってのをえと
組み上げてきましたでその1つ前の職では
えっと地域研究だったのでえっとそれぞれ
の地域のあ地域について究研究してる研究
者が集めてきた資料っていうものをあの
地名の辞書だとかあと時代の辞書だとか
そういうものを活用して整理することで
えっと比較研究ができるようにするって
いうのが大きな目的でした比較研究って
いうのはあと大体地域研究者というと私は
インドネシアのことをやっていますだとか
私はあのマレーシアのことをやっています
だとかえそれぞれのその自分のフィールド
と言われるような地域を持って研究して
いるのでそこのことを深く知るってことが
大事になってくるわけですただえっとそれ
だけだとえっとその地域の際つまり他の
地域と比べてどういう特徴を持っているの
かってことっていうのはなかなか分から
なかったりするのでえっといろんな地域
研究者がやっている資料っていうものを
統合して地域ごとに整理してえっと横断し
て比較できるようにすることでえとその
地域のそれぞれの地域の特徴というものを
相対的に他他のものと比較して分かり
やすくするっていうのが1つのえっと研究
でしたでそのためにその地名の事書をあの
整備したりだとかえっとそまそういう
切り口のあの側面を整備したりだとかそう
いうことをやっていましたで今今のはま
また歴史学の話なので先ほどもちょっと
申しましたけどもえっとその歴史の資料に
対してその材料の知識を整理したりだとか
あま同じく時代だとか地域だとかを整理し
たりしてで見やすくすることをやってい
ますふ私アナウンサーやってたんですけど
アナウンサーも現場に行くことはないん
ですでいろんな記者とかが情報をたくさん
集めてくれるんですそれどう抽出してその
伝える側のことを考えてうまくこう渡す
情報を渡すってのが仕事なんですけどなん
となくそれと重なるのかなって今話を聞い
てて思いましたいろんな情報があってそれ
をどういう形にして誰に向けてるのかって
のを意識して作るっていう
はいなんですかねそうですねおっしゃる
通りそのあのいろんな情報が集まってきて
それぞれの人はそれぞれの興味でやって
しまってやってしまってるともちろんそれ
がいいことなんですけれどもえっと
やっぱりそれがえっと全然違う形だったり
とかしてそのままでは比較できなかったり
それままでは文脈がつけられなかったり
するのでそこをうまくあ料理しやすい状況
まで整えてあげるっていうのはま1つの
その知識ベースの役割なのかなと思って
ます現場に行きたいとは思わなかったです
かつまりそういうはいはい実際えっと現場
にも長とかついてかていいてですねえっと
まま現地の新聞と交渉して新聞のデータを
もらったりとかもしてましたけれども
えっとあと今今もそうなんですけど結局僕
もそれぞれのドメインの研究者としての
側面を持つべきだなと最近は思ってます
つまり僕も僕は情報学者ですしやっぱり
それは専門としてはあの別に僕は地域研究
者でもないしあの歴史学者でもないそこは
ま一戦は引いてますけれどもでも一方で
えっとそういう側面も少しはちゃんと持た
なければならないということでえっとつい
先月もあのコーチに出張に行ってあのそこ
のミグの調査みたいなことを自分でやっ
たりだとかもしてみましたしそのその中で
見えてくるどういう風な知識ベースがあれ
ばちゃんとあの物が見えるだろうか活用
できるだろうかっていうこともあるので
えっとそういう側面も持つようにはしてい
ますああやっぱそういうものも必要だって
いう風にはお感じになってそういう風に
行動されてるってことなはいへえはい母
さんどうですか聞いてていやあの私久保田
さんが神田さんにコメントとしたその情報
を集めてきてまあるしそのまそこからこう
と統合するというか総合してあの出してい
くっていうところでまそれを聞てた時
ちょっと思ったのがうんま結局多分カメラ
さんのやってこられた知識ベースの構築
っってやっぱりそのもちろん具体的に
データを作るとかっていう作業はあると
思うんですけど一方でかなり大事なのか
その概念のマッピングをするというかま
そこのところが大事なんだろうなっていう
のをちょっと今お話聞いてて思うんうん
例えばま私は報道とかはもう指導なので
全くわからないんですけれどもあのま
例えば何らかのやっぱりまテロ事件が起き
たとか時にま多分ニュースとしてはテロっ
ていう言葉で伝えるわけですよねでも実際
にじゃ何が起こったかっていうのはもう
本当にセンサ万別で背景同機も違えば実際
に行われたことも違うわけですよねだけど
も1つのテロっていう単語でまそれを
伝えるというようなことま同じようなこと
がやっぱり知識のその知識ベースの構築
とこでもやっぱりあるってい風に思ってい
てまやっぱり私の専門の歴史分野で言えば
まやっぱり資料の記述っていうのはもう
それぞれ違うわけでそこで出てくる用語で
あったりとか同じ概念を表す表記ってのも
全く違ったりするわけですけれどもただま
違うのは違うので大切なんだけれども一方
でその表記が違うからってじゃあ違うもの
ですって言っちゃったらそこから先にその
総合っていうのは不可能になってしまう
わけなのでやっぱりそれはあの表記は違う
んだけれどもま
同じ概念を表しているま本当に同じ概念
かっていうのはあの極めて真摯に検討し
なければいけないと思いますがただまある
段階でまおそらく同じ概念だろうっていう
風にま我々で言えば知識ベースを構築する
側がまこれは同じ概念と見なそうていう風
にあるし意思決定をしてまその結果として
あの概念をマッピングしながら具体的な
ものをこうまとめていくというかそういう
やっぱり作業だという風にちょっとと思っ
たまただ単にやっぱりデータベースを作る
というかデータをこう書き集めればいいっ
て話ではなくてまそこにやっぱりその解釈
であったりとか概念の操作みたいなと
ころってのはま入ってくるしまそれは
難しいとこでもあるんですけどま面白い
ところかなそうですねまさにそのコーチの
ミング調査の時にそのマッピングのことを
すごく意識したことがあってあの同僚に
ミングの研究者もいらっしゃってえ彼女は
そのそれぞれのミングがえっと個別として
つまり同じ種類のミングでもえ微妙な差異
だとかそれぞれが作られた経緯は違うわけ
なので個別としての差異が大事なのでえ
それが分かるようにデータベースを作る
ことをされてされているとかそれに関わっ
てくださっているんですけれども実際調査
をしてみるとなかなかその50年前のあの
記録を元に今それがどうなってるかって見
たんですけど同じものかってまあ分から
ないんですよね同じようにかけてるとか
そういうことがあるとあの出たって分かる
んですけどそうじゃなかったら同じ種類
までは分かるんですけれども全く同じもの
かどうかってなかなか分からないでも
やっぱり同じ種類のものがあるってだけで
それでま言うような状況っていうのも
たくさんあるわけですねこの地域にはこの
種類の道具が使われていたってことは
やはり分かりますしでそれにえっとまその
横の地域も使われていたとかそういうこと
が蓄積されて全体が見えてくればやっぱ
分かることもありますのでじゃあその
ぐらいのマッピングつまりその種類って
いうところまでのマッピングをしてしまえ
ばえっとできることっていうのもある
だろうなそれその個別が分からなくても
できることはもちろんありますよねだとか
あの同じ材料のものだとか同じあの手段
つまり同じ目的のものだとかえっとそう
いうのでまとめあげるっていうのも大事
ですしやっぱりそのえっと海外の加護と
日本の加護でも同じ加護というカテゴリー
ではあるっていうマッピングをしてしまう
だとかそういうもで見えてくるものもあり
ますしそのまとめ方カテゴリーのけ方って
いうのはすごくあの知識ベースを使った
あのデジタルアーカイブの作業です重要に
なってくることだなと思っていますなんか
の編集作業みたいなそうですねあキュレ
ションっていう言葉もありますからねはい
そうでもそう考えるとなんかそういう
キュレーションをしたものがこう世界に
発信されることによってそれがまた事実と
なることってすごい責任重大ですねはい
そうですねえっとそこに関してやっぱり
その誰がそのキュレーションを行った
かっていうのは大事だと思っていますで
それもその知識ベースの中にちゃんと書い
ておくまよく来歴プロビナンスて言われる
んですけどもその情報もうんちゃんと
えっとデータに入れておくっていうことが
最近重視されていて実際ま技術的にもそれ
は可能であるのでえそういうことに気を
つけて作っていますうそのキュレーション
をするのとアーティストというかまその
現場で研究をしている人たちの連携っての
はすごいされてるものなんですかそうです
ねま同じ組織の中でまそのま僕の場合は
結局他の方々はみんなその分野の専門家で
僕が情報学者でえ彼ら彼女たちの情報まめ
うんってことが多いのでまその中で連携が
ちゃんと行われているってことが多いです
ただえっと組織のクにももちろんその分野
の研究者の方々はいらっしゃったりするの
でえそこの連携っていうのはまだまだ課題
な部分もあのあると思っていますはいう
そのキュレーションをする際にやっぱり
自分なりに見つけた魅力っていうのを強調
したりこうそういうなんて言うんです
なんか強弱って出てきたりするんですか
そうれ基本的にそういうことはしない
ぞってなってるんですかあまそこはうん
えっとま事実は事実としてえっとま提示は
できるのでその強弱という意味では結局
そのどこまで詳細に情報を書くかとかいう
のはま結局ま愛がある対象にだけま多くな
るっていうのはそれはま生じてしまうと
思いますただまあのこのレベルでは絶対
最低限を統一しておきましょうねとかそう
いうそのあるしのなんてポリシーを初めに
作るだとかま最近データマネージメントっ
ていうことがまあのよく言われるように
なってきてますけれどもそのそういう文脈
でちゃんとそのデータがどのように作られ
てどういう基準であのうんされてるかって
ことを明示しておくってこともやっぱり先
の来歴と一緒で大事なのでそういうレベル
でえっとまそそのなんていうかなあの
ばらつきがあの過剰にならないようにって
いうのはあの統制していこうと思ってます
うんうんうんでそういう知識ベースを通し
て新しいその魅力に気づいてその分野に
興味を持つ人ってのも結構現れるような気
がはいしますねそうですねそうなって
くれるとありがたいなと思ってはい作って
おりますはいおさんここまで聞いていて
いいですかそうですねあのま最後のその
この知識ベースを通してあの分野に興味を
持ってくれる人が現れると面白いなって
いうのはあのまさにそうだなと思うところ
ですねあのうんまさっきのちょっと1回目
の私の話とも重なるんですけれどもえっと
まなんでその知識ベースを研究し始めたか
ところでま結局その歴史資料みたいなのを
ま元々は読んでたようなことをやっていた
とでまそれをこのデータとして表現する
ところその変換してていうところまそれは
今の概念のその操作とキュレーションって
いう話とも関わると思うんですけどこの
知識のその変化するところというかどう
いう風にそれをこう表現するのかっていう
ところであのすごくそれをま自然言語から
データにするってところで面白みを感じ
たって話をしたと思うんですがま本当に
そこに面白さがやっぱりあるなと思ってい
てまその新しい人が入ってくるとこでもま
これまでの例えば学で言えばもう資料を
読んでえっとそれを文字として表現を
するっていのが当たり前だったところが
これからはまそういう研究に使える例えば
データを作るってこと自体があの研究成果
として評価されるようになるとかまそこ
自体に面白みがあるってことがこう見えて
くるでさらにそれが何らかの形で活用さ
れるちょっとこの活用の部分っていうのは
まちょっと今は話しませんけどもま多分後
で話すと思いますがあのまだ課題があると
思うんですけどまこの作たもっていうのが
実際にどういう風に使われてうんあの
新しい研究成果を生み出していくのか
みたいなところが見えてくるとあのより
その知識ベースの有用性みたいなものって
いうのも明確になると思いますしあの
新しい人が入ってくるとかそこに興味を
持って研究しようみたいな人もま増えて
くるのかなっていう風には思います受けて
どうですか神田さんそうですねえと活用が
あってこそ知識ベスがま具ってのは本当に
その通りなのでえっとまその活用の実践
っていうのも大事ででえっとまそれ
ワークショップをしてみてそのあの知識
ベスを使ってなんかできやるできることが
ないだろうかっていうワークショップをし
てみるだとかそういうのもまえっとま
いわゆる発火損だとかアイディア損みたい
なえ言われるようなイベントであったりと
かしますしまそういうのもあの知識ベスの
活用においてはすごく大事な活動だと思っ
ていますでまやっぱりその自分自身もその
知識ベスを作るだけじゃなくて使う側にも
立たなきゃいけないっていうのはやっぱり
あるなと思っていて先ほどその自分もその
フィールドワクをしてみあのうん見見たり
するんですかて話がありましたけどやっぱ
そうやってみると自分がどうそれを使って
みたいなっていう使う側の立場にも
もちろん立つことになるのでその時にそれ
その時にどういうえ知識ベースがあったら
嬉しいなって思うことでやっぱ作る側とし
てもどういうものを作るべきかってのが
分かるというそういう意味でやっぱり自分
もそういう側面を持っとかなき持っとか
なければいけないなと思っていますはい
うんでは次回は小川さんがどのように知識
ベースに携わっていらっしゃるのか具体的
にお話やっていき
ます

第3回DH講座 対談:小川潤×亀田尭宙(2)情報学の視点から知識ベースを考える
【出演】
小川 潤(情報・システム研究機構 ROIS-DS人文学オープンデータ共同利用センター 特任研究員)
亀田 尭宙(人間文化研究機構 DH推進室/国立歴史民俗博物館 特任助教)
久保田 智子(TBSテレビ報道局)

DH講座第3回は「DHと知識ベース」。人文学の情報(=知識、データ)をどのような手法で活用していくのか? デジタル・ヒューマニティーズの具体的な取組みについて、DHを活用した研究の先端を走る若手研究者2名がレクチャーします。

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人間文化研究機構は、第4期中期計画(2022年4月から2028年3月まで)の重要課題として「デジタル・ヒューマニティーズ(DH)」の推進を掲げています。

人文学のさまざまな研究にデジタル技術を応用するだけでなく、「人文学をますますおもしろくする」ことを目指して、研究者や社会の人々が議論できる場をつくり、次世代に向けた新たな研究基盤をつくろうとしています。

その一歩として、動画シリーズ「DH講座」を公開しています。
これまでの講座は下記「動画コンテンツで学ぶ」からご覧いただけます。
https://dh.nihu.jp/video

人間文化研究機構 デジタル・ヒューマニティーズ(DH)促進事業
https://dh.nihu.jp/

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