Vlog|8メートルの壁画に滝を描く|ホテル内装|ある画家の日常 – RECODING of ART – KASHIHARA SHINPEI ー字幕推奨ー

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ー字幕推奨ー

<2018年 冬>箱根・小涌谷の奥地、千条の滝へ。滝の水を汲み、制作現場へと入る。残雪と雨が混じる極寒の山奥、建設中のホテルでひとり壁画制作に臨む。テーマは”千条の滝”。エントランスロビー。ホテル受付がバーカウンターになっていて、向かい合うように暖炉と壁面がある。バーとホテルが融合したオーセンティックな空間、”箱根香山 bar hotel”が今回の現場だ。

<制作準備>日本酒とウイスキー、滝の水などを絵の具にブレンドしていく。クライアントからの贈酒を手に凍える寒さを紛らわせる。深夜から準備し続け、夜明けと共に制作を開始する。残雪の山で澄んだ空気を吸い込む。

<制作開始>今回は8メートル×1.8メートルほどの壁面を約1週間で完成させる。漆喰の壁に描くのはあまり経験がないので、壁の吸い込みや呼吸を観察しながら進めていく。ブレンドした絵の具を流して、その上から霧吹きで滲みを形成していくことにした。壁がどう滲むか、重力はどう反応するのか。現象を知る。白の線と黒の線を交互に重ねながら、深い滝の陰影を作り出す。漆喰の壁の内側の基礎が反応するため、まだらな滲みはエアブラシで整える。何度も黒と白を流し続け、イメージを高めていく。水墨とアクリルは混ざらず、分離作用がゆるやかに起きて、そのグラデーション効果が意識しない偶発的な現象として残る。そうした偶然性を残しながら全体を俯瞰して捉える。

<自然現象を留めるように描く>さらに重ねる。無意識にインクを流しながら、現象を頼りに水を描く。幾重にも連なる白と黒に少しずつ完成が観えてきた。この作業だけで数日が経過していた。施工中の現場のため暖房は無く、凍てつく寒さが室内まで響く。この日は熱が出て39度を超えていたので、より意識の外で描くことが出来た。飛沫を滲ませ、重ねていく。夜空の星々にも似た景色を滝の中に想う。

エアブラシで白霧を描く。日本酒やウイスキーとアクリルの混合インクを吹きつけて全体を整えていく。岩肌に打ち砕かれた千の流れを穏やかに包み込むように。完成まであと少し。発熱による疲労はピークに達していたが、山奥の静けさと孤独が心地よく発熱に朦朧としながらも集中できた。少し仮眠をしてから仕上げへと臨む。

今回の仕事を受けた際、依頼主から”あるひとつのストーリーを込めて欲しい”とこの地に眠る物語について語り出した。

ある木こりの一人娘 カザン。そして、牧人の青年 リオ。浅間山の中腹、見晴らしの良い山間に古くから香山と呼ばれてきた秘境でカザンとリオのふたりは愛を育んでいた。しかし、カザンはあまりに美しく男たちを魅了する不思議な甘い香りを持っていたため、それを独占しようとした火の神・ヒノアメノミコトに捕らわれてしまい、岩窟に閉じ込めてしまった。

火の神を恐れ、誰もそこに近づこうとしない中、勇敢な青年リオだけは岩窟に近づき、愛をささやき続けた。しかし、ふたりは火の神に見つかりその逆鱗に触れてしまう。青年リオは火の神のチカラで谷間の石に姿を変えられてしまったのだった。石に変わり果てたリオを見て、カザンは悲しみに暮れ香山の上で何日も泣き続けた。

何日も何日も。何ヶ月も何年も泣き続けた。長い年月をかけて谷間に降り注いだその一滴、一滴の涙は、一条、また一条と岩の隙間を縫うように集り流れていた。いつしか谷底には千もの条が出来ていた「千条の滝の物語」

遠くとも見つめ合う二羽のカワセミに想いを馳せる。”もう泣かないでいいように”
自由に羽ばたき、いつか巡り合う。

千条翡翠図
CHIJO HISUI ZU

箱根香山 bar hotel
https://www.barhotel.com

ーABOUTー

Vlog
RECORDING of ART
Daily life of painter living in Tokyo Japan
Artist KASHIHARA SHINPEI

ある画家の日常=記録<アーカイブ>として。
自分が観てきた景色や日々に想う事など、今在る日常を記録していけたらと思います。

ーPROFILEー

KASHIHARA SHINPEI Artist – 画家/美術家 柏原晋平

高校卒業後、絵画、水墨画を独学で習得し、2002年頃より本格的に作家活動を開始。画家・美術家として数々の仕事を手掛け、水墨画を軸にアクリルインク、ペンキ等を使った絵画作品の制作から映像コンテンツへの作画提供、美術美術、映画衣装制作に至るまで、その表現媒体は多岐にわたる。西洋と東洋の画材や技法、感覚を混在させた独創的なタッチで異彩を放つその作品は各方面で高い評価を受ける。

代表作として京都・本能寺 塔頭 龍雲院への襖絵奉納をはじめ、中村獅童×初音ミクの共演でも話題となった超歌舞伎「今昔饗宴千本桜」、早乙女太一「剣舞・影絵」、堂本剛ソロプロジェクト「ENDRECHERI-NARALIEN」MVなどがあり、様々な著名人への作画提供や企業とのコラボレーションなど多岐にわたり制作している。

また、近年ではMV映像分野や舞台美術等の制作活動も精力的に行なっており、松田美由紀「Prologue」MVや西島数博「AFTERGLOW IN THE AIR – 空中の残光」MVの映像監督、LIVE-ENTERTAINMENT EXPO 2020「AVC STAGE」演出など手掛けている。

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