あなたと出会っていなければきっとこんな 風には思えなかっ た感謝しているわ本当に ありがとう大学3年の春俺は自分の将来に 頭を悩ませていたいわゆる目的もなくただ 言われるがまま進学したタイプの俺 なりたい職業があるわけでも勉強したい 何かがあったわけでもないただなんとなく 周りに合わせて進学しただけ社会をそんな ものだろうと勝手に決めつけていた からけれど大学生活が半分終わった今本当 にこのままでいいのかと焦りを感じ始めて いるそんな惰性の日々を過ごす俺には特別 な人が いるとは言っても恋人というわけではない のだ けれどおはようこれから 学校朝家を出て駅へ向かう 途中隣の子の前を通りすぎ た玄関先を吐き掃除しているこの家の住人 ミクさんが俺の姿を見て作に 話しかける気を抜くと磨けそうになるのを 必死で我慢して俺は平成を予想頷い た学生さんは大変ね気をつけ て背中を優しく見送られながら俺は通学路 足早に通りすぎ たミクさんとは引っ越してきてすぐの頃 から顔を合わせれば挨拶をする中 だ2つの立派な家に旦那さんと2人で 暮らしている らしい大学生の俺と生活リズムが違うのか 俺は1度も旦那さんを見かけたことが ない彼女のように美しい妻をもらえるのだ からさぞいい男なの だろう想像すると自分では到底叶わない ようながするので自分の心の健康のために やめておくことにして いる大きな家を変えるぐらいいい収入なん だろう なますます自分がどんな仕事に着くべきか 考えさせ られるいつか誰かと結婚しても俺は養って 生きるのだろう か今の自分ではそんな未来を考えること すらできない どうしました季節が夏に差し掛かる頃ある 日大学帰りに帰宅中の俺はミクさんの家の 前を通り過ぎた時道路にしゃがみ込んだ 彼女の後ろ姿を見つけた俺が話しかけると ミクさんは顔を上げて恥ずかしそうに言っ たスーパーでじゃがいもの安売りをしてい たから調子に乗って買いすぎちゃったそう したらビニールが重さで破れちゃってよく 見てみると確かに道にはいくつかの じゃがいもが転がっていた俺は駆け寄って
拾い上げるとミクさんに手渡した彼女は 小さくありがとうと言ってなぜかそのまま 押し黙って いる謎の無言が2人に流れたところで少し 気まずくなった俺は家に帰ろうとミクさん に声をかけようとしたすると同じ タイミングでミクさんは静かに声も出さず 涙を一筋流し た あの突然目の前で泣かれたことであらさに うえる俺に対しミクさんは無理に明るく 振る舞いながら頬の涙を 脱ぐごめんなさい気にしないで そうは言われても不自然に目の前で泣いて いる彼女を見てしまったら放っておくわけ にもいかないとはいえ慰めるのが特別 うまいわけでもないどうしたらいいかと 悩んだ結果とりあえず荷物を家に運ぶのを 手伝うと申し出たミクさんは力なく頷き そのまま俺を家に入れたすみませんお手間 かけさせちゃって玄関で荷物を渡した俺に ミクさんは申し訳なさそうに言ったさっき の涙の理由が気になって 仕方ないこんなことくらいいつだって どうせ学生なんて暇です から真気臭い雰囲気を笑い飛ばそうと冗談 混じりに行った俺にミクさんは優しく 微笑むと俺を手間にくよかったら夕食食べ ていかないこれから作る の憧れの一妻の手料理を食べれるなんて この上ない喜びだ思わずこりしそうになる 胸を押さえながら俺は至って冷静をよい 彼女の誘いに乗ることにし たごめんね大したものじゃなく て1時間後テーブルにはさっきの じゃがいもで作られたカレーライスと 色とりどりのサラダやフルーツが並べられ たこんなに健康的な食事を取るのはいつ ぶり だろう実家以外で口にした手料理に俺は 感動を覚えてい たおいしいですありがとうござい ます黙々と箸を進める俺を見ながらミク さんは嬉しそうに目を 細める誰かに食べてもらえるのって やっぱり作りがわ ね彼女の言葉に少し引っかかったミクさん は旦那さんと2人ぐらしのはず毎日旦那 さんが一緒に食事をしているのではないの だろう か旦那さんは一緒に食べないんですか素直 に疑問をぶつけた俺にミクさんは小さく ため息を つく帰ってこないからもう半年以上になる かな
ぽつりとつぶやいたその声は部屋の中に 後方もなく消えて いく余計なことを聞いてしまったと後悔し てももう遅かったもしかしたら彼女の さっきの涙の原因はこれなのかもしれ ないすみません身を小さくした俺にミク さんは首を振ったあなたのせいじゃないわ はっきりさせ 私が悪いんだ ものミクさんは不に立ち上がりグラスに いっぱいの氷を入れると棚に置かれていた ウイスキーを注いだ後から注がれていく 炭酸水がグラスの中で弾けた音を 鳴らす飲まずにいられなくなったのか作っ たハイボールを両手に持ち1つを俺に 差し出す促されるまま俺は彼女の晩に 付き合っ たもも結婚する前から浮気っぽいのは 分かってたんだけど結局惚れた弱みで彼の ことを許してしまっていた の過去にも浮気をされたことがあるのに それでも彼を信じて結婚までしたのなら 彼女の思いは相当なものなのだろうそこ まで他人を愛した経験のない俺にはあまり 理解はできない けれどわかとは思わないんです か他人から見ればどうして半年も家に帰ら ない夫と婚姻関係を続けているのか理解 できない家に帰らない間生活費はしっかり と振り込まれている らしい自分とこの家を手放さない夫にどこ かまだ少しだけ期待してしまっているのか もしれ ない私が弱いだけはっきり彼の気持ちを 確かめる勇気がないからこうやって ずるずる中途半端になっ て寂しそうな表情でハイボールに口を つつけるミクさんを俺は黙って見つめてい た彼女はそうして自分の中にある最後の プライドを守っているのかもしれ ないそれと同時に俺の中ではミクさんの夫 に対しての怒りが ふつふつと湧き上がってい た誰かに優しくされたのが久しぶりでつい 泣いちゃったごめんなさいびっっくりした でしょ無理に笑ってみせるその表情が 痛々しく感じて俺は真剣な差しを彼女に 向け た泣きたい時は泣いたらいいと思います 格好悪くなんてないし無理に我慢すること もない もし1人でいるのが辛いなら俺がそばにい ます から彼女は俺の言葉に表情を歪ませてその まま子供のように泣き始めたずっと1人で
誰にも言えぬまま気持ちを抑えてきたの だろういつも見る大人びた人妻の姿はもう どこかに消えていたその日を境いに俺たち のは以前にも増して新密度を増していた ミクさんは自分の弱みを俺に打ち上げた からか最近は明るくなったようにも 思う惰性の毎日に新しい彩りが加られた ように景色が違って見えるミクさんは時々 俺を夕食に呼んでくれるようになった 楽しく笑い合い食事をして 過ごす恋人関係ではないけれど彼女の特別 になれたことに喜びを感じてい た話があるの食事をする中になって数ヶ月 季節が秋から冬に変わる頃ミクさんは俺に 言っ た私夫と決着をつつけることにした のあれだけ曖昧にしていた夫との関係を 突然終わらせようとき始めたミさん彼女の 心境の変化に少しだけ驚いてい たそれで旦那さんはなんてミクさんが言う には旦那さんは会社の女性と浮気をしてい て家に帰ってきていなかった らしい相手の家に転がり込んでしばらく 同性生活を楽しんだ けれどだんだん関係がこじれてきて女性に 振られてしまったよだ仕方なくうちに帰っ てきた夫を素直に受け入れることができ なかったミクさんはついに夫婦関係を解消 しようと話を持ちかけたと いう必死にすられたけど何も思わなかった 前だったらあんなに好きだったからきっと 許していたはずなのに夫に対しての感情が なくなったって気づいたらもうどうでも 良くなっちゃって だから離婚してここを売ることに決めた の彼女の晴ればれとした表情を見てもう 以前のような迷いがないことははっきりと 分かった彼女がこの家と夫に縛られなく なって嬉しいと思う反面ちょっとした寂し さも感じていたきっとこの家を出たら彼女 は俺と会わなくなるそんな気がしていた あなたと出会っていなければきっとこんな 風には思えなかった感謝しているわ本当に ありがとうまるで根性の別れかのように 感謝を口にするミクさん数日後には荷物を まとめて実家に戻るよう だ今言わなきゃきっと後悔 する残されたタイムリミットは少ない俺は 彼女に近づくとその背中にそっと腕を回し た突然俺に抱き寄せられて驚いた顔のミク さん俺は今まで胸に秘めていた思いを彼女 に打ち明け たずっとあなたに憧れていました優しくし たのだって好きだからです新しい人生を俺 と一緒に生きてくれませんかまだ学生だし
頼りないかもしれ 意を消して告白したというのに俺の腕は 緊張で震えていた小心もの自分が 情けない ありがとうでもあなたのこれからの未来に 私なんかが影響するのはおこがましいわ あなたには大きな未来が広がっている誰に も縛られずに自分の人生を歩んでいって ほしい の俺の体に回され ミクさんの腕はまるで母親が子供をなめる かのようにポンポンと背中を叩き静かに 離れていったその瞬間俺に対して恋愛感情 がないことが理解できた今まで経済力の ある男に支えられてきた彼女が今更学生 なんかに告白されて振り向くわけがない ちょっと考えれば分かることだ悔しさが 全身からどんどん込み上げてくるけれど ここで俺が引き下がらなければミクさんを 困らせてしまう だろう諦めたくない気持ちとどうしようも ない現実の羽で苦しい胸の内を押し込め ながら俺は何も言えずに彼女を腕から解放 したその後どんな顔をしていいかわからず 当たり障りない拶をわして俺はそのまま家 に帰ったミクさんは最後まで俺を優しい 笑顔で見送ってい た半年後あれからすぐにミクさんは自分の 荷物を持って実家に帰って行った残された 夫も近隣の噂話の標的になりいたまれなく なったのかほどなくして家から出ていった ようだ今では売りに出されているミクさん と過ごしたあの家前を通るたびに未だに 彼女との日々を頭の中で思い出していた 淡く切ない小さな恋は季節と共に俺の元を 去っ た新しい年を迎えた今大学4年生になった 俺は就職活動に性を出している大学を卒業 していい会社に就職することがなぜなのか 少し分かった気がする惚れた相手を安心さ せてあげられることができる からもちろん実際のところはそれだけでは ないけれど俺にとってはそれで理由は十分 だったあの時俺がミクさんの夫と同じよう に稼ぎがあれば彼女は頷いてくれたの だろうかそんなたればに思いをはせながら 俺は絶対にいい会社に入ると自分の中で 強く決断してい たいつかきっとまた誰かを好きになったら 今度はちゃんと支えてあげたから な過ぎていく時間の中まだ見ぬ未来への 希望いつか出会う運命の誰かのために俺は 今の自分と向き合って生きていこうと 思う最後までご視聴いただきありがとう ございます今日の朗読はいかがでしたか
物語の感想などコメントをいただけると 嬉しいです是非チャンネル登録もよろしく お願いし [音楽] ますその気がないならもうやめましょう 未来のない関係を続けてもお互いのために はならない でしょう付き合ってもいないのにまるで 別れ話のような雰囲気だ重苦しい空気の中 で沈黙の時間が 流れる1週間前住んでいるアパートの隣の 部屋が空屋になった前の住人は夜勤をして いる40代くらいの男性だった不愛そで顔 を合わせても挨拶すらしない近隣トラブル のようなものはなかったけれど正直あまり よくは思っていなかった次の人はもう少し ちゃんとした人だと嬉しいな最低限マナー が守れる人ならなんだっていいどうか 新しい生活も穏やかに過ごせるようにと心 で願うばかりだった えシーナさん数日後新しい入居者は あっさりと決まり週末に引っ越し業者が 忙しく出入りしていたそれから顔を 合わせることもなくなんとなく日々が過ぎ ていたけれど俺はついに隣人と顔を合わせ たあら隣はあなただったの仕事帰りに コンビニで弁当とビールを買って帰宅した 俺は部屋の前で隣人と遭遇その相手は まさかの会社の上司シーナさんだった会社 からそれなりに近い物件とはいえまさかが 隣人になるとは思わなかったなんとなく 気まずさに襲われ俺はできるだけ早くその 場を後にしたいと適当に返事をして部屋に 逃げ込む隣人が知り合いってなんだか生活 しづらいなモヤモヤとした気持ちを抱え ながら生活を続けて2週間それまで何事も なかった俺の平穏な生活が一変することに なるねね一緒に飲まないとある 金曜日仕事を植えて帰宅した後食事を 済ませて予を過ごす俺にベランダ越しに シーナさんが声をかけたどうやら外に出て 1人酒を飲んでいたらしい普段はズバズバ と意見を出してくる厳しい上司という印象 もあり2人で飲む機会はなかったけれど 特にすることもなかった俺は2つ返事で隣 の部屋に行くことにしたあなたは恋人とか いるの差し出されたビールを飲み始めて すぐに唐突な質問を投げかけてくるシーナ さんに動揺しつつ俺は作り笑顔を見せるい たらいくら上司でも女性の1人部屋の坂森 に参加したりしないですシーナさんは頬を くしながら俺の返事に愉快そうに笑う俺が 来る前ににもう結構飲んでいるのか部屋に は空き缶がいくつか転がっていた私にはい たんだよね最近までその男と別れたから
この家に引っ越してきたんだけど さあっけらかんと自分の身の上話を語り 出すシーナさんに少し驚きながらも小心で 引っ越してきたというところに彼女に抱い ている印象とのギャップを感じてい たの中でのシーナさんは女性としても上司 としても常に完璧な人間という イメージ30代で課長にまで登り詰める ハイキャリア作業も早く実績も伴ってるの で説教にも説得力がある女性という面でも だらしないところを見たことがない常に つやつやと輝く黒髪綺麗なネイルアイロン がかかった服完璧なメイク まるでSNSにでも出てきそうなほど キラキラしているそんな女性でも恋に 破れることがあるなんてシーナさんでも恋 に破れることがあるんですね素直な感想を 口にした俺にシーナさんはふっと 笑うしんどいんだって私といると常に綺麗 に痛いと思ってネイルも部屋サロンもエス ても欠かさないメイクだって崩れるとか 許せないしすっぴんも見せたくない体の ラインだって年齢に負けたくないし仕事も 頑張って老後楽できるようにしたいそれっ て全部自分のために好きでやっていること なのに男から見たら付き合っている女が あまりに完璧すぎると好きがなくて 息苦しいんだってもっとかくて自分がい ないとダメなんだと思わせてくれるような 女の子の方が好きなんだってさ 稼ぎだって自分よりいいのが気に食わない とかとりあえずいろんな部分で コンプレックスに触れたりプライドを 傷つけたりするらしいよ私みたいな女 は自分で言いながらダメージを受けている のか話の途中からふしめがちになっていた 誰だって自分の好きな相手にそんな風に 自分を否定されたら傷つくに決まっている 自分のことを1番理解してもらいたい相手 だったら なおさらそうなんですかね俺にはその彼氏 の気持ちあんまりよくわからないですけど 特に慰めようとしたわけではなく本心だっ た俺はあまり交際関係が多いわけではない けれどちゃんと自立している女性は魅力的 だと思う今まで年下とばかり付き合って 甘いられすぎて嫌になっている部分もある けれ自分と同等かそれ以上に仕事を頑張っ ている女性は素敵だ俺の返答に顔を上げた シーナさんはうるんだ瞳を俺に 向けるそれって 慰め俺は軽く笑って再びビールに口をつけ た嘘は下手なんでつきませんよ純粋にそう 思っただけですいつの間にかシーナさんは 静かに俺にていたお互いの腕が当たる距離
に座りじっとこちらを見つめている酒の せいか妙な雰囲気が2人を包んでいる気が して俺はできるだけ彼女と視線を合わせ ないようにしていた一晩だけ付き合ってよ そう言って彼女は勢いよく俺に抱きつくと そのままの流れで唇を奪ったまさか上司 からこんな風に迫られると思っていなかっ た俺は密着する体に動揺を隠せない ちょっと慌てて止めようとする俺をその まま押し倒し上に乗ったままシーナさんは 無言で自分の服を脱ぎ始めた荒になった 素肌に視線が釘付けになってしまった俺 耳元で甘く囁かれた声に無償にも理性が 吹き飛んだ中途半端に優しくするくらい なら手慰め 男心をくすぐられた俺はそのまま彼女と 熱い一夜を過ごしたここ間違ってる今中に 全部入力し直して週明けいつの間にか寝て しまっていた彼女を部屋に残して俺は何も 言わずに自分の部屋に戻った正直どんな顔 をしたらいいか分からずに休み中1人で ずっと頭を悩ませていたもしかしたら会で もシーナさんのおららしい表情を見ること ができるかもしれないそんな淡い期待を 打ち砕くかのように会社での彼女は以前と 変わらず厳しい上司の姿を見せていた片し を食らったようでがっかりしている自分で も考えてみればあの日彼女は俺よりも酒に 酔っていたもしかしたらどこからか記憶が なくなっていて俺と過ごしたことを忘れて いるのかもしれない以前と何も変わらない 彼女の接し方に俺は寂しさを感じていた酒 の上のフラチだったとしてもあの日俺の腕 の中には間違いなくシーナさんがいた快楽 に溺れるあの表情を今でも思い出すことが できる自分の胸が高なった瞬間けれど彼女 にとっては何もなかった1日として記憶さ れているのだろうか直接確かめる勇気も ないまま平日が過ぎた覚えているわよでも 勘違いしないで私たちの関係は会社では あくまでも上司と部下1000引くらい ちゃんとしないと ねそれから数ヶ月週末になると決まって シーナさんが俺の家にやってくるように なった一緒に食事をしたりゲームをしたり 酒を飲んだり そして最後には必ず互いを求め合う旗から 見ればまるで恋人同士けれど俺たちの関係 にはちゃんとした名前はない割り切った 大人の関係とでも言えば聞こえはいいのか もしれない俺はあの夜からシーナさんが 何かにつけて俺の部屋にやってきてくれる のを心待ちにしているシーナさんは何食わ ぬ顔でやってくるけれどもう何度もも肌を 重ねているということはあの日のことを
忘れているわけではないらしい俺は勇気を 出して彼女にそれとなく探りを入れてみた シーナさんはタパにそう答えると布団に 潜って目を閉じている欲望に忠実に生きて いる彼女には俺に対する恋愛感情なんて1 つもないのだろうか彼女にとって都合が いい関係それはとても気楽で一見すると何 にも縛られていないように感じるけれど その関係の先にあるものは何だろう 付き合っている恋人というわけでもないの にこうして毎週末時間を共有しては夜を 過ごすだんだんと大きくなっていく彼女へ の愛着心けれどそれは俺が勝手に抱き始め ただけの感情シーナさんにそのがなければ 一方通行なだけそう考えると静かになった 瞬間虚しさに潰されそうになるちゃんと シーナさんの気持ちを聞こう決心を固めた 俺は眠った彼女の紙に指を滑らせてい た翌週いつものように部屋にやってきた シーナさんに俺は真剣な差しを向けた聞き たいことがあるんです いつにない真剣な表情の売に少し驚いて 見せたシーナさんけれどなんとなく彼女も 何の話をされるのか察しではいるよう だ俺のことどう思っているんですか都合の いい相手だとしたらもうこの関係を終わり にしたいんです俺はシーナさんのことが 好きですでもあなたは俺の恋人じゃない どんなに金曜日の夜にこの部屋で抱き合っ ていても朝が来れば当たり前のように元の 関係に戻るそれが歯がゆくて虚しく感じる ん ですシーナさんは黙り込んで俺から視線を そらすその気がないならもうやめましょう 未来のない関係を続けてもお互いのために はならない でしょう付き合ってもいないのにまるで 別れ話のような雰囲気だ重苦しい空気の中 で沈黙の時間が 流れる大人になるとずるいことばかり考え ちゃう怖いのよこの年でまた恋愛して失恋 するのが曖昧な関係にしておけば傷つく ことも 少ない自分の心を守るためにはっきりした 関係にならないで甘い蜜を吸ってるでも そんなの都合すぎるわよね元彼のことは もうすっかり忘れたものだと思い込んでい たけれどその恋で受けたダメージは今も なお彼女の心をむしばみ続けている痛みを 知っているからこそそれを避けようとする 気持ちは確かに分かる気がしたシーナさん に気持ちを打ち上げたらもうこの関係は 終わってしまうかもしれないそんな不安を えならそれでもなおはっきりさせたいと 向き合った俺の心も彼女と同じように不安
を感じていたもちろん俺だって関係を 終わらせたいわけじゃない恋人という ちゃんとした関係を作りたいのだ再びの 沈黙の後シーナさんは少し微笑んでいった でもこれだけは本当何にも思わない相手と 何度も夜をたりはしない前に進むのが 怖かっただけ眉を下げながら上目遣いで俺 を見つめる彼女はまるでか弱い少女のよう こんな表情を見ることができるのは俺だけ であってほしい俺は力強く自分の腕の中で 彼女を抱きしめ た信じてください俺があなたを守ります 悲しませるようなことはしませんから あなたからいれば年下で頼りないかもしれ ないけれどシーナさんを思う気持ちは中途 半端なものじゃない です胸の辺りにじんわりと彼女の涙が 広がっていくのがわかる優しく髪を撫でて いると心地がいいのか身を任せてきた時々 こうやって男らしいところ見せてくれるよ ねふふっと声を漏らしながら笑う彼女を見 ていると こちらまで釣られて笑顔になってしまう 彼女の心の傷は時間をかけて俺が癒して いく好きになったあの夜からその気持ちは すでに持ち続けていた約束だよ彼女の言葉 に頷き再び見つめあうどちらからともなく 寄せられた唇が音も立てずに重なり合った 優しい感触に温かいを感じるそれが俺たち の心の隙間を塞いでいくようにゆっくりと 満たしていったその日から俺たちは正式な 恋人同士となった会社では変わらず上司と 部下として厳しく指導を受けているしかし ひび家に帰れば恋人としての彼女の一面が 垣間見えるその優越感があるだけで仕事の 疲れももどこかに吹き飛んでしまうシーナ さんの特別な表情を見れるのはこの先も ずっと恋人である俺だけなの だ最後までご視聴いただきありがとう ございます今日の朗読はいかがでしたか 物語の感想などコメントをいただけると 嬉しいです是非チャンネル登録もよろしく お願いし ます
