北海道・知床沖で観光船が沈没した事故で、国は6月14日会社側の主張を聞く聴聞を行いました。
国が運航会社の事業許可取り消しに向けて動く中、会社側は不服を申し立てました。
2022年4月、冷たい知床の海で大勢の観光客らが犠牲となった悲劇から1か月半。
その知床から約400キロ以上離れた札幌市で6月14日、大勢の報道陣が朝から”ある人物”を待ち構えていました。
しかし…
石井 祐里枝 フィールドキャスター:「聴聞予定時間の午前9時半となりましたが桂田精一社長は現れませんでした」
6月14日、北海道運輸局で行われた沈没事故を起こした知床遊覧船への聴聞。
国は事故を受け「事業許可」を取り消す方針で、会社側の意見を聞く場を設けていましたが、桂田社長は姿を見せませんでした。
そしてA4サイズで数枚提出されたという陳述書にはこんな内容の記載があったといいます。
「事故の責任を会社のみに負わせるのはおかしい」
「監査などの確認をするという点で、国にも責任がある」
陳述書で事故の責任は監督官庁の国側にもあると主張し、責任を運航会社だけが負うことへの”不服”を述べたのです。
雄大な知床の大自然で思い出の休日となるはずが、一転して乗員乗客26人が冷たい海に飲み込まれた海難事故。
これまでに14人が死亡し12人の行方が依然わかっていません。
桂田 精一 社長:「安全統括管理者は私になりまして運航管理者は船長ですね」
事故から5日目に初めて会見を開いた桂田社長。
観光船の安全運航を管理する「運航管理者」の職務を担っていたのは船長だと説明しましたが、正しくは社長本人でした。
社長をよく知る人は…
桂田社長をよく知る人:「基本、船のことに関しては何も知らない。現場任せの人で。実際、遊覧船の事務所にいることがほぼない」
複数の関係者が船には関しては”素人”だったと語る桂田社長。
さらに事故当日の出航判断についても…
桂田 精一 社長:「海が荒れるようであれば引き返す”条件付き運航”を豊田徳幸船長と打ち合わせ、当時の出航を決めた。(Q:安全管理規程は守っていた?)はい」
運航基準を定めた会社の安全管理規定では風速8メートル以上、波の高さ1メートル以上になるおそれがある場合は出航を中止するとありました。
しかし事故当日は強風波浪注意報が出ていて、波の高さは1.5から3メートルの予報でした。運航基準が守られずに出航していたのです。
そして国が知床遊覧船に行った特別監査で、こういった出航の判断ミスや、ずさんな安全管理など合わせて19件もの違反が明らかになりました。
北海道運輸局の担当者:「聴聞の結果をふまえて処分内容を検討し、速やかに処分を行う予定」
国交省は早ければ数日以内に行政処分で最も重い”事業許可取り消し”を決定するということです。
処分が確定すれば、2年間は許可を再取得できないということです。
