動画内において、乾亨(いぬい あきら)を乾亨(いぬい とおる)と読んでおります。
修正いたします。申し訳ありません。

1974年10月5日から1975年3月29日まで、日本テレビ系列で放送されたテレビドラマ『傷だらけの天使』は、萩原健一さんと水谷豊さんを主演に、都会の片隅で生きる若者たちの青春と挫折を描いた作品です。今作は若者コンビの怒りと挫折を描いた、アンチヒーロー型の探偵ドラマです。ストーリーはバラエティに富んでおり、暴力団の抗争から捨て子の親探しまで幅広く描かれました。初期ではほとんどの回でヌードシーンが盛り込まれており、内容面では修と享が汚れ仕事をやらせる所長綾部に一泡吹かせようと反攻を試みるも、失敗するという展開が多く演出されました。しかしこれで主婦層などの視聴者からそっぽを向かれたり突き上げに遭うなどされたために視聴率が1桁寸前にまでダウンする事態が起こり、これを受けて清水欣也プロデューサーが「第8話から路線変更します」と宣言するまでに至りました。後期では暴力やエロチックなシーンを抑え、歌謡曲や童謡などの音楽を主軸に据えた“ロマンチシズム”をイメージに、修と一人息子の健太とのエピソードも増やしてオーソドックスな探偵ものへの軌道修正が図られました。しかし主軸の表・裏両社会の権力からの理不尽な仕打ちに挫折する若者二人の姿は、最終回まで貫かれました。
物語の舞台は、東京・新宿の雑居ビル「エンジェルビル」。ビルの屋上にあるペントハウスに住む木暮修は、綾部情報社の調査員として働く24歳の青年です。修は、父親を幼い頃に亡くし、母親を早くに亡くした孤児で、自由奔放で破天荒な性格。綾部情報社は表向き事務所の評判はよいのですが裏では悪事にも手を貸し非合法な取引なども行う悪徳探偵事務所でもあります。社長の綾部貴子も非情な性格でプライドも高い。修と亨にたびたび危険な仕事を与えて酷使する一方、修には「あなたは本当のワルになれる」と目をかけています。
修の弟分である乾亨は、修を兄のように慕い、修に張り付いて身の回りの面倒を見ています。純情かつ手堅い気質で、将来はお金を貯めて、修と健太と3人で暮らすことを夢見ています。親の顔を知る前に孤児院に捨てられ家族の顔も知らずに育ち、最終学歴は自称小卒です。リーゼントで頭にはポマードをべったりつけ、皮ジャンかスカジャンをいつも着ています。当時の設定としては時代遅れのスタイルとしてこの格好をしていましたが、放送終了後に真似をする若者が急増し、第2次ブームを迎えました。
劇中、頻繁に修を「兄貴ぃー!」と呼んで登場し、ある時は連呼していました。
修と亨の周りには、さまざまな人々が登場します。綾部情報社のナンバー2で冷徹さを装うも、実はスケベで見栄っ張りの辰巳五郎、綾部情報社の事務員で下請け調査員である修たちのことを見下していたが、次第に理解を示すようになる浅川京子、そして、修に惹かれていく女性たち。修と亨は、彼らとの関わりの中で、成長していくとともに、さまざまな挫折を経験します。
『傷だらけの天使』は、放送当時から大きな反響を呼び、萩原健一さんと水谷豊さんをスターダムに押し上げました。また、劇中で使用された井上堯之バンドのテーマ曲「傷だらけの天使」は、オリコンチャート1位を獲得するなど、社会現象を巻き起こしました。
『傷だらけの天使』の魅力は、何と言っても、萩原健一さんと水谷豊さんの瑞々しい演技です。萩原健一さんは、修の自由奔放で破天荒な性格を、水谷豊さんは、亨の純粋でまっすぐな性格を、それぞれ見事に演じ、視聴者の心をつかみました。また、岸田今日子さん、岸田森さんら、ベテラン俳優たちの演技も、作品に深みを与えています。萩原健一さんは後のインタビューで、「自分の相棒役にキャスティングが予定されていたのは火野正平であったが、火野が『斬り抜ける』などのレギュラー番組が決まりスケジュールが取れなくなったために水谷豊に変更になった」旨を明かされています。なお、水谷さんを推薦したのは萩原さんであり、『太陽にほえろ!』で萩原さん演じる刑事マカロニが最初に捕まえた犯人役が水谷さんで、その誠実な仕事ぶりが印象に残り、享役に推したと述懐しています。スタッフも大変豪華です。監督には深作欣二監督、神代辰巳監督、恩地日出夫監督、工藤栄一監督など日本映画界の俊英たちが監督をされました。工藤栄一監督は裏番組の暗闇仕留人の1話ほか数話も監督されていて、面白い状況でした。

また『傷だらけの天使』は、当時の若者たちのリアルな心情を描いた作品でもあります。修と亨の自由奔放な生き方は、当時の若者たちの憧れの的でした。また修と亨が経験する挫折は、当時の若者たちの青春の縮図とも言えるものです。
『傷だらけの天使』は、時代を超えて愛され続ける名作ドラマです。今なお、多くの人々に影響を与え続けています。

『暗闇仕留人』は1974年6月29日から12月28日まで、毎週土曜日夜10時から、朝日放送と松竹が共同製作・TBSテレビ系(現在とネットワーク編成が異なる)で全27話が放送された時代劇です。主演は石坂浩二さん。必殺シリーズの第4作目、中村主水シリーズの第2作目にあたります。『仕置人』の続編として主水、半次、おきんが出演、さらなる活躍を見せますが、石坂浩二さんがそれまで演じてきた好青年役とガラリとイメージを変えて演じた糸井貢役が、哀しみを背負ったキャラクター、三味線のバチでの殺し、悲劇的な顛末で、このシリーズだけの出演となりましたが、必殺シリーズを通しての人気キャラとなりました。
嘉永6年。浦賀沖に黒船が来航、江戸の町は大混乱となります。そんな時でもあいかわらず冴えないままの北町奉行所同心・中村主水でしたが、かつての正体は金をもらって殺しを請け負う裏稼業の”仕置人”でした。仕置人で別れた念仏の鉄や棺桶の錠がいなくなり、主水は退屈な奉行所勤務を続けていました。ある日、奉行所の大々的な夜鷹狩りの最中、女髪結いのおそのが夜鷹として捕らわれた。その場をみていた坊主の男は謎の同心に斬り付けられますが、すさまじい怪力で返り討ちにしてしまいます。かけつけた主水は、その殺害現場を目撃。二人の間に緊張が走ります。さらに突然、主水に謎の男が襲いかかってきます。互角の腕で斬りあう2人の隙を見て坊主男は逃げ出し、主水の同僚が来た為、謎の男も退散しました。翌日、見回り中の主水は怪しげな商売をしていた半次、おきんと再会。主水は2人に再び裏の仕事をしないかと持ちかけます。2人は承諾するものの人手がおらず、主水は昨夜襲ってきた男と大吉を誘おうと考えるのです。一方、北町奉行所に、おそのが夜鷹に間違われ捕まったと訴え出る老人が現れます。奉行所は相手にしませんでしたが、主水はこっそり老人を娘に会わせる為に牢に連れてきます。しかし娘は牢におらず、主水は悪事の臭いを嗅ぎ付けるのです。
やがて与力の高畑と近江屋が結託して、妾奉公させる為におそのを攫ったことが分かったのです。主水は坊主頭の男大吉と、自分を襲った男・糸井貢を見つけ出し、裏の仕事を持ちかけます。元・殺し屋の大吉は主水の誘いを受けますが、貢は十手持ちの主水を信用しきれず断ります。
主水たちは、おそのが水口藩の屋敷に捕らえられていることを割り出しますが、その矢先、彼女は殺されてしまいます。事態を知ったおそのの父親は盗みを働き、五両の金を工面。恨みを晴らして欲しいと貢に託し、奉行所に連行されます。貢は預かった金を主水に託すが、仲間になることは断ります。
夜、悪人たちが集まった料亭で主水は高畑を、大吉は近江屋を仕留める。貢は実際に殺しを見て主水を信用し、残る水口藩家老の湯川を仕留めるのでした。
翌日、せんの夫の十三回忌が開かれます。妻りつには二人の妹がいて、妙心尼という仏門に入った妹と、あやという脱藩浪人と駆け落ちをした妹です。出家した次女のたえは情夫の大吉を連れ、三女のあやは夫の貢を連れてやって来ます。そこで主水、大吉、貢の3人は互いに義兄弟だったことを知るのでした。こうして結成された仕留人チームは弱者の恨みを晴らしていくというのが、第一話の大まかなお話です。大吉の必殺技は敵の心臓を揉み潰すことですが、必殺仕置人の鉄のレントゲン写真にさらに趣向を凝らし、オシロスコープで心電図まで披露されました。また、貢のバチは必殺仕事人のおりくのバチの元祖というもので、二枚重ねたバチをずらし小手先の微妙な動きで相手を倒します。本作は前作『助け人走る』に引き続き、必殺仕置人殺人事件の影響を受け、「必殺」をタイトルから外しています。『助け人走る』と異なり、『必殺仕置人』の中村主水が再登場したことで、コンセプトは初期2作のそれに近いものとなりました。その一方で、糸井貢は人を殺めることの意味について苦悩する役柄となっています。当初、別の作品が製作される予定でしたが、プロデューサーの山内久司さんが『必殺仕置人』の登場人物である中村主水を「このまま眠らせるのは惜しい」として、本作が製作される運びとなりました。当初予定した番組は『おしどり右京捕物車』として、別枠で制作、放送されました。放映開始直前までは『暗闇始末人』のタイトルでしたが、時代小説『始末屋卯三郎暗闇草紙』とタイトルが酷似していたため、作者の結城昌治さんからタイトル変更の要望を受け、それに応じたという経緯があります。このため、脚本の準備項は「仕留人」ではなく「始末人」と記載され、テレビ情報誌の番組宣伝広告には『暗闇始末人』と明記されていました。なお時代設定が幕末の黒船来航以降となっていますが、以後の主水シリーズではそれ以前となる時代も扱っており、時系列の問題については特に説明はされていません。
キャスト面では中村主水役の藤田まことさんの他、糸井貢役に石坂浩二さんを起用。村雨の大吉役は当時の人気刑事ドラマ『太陽にほえろ!』で山村精一役を演じた露口茂さんに打診していたのですが断られ、次に同番組に石塚誠役で出演していた竜雷太さんに打診を行い、一度は了承されましたが、大吉が坊主頭であったため折り合わず、最終的に近藤洋介さんが選ばれました。第1作『必殺仕掛人』から連続出演している津坂匡章さんと野川由美子さんも起用され、『必殺仕置人』のおひろめの半次と、鉄砲玉のおきんを再び演じられました。津坂さんと野川さんは本作を以て、シリーズを降板されました。
主題歌「旅愁」は58.1万枚の大ヒットを記録、オリコンチャート最高2位にランクインしました。妙心尼が劇中で発する台詞「なりませぬ」は流行語にもなりました。

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8件のコメント

  1. TBSは、その後、時代劇やって、角川シリーズ。これで人気だったのが、映画や全員集合で人気になる
    古谷一行の金田一。

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